理想と夢は
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( ‥)あなたにいわせれば、理想と夢はトンデモの原因か
あるいは共通の要因から生じる何かであると
( ‥)夢と理想を守ることを始めた時、
仮説は反証で死ぬことを許されず、
詭弁と虚構で生きながらえるゾンビと化す。
いやむしろ
(‥ )いわゆるトンデモな人が
夢とか理想に飛びつくのかもしれんな。
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( ‥)そんなもんですかね?
いや、実際、夢とか言ってる奴、概してただの痛い奴だし。
∧∧
( ‥)はあ、まあ、そういう人もいるかもですね
( ‥)前も言ったように夢見る人が、理想を追い求める人が、
大虐殺を始めるのは当然なんだよな。
おかしいなあ、うまくいかない。オレ様の夢や理想が間違っているわけがないのだから、ははーん、邪魔をしている奴がいるな? サボタージュしているに違いない。
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( ‥)でっ、虐殺を始めると。
( ‥)純血主義者のヒットラーだろが、マルクス主義者の
スターリンだろうが、やることはそりゃあ同じだよな。
理想の行き着く先はガス室か強制収容所さ。
ああ、だからこう? 昔、昔、古代の思想家が言ったように
(‥ )かように善を語る人は危険人物であるから皆殺しにすべし
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( ‥)理想の理想的な根絶。言葉の矛盾ですね。
理想の理想的な根絶は非現実的。
あるいはこう?
自己否定的
ああ、しかし
( ‥)世界を生き急がせれば、夢は現実に屈服し、
理想は現実的に縮小する。
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( ‥)まあ、そりゃあねえ、夢や理想は耐久性が
まったくありませんからね。
世界を生き急がせねばならぬ。
(‥ )自分の夢が指の間からすり抜けていく、あの時に浮かぶ
人間の失望と絶望の顔は、これがもうゴミくずのような
しろもので、しかし、その時こそがすばらしい。
∧∧
( ‥)仮説が現実に摩耗して敗北する時、
それは知識がまたひとつ増えた瞬間であると。
現実と接触した時、夢は摩耗し、その時、確かに確実に知識は増えている。
だから破壊に絶望しか感じない間抜け面はたまらなく不愉快だ。それはただの間抜けではない。間抜けの上に間抜けではないか。手に負えぬ。
だがしかし、その間抜け面の背景にひそむ現実は
∧∧
( ‥)確かに現実なのだと
( ‥)あの瞬間、確かに自分は実体で、この世界には
何か秩序があるのだ、と実感させられる。
そうだ、おまえを絶望的にまで摩耗させた、この宇宙の現実をこそ私は見たい。
(‥ )夢見る間抜けが絶望に引き歪む、あの瞬間こそ
宇宙の顕現なり。
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( ‥)ああ、しかし、今はあなたもお疲れモードですね。
そうさ、体が重い。しかし、ここに絶望はなく、宇宙は顕現しない。自分が実体なのかどうかすらよく分からん。
( ‥)ここにあるのは作業だしなー
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( ‥)終わりも始まりもない作業の終わりの始まりですよ。
まあ、しかし、いずれ死ぬのだから終わり、それ自体はあるのだ。
(‥ )それにしても、死ぬまでに自分に実体があったと
実感できるものなのかね? 腹が減ったとか
痛いとか、そういうもの以外で。
∧∧
( ‥)どうでしょうねえ? 実感を持つ必要性さえないのでは?
まあ、確かに、無いと言えば無い。知ればそれで良いではないか。