中世西欧では天動説を信じる教会が絶対で地動説を唱えると火炙りになった...というのは俗説であり、地動説で火炙りになったり、あるいは処刑された人物はいない。
ただし、こういう俗説の根拠になった人はいる。
ジョルダーノ・ブルーノ 1600年火刑
∧∧
(‥ )でも処刑理由は
\− 地動説そのものではなく
無限宇宙に神が
普遍存在すると
主張したことが
いわゆる汎神論
異端とされたから
(‥ )でっ有罪の決め手に
されたという彼の著書
「無限、宇宙、および
諸世界について」
をほぼ読み終えたのだけど
この本は対話形式で架空の人物同士が討論するという内容だが、主流派の人物が異説を唱える主人公を、お前は...
靴直しのチェッコの孫
売春婦の車ひきモモの息子
ろばの靴作りラザロの弟
と罵声する場面がある
∧∧
( ‥)いきなりの固有名詞
( ‥)チェッコとモモと
−/ ラザロって誰だよ?
ちなみに本の内容自体は野心的ではあるがくだらないものでもある。
かつてアリストテレスはやっかいな性質を持つ無限を回避しようと、宇宙は有限でその外には何もないと設定した。現代の物理学者も方程式に無限が入るのを回避しようとする。動機は古代も今も変わりない。
しかし、宇宙の外に何もない。空虚も空間も時間もない。そこは真なる無である...というか真なる無である以上、”そこ”、という概念すらも成立しない。
この設定に戸惑う人もいるだろう。
ブルーノは宇宙は無限とすることでこの戸惑いを解消したのだが、その代わり、アリストテレスが回避した物理的問題をことごとく背負い込むことになった。
∧∧
(‥ )でもブルーノさん
\− その問題を自覚して
いないみたいよね
なーんにも語ってない
(‥ )まあだから
皆から無視されたし
ほぼ無名で
終わったのだよな
確かに彼は歴史に名を残し、無名ではないのだが、業績は知られていない。それはそうだ。業績がないからである。言ってしまえば、彼は火炙りにされたからこそ、有名になれたので、それだけであった。野心的ではあるし、当時の無限の理解を書き残した重要性は認められるが、それだけだ。
∧∧
( ‥)でっ?
チェッコとモモと
ラザロって誰だよ?
(‥ )検索したけどもさー
とりあえず出てこないや
ちなみにスペルは、Cecco Momo Lazaro