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2021年10月19日火曜日

地動説で火炙りにされた人間はいない

  
 一般的な理解による天動説と地動説はいい加減な把握と誤解がまざる混沌地帯で、ほとんどなにひとつとして正しくない。
 
 ∧∧
(‥ )地動説を唱えると
\−  火炙りにされたとか
    ブルーノは地動説で
    火炙りにされたとか
    コペルニクスが
    火炙りにされたとか
    ガリレオが
    火炙りにされたと
    信じている人もいるね
 
  (‥ )全部間違いだよね
 
 なるほど、確かにブルーノは火炙りにされたけども、彼が火炙りにされたのは主張が汎神論のように思われたからで、別に地動説を唱えたからではない。
 
 かように世間の地動説弾圧の認識は根本から間違っている。どっちかというと地動説は利点が全然ないので無視されたのだ。少なくとも専門家からは。
 
 ∧∧
(‥ )でもさー
\−  教会が誤解される
    余地はあるよね
 
  (‥ )せっせと
      馬鹿みたいに
      人間を焼いたからな
 
 理由はあった。12世紀、南フランスで勢力を伸ばした異端、カタリ派。交尾で生まれるものを忌避する徹底的な禁欲生活を行う宗派。ご本人たちはキリスト教の正当後継者と思い込んでいるが、清貧の見た目の内側は、この世を地獄、肉体を牢獄と考えるあからさまなに怪しげな新興宗教だった。
 
 確かにこれはさすがに放置できまい。
 
 ∧∧
( ‥)13世紀初頭に
    アルビジョア十字軍編成
    主要都市を陥落させた後
    残党狩りの異端審問組織化
    次々に異端を焼き
    1239年
    Mont-Aimeの村では
    一挙180名を火刑
 
  ( ‥)とまあ
    −/ 理由はあれど
       教会は
       せっせと人間を
       焼いたからなあ
 
 どれだけ組織化しても、異端審問を私物化するものやら、冤罪やら、問題はどうしても生ずるわけで、どうしても悪い印象はぬぐえない。それに西欧は歴史的な理由で俗権よりも教会の方が強いという特異な社会だった。
 
 宗教戦争はどこの世界にもあるが、西欧の異端審問は一方的に大規模に、大量に思想犯罪取締りをしたわけで、その印象にどうしても縛られてしまうのである。
 
 
 
 
 
     

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