たかし君がやってくる！

　
　夢を見た。
　
　訪問者が来たので玄関に出ると、青いスーツを着ているが、首から上が伸びて千切れたマネキンのようなものがいて、いきなり掴みかかってきた。
　
　なっ？　なんだこいつは？
　
　こちらも相手の手を掴み返すと、妙に細長いつるっとした感触がする。
　
　ダメ！　たかし君！　という制止する女性の声が聞こえるが、しかし声は聞こえど姿は見えず。

　なんとこいつの名前はたかし君か？　そして、声の主はたかし君のお母さん？？
　
　ここで目が覚める感覚がして、自分はその手に何かをしっかりと握っていることが分かる。確かに何かつかんでいる。相手の腕を自分は確かにつかんでいる。
　
　こやつの手の正体、しっかりと見極めてやる。そう思って目を開けて見ると、ただ何かを握らんとしている自分の手があるのみ。
　
　　（　‥）おのれ！　悪霊！
　
　∧∧
（　‥）楽しそうだな