自己紹介

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2018年12月4日火曜日

監修だって? 君はただ働きをする気があるか?

 
 ∧∧
(‥ )百田さんなる
\‐  放送作家さんが書いた
    日本国紀
    あいかわらず
    売れてるみたいね
 
  (‥ )他の売れ筋と比べても
      売れ行きは別格だね
      紀伊国屋のwebストア
      在庫が
      3135冊ありよる
 
 ∧∧
(‥ )我々はせいぜい150冊
\‐  でしたからなあ
 
  (‥ )あっはっは
      なかなか
      羨ましい話じゃないか
      百田のおっちゃん
      やりおる
 
 内容の一部がwikiのコピペじゃないか! 参考文献がないじゃないか! 引用が孫引きじゃないか! 引用に間違いがあるじゃないか! という世間の自称識者の指摘もどうでもいい話であった。
 
 なぜなら、そもそも本というのは、そのほとんど全てがそういうものなのである。以上の批判はそれが理解できていないし、それが理解できていない時点で、そんな素人の意見など意味がない。掃いて捨てるべし。
 
 ∧∧
(‥ )こういう本を作るときは
\‐  ちゃんとした監修者を
    立てるべきだと
    いう人もいるけど
 
  (‥ )タダ働きで良いなら
      どうぞ
      としか言えないな
 
 例えば作家と監修者で原稿料を折半したとする。この場合でも監修者の取り分はせいぜい25万程度になる。これはおおむね一ヶ月分の給料に該当する。しかし監修者の仕事は一ヶ月ではすまないから、原稿料の折半という破格の条件でさえも、監修者はタダ働き同然のことをすることになる。
 
 だからもしもあなたが監修を引き受けるときは、自分はこれからタダ働きをするのだ、それでもここで手を抜いたら俺は終わりだ、そういう決死の覚悟がなければいけない。
 
 ただ働きにも関わらず、原稿を読み赤を入れて...ではなく、赤を入れる前にまず該当論文をもう一度読み理解し、確認し、自分がこれから原稿に入れる赤自体に思い込みがないかどうか、それを確かめた上で赤を入れる。つまり自分自身の赤に赤を入れる手間が必要だ。

 さらに文字数内になるべく正しい記述を入れるにはどうすれば良いか? それを作家と意思疎通しつつ、思案、模索しなければならない。
 
 これ、なかなかの手間であろう? しかも本業の研究だの、授業だの、仕事だのと並行して行うのだ。つまるところ25万という破格の条件でも、これは手間暇を考えればタダ働き以外の何物でもない。
 
 ∧∧
( ‥)ちなみにあなたが以前した
    仕事で
    出版社による監修者への
    監修料っていくらだったっけ
 
  (‥ )確か...
     1人あたり5000円だね
 

 かように、監修とは基本、タダ働きであると考えねばならない。
 
 しかも、これでもまがいなりにも支払いがあるから、厳密な意味ではタダ働きではないのだ。
 
 ∧∧
( ‥)それでもなお
    たとえ文字通りの意味で
    タダ働きでも俺が監修する!
    と言い出す人がいたら
    どうします?
 
  ( ‥)そんなやつは信用できんな
    ‐/ 人間は利益で行動する
       タダ働きをする人間は
       必ず手を抜く
       論文を確認せずに
       思い込みで赤を入れるぞ

 
 
 困ったことに研究者に限ってこういうことを案外としよる。自分はすでに知っていると思い込んでいるので原著や原論文を再度読んで確認しない。というかタダ働きだから脳が手抜きをするので、再度読んで確認するという手間を怠るのだ。
 
 タダ働きは必ずこういう弊害を生み出す。
 
 ∧∧
(‥ )だから監修すれば良いと
\‐  安易に言ってはいけませんと
 
  (‥ )少なくともそういうことを
      言ってるやつは
      いざ監修となったら
      最初の一週間で心が折れて
      いい加減なことを
      しだす連中だね
 
 もしこんな連中と仕事をするはめになったら、仕事の前にまず監修者を始末しなければならぬ。監修とはそういうものなのだ。
 
 
  

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