自己紹介

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2018年3月11日日曜日

夢はずっと殺していられる

 
 売れる本とはなんぞ?
 
 ∧∧
(‥ )今度出した本は
\‐   恐竜の本だったけど
     amazonを見るに
     生物系で売れている本は
     ゆるい雑学系とか
     ホモ・サピエンス全史とか
     バッタを倒しにアフリカへ
     とかだね
 
  (‥ )まあいつもの話だな
      気楽に読めて
      可愛い絵柄で
      手元に置きたい本で
      非常に幅広く売るか
      人間か
      作者のキャラが立ってるか
      そこだなあ
 
 バッタを倒しににアフリカへ。バッタが女性の緑の服を食べてしまった、という話は自分も子供の頃に読んだことがあるが、それが脳裏から離れず、自身も食べられたいと思い、研究者になり、さらにアフリカまで行ってしまうとなると只者ではないを通り越して半神の域である。
 
 ∧∧
(‥ )もうその紹介だけで
\‐  魂が鷲掴みですからな
 
  (‥ )より上位分類の
      科学テクノロジーの
      売れ筋をのぞいて見ると
      人工知能
      宇宙
      ゆるい雑学系
      ホモ・サピエンス全史とか
      歴史の俯瞰ものだな
 
 さらに上の上位分類、つまり本の売れ筋はラノベと金メダリストの羽生選手、そして、君たちはどう生きるか?という本の漫画版。
 
 
 ∧∧
(‥ )君たちはどう生きるか? 
\‐  この本の主人公は
    コペルニクスを
    気取ってるそうですが...
 
  (‥ )じゃあパクリするのかい?
 
 
 言い方悪いがコペルニクスの地動説はぶっちゃけた話パクリだったし、地動説の提案はコペルニクス的転回ではなかった。コペルニクス的転回とは物事が180度変わるという意味だが、皮肉なことにその語源であるコペルニクスの地動説はコペルニクス的転回ではなかったのである。それはアイデアとしてはどうでもいいものだったし、歴史的にもどうでもいいものだったし、革命ですらなかった。
 
 それでも、いつの頃からかは知らないが、コペルニクスの地動説は世界を揺るがせた大革命であったと認識されるに至ったのである。
 
 それも周囲から理解されぬまま、ただ一人真実にたどり着いた孤高の人というイメージ。
 
 ∧∧
( ‥)言っちゃ悪いけど
    こうしてコペルニクスは
    痛い人向きの存在に
    なってしまいましたとさ
 
  ( ‥)意識高い系の中二病患者は
    ‐/ 自分をガリレオや
       コペルニクスに
       例えるよねえ
 
 あるいはプラトンに例えるのである。これらいずれも真実にたどり着いたが周囲の無理解の中で孤立し、それでも真実を離さなかった、そういう印象で語られる人々だ。そして自分を彼らになぞらえることで誇り高く生きようとする人は古代より今に至るまで絶えることはない。
 
 ∧∧
(‥ )それこそ次の本は
\‐  そういう話に触れるんでしょ?
 
  (‥ )触れるっていっても
      4見開き8ページだけ
      だがな
 
 ∧∧
(‥ )...これはそのなんだ
\‐
 
  (‥ )ははっ
      次の本は売れねえな
 
 
 
 いや、むしろ夢殺しを始めるきっかけであるか。
 
 
 ∧∧
( ‥)夢を殺すのはいい
 
  (‥ )夢の断末魔は
     心地いいからな
 

 
  しかもあいつら死なない。おかげでずっと殺していられる。
 
 
 
 
   
  

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