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2012年11月30日金曜日

考えてみれば会社は最適化されている、おおむね

 
 
 ∧∧
( ‥)緊デジ?
 
  (‥ )「経済産業省「コンテンツ
       緊急電子化事業」」の
       略称だそうだ=>*
 
 ∧∧
(‥ )緊デジとは=>*
\–   によると、書物の電子化を
     代行する組織を立ち上げて
     震災にみまわれた東北六県
     の復旧をはかる一環だと
 
 (‥ )図書というのは大事でな、
     今でこそ、いや、いつの時代
     でも図書の大半は娯楽、
     気晴らし、祈りと詩なんていう
     くだらんしろものだけども、
     知識と技術体系を保持、伝える
     重大な役割も担っている。
 
 西欧哲学の歴史がおおむねプラトンの注釈だというのなら、そのプラトンは無理数を排除し、0を知らず、マイナスを知らず、二次方程式を自在に解くこともできず、微分、積分を扱えない。その注釈が2000年以上に及ぶ知の歴史だというのなら、そんなもの、高校や中学の授業以下の存在だ。そして詩と想いと祈りでは戦に勝てん。
 
 ∧∧
( ‥)でも? その高校や中学の授業
    ですら、現代科学や数学の
    上っ面であると
 
  ( ‥)それを補うのが図書なんだ
    –□ 科学、数学、技術、
       これを伝える図書がない、
       図書を知らない、
       アクセスできない、
       これは絶望的でね
       単なる低賃金労働者に
       なるしかない、そんな
       運命ということさね
       それでもいいが、
       それだけではすまない
       つまり図書は重要だよ。
 
 Amazonのkindle、それが持つコンテンツに対抗、あるいは対応できるだけの電子コンテンツを作ろうってことでもあるんだろう。
 
 ∧∧
(‥ )文科省ではなくて、経産省
\–   ってところもみそですね
 
 (‥ )経済と産業に関わる
     分野だから、担当するは
     経産省よな。
     いつまでたっても電子化が
     進まない出版会の状況に
     国家官僚の皆さんが
     危機感を覚えて、
     発破かけたのかもね。
 
 
 だが、どうも、東北のためにコンテンツをそろえよう、というのはともかくとして、書籍の電子化はうまくいかないのではないか(あるいは時間がひどくかかる)、という話を聞く。
 
 ∧∧
(‥ )緊デジとは*を読んでみると
\–   電子化を代行、
     手間賃をかけないよう、
     ファーマットが変化しても
     対応できるよう、
     色々してくれる
     みたいですけどね
 
  (‥ )経産省に出来ることは
      しているらしい
      問題は会社がしなければ
      ならない部分らしくてね
 
 ∧∧
( ‥)例えば、ある出版社が去年
    10冊の本を出しました
 
  (‥ )それはいずれも紙の本
      10冊の本を作るとき、
      10回、契約を結び、
      10個の書類を作り、
      10回処理している。
 
 ∧∧
( ‥)それらの本、その電子化
    それ自体はこちらで代行
    しましょう、そう
    言ってくれました。
 
 ( ‥)では、電子化にあたって
   –□ 会社は電子化の契約書を
      作成しなければいかん
      紙の本には紙媒体に
      関する契約しかない
      からね
 
 
 ∧∧
(‥ )一方、経理は今年も
\–   新刊10冊の契約を
     処理しなければいけません
     そうしないと
     会社は収入がなくなって
     しまいます
 
  (‥ )追加で10冊分、
      電子化の事務処理も
      同時に行ってください。
 
 ∧∧
( ‥)無理じゃね?
    いや、無理だろ。
    2倍の仕事って不可能
 
  (‥ )では3冊では?
 
 
 ∧∧
( ‥)無理じゃね?
    経理には年間10冊分の
    処理を可能にする人数しか
    いないわけでしょ?
    あー暇だわーとか言ってる
    わけないじゃん
    会社もそんな無駄なこと
    するわけないし、
    13冊の処理も法外
 
  (‥ )経理増やすか?
 
 
 ∧∧
( ‥)増えた人数分、養える
    あてがあるの?
 
  (‥ )ない。
 
 
 ∧∧
(‥ )紙の本Aが3000部売れた
\–   それを電子化したA’が
     では3000部また
     売れるかというと。
 
  (‥ )無理だろうな、
      あるいはあてにできる
      状態ではないね。
      そもそもそういう状況に
      ないからコンテンツの数を
      増やして産業として
      成立させよう、
      そうしないとやばいって
      ことなわけだからね
 
 
 *極端なことを言うと、去年出した10冊を今年すべて電子化して、それが売れた収入が去年と同じならなんの問題もない。収入が同じなら、電子化の事務処理だけをして新刊を出さなければいいからだ。この場合、自社の過去の遺産だけで食っていけるという夢のような話も成立するだろう(編集者など新刊を作成する人員を削ることすら可能)。だがそんなことをしている出版社は、聞いたことがない。ようするにこんなことは成立しない、ということがうかがえる。
 
 
 ∧∧
(‥ )でも、経理のことは
\–   経産省の担当ではもちろん
     なくて、
     個々の会社でやるべき
     ことですしね
 
 (‥ )それは当然。そして
     ゆえに、電子化したくても
     収入のあてがない、
     収入のあてがないと
     電子化できない、
     こういうことらしい
  
 
 ∧∧
( ‥)会社は、収入、支出、
    処理速度に応じて
    おおむね最適化されて
    いますから
 
  (‥ )余計なことに割く余裕は
      おおむね無いと考える
      べきだよね。
    
 
 ∧∧
(‥ )やるにしても、
\–   わずかな余裕を使って
     ちまちまやるしか
     ありませんね
     当然、作業は遅れます。
 
  (‥ )発破をかけても経理的な
      限界がある。しかし
      やらなければ可能性が
      失われる。やるにしても
      時間がかかるし、
      間に合うか分からない
      だがやるしかない
      なかなか
      頭の痛い話よな。
 
       
 
 

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