自己紹介

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2012年11月2日金曜日

ほら、現実が這い上がってきた

 
 
 1984年はディストピア。
 
 ∧∧
( ‥)あなたに言わせればユートピア
    なのであると。
 
 ( ‥)もう変化が起きないように
     全人類が征服も抹殺もできない
     超巨大国家に分割されて
     引きこもった世界。
 
 無限大の闘争と言いながら、ただひたすら逃げて現状維持だけに汲々として、過労死しそうなほどに神経を使って管理運営している世界。
 
 ∧∧
( ‥)全能感を維持するために人類が
    引きこもった未来
 
 (‥ )いったいどこが闘争?
     どこが永遠の凱歌だろう?
     無限の敗北しかない世界
     永遠の消極しかない世界
     永久の後ろ向きだけの世界
 
 ああ、しかし、だからこそ、そこは永遠のユートピア。
 
 ∧∧
(‥ )僕には才能がある、僕の創作を
\–   認めてくれ!! という声が。
 
  (‥ )だめだ、だめだ、持ち込み
      なんかしちゃ駄目だ。
 
 持ち込みなんかしてごらん? 自分の実力が知れてしまう。ああ、個性的ですね、ああ、ここはこうしたら良いですよ? 適当なアドバイスがあるけども、それは評価していない証しだ。
 
 
 ∧∧
( ‥)描け、描け、ひたすら
    書け、書け
 
  (‥ )駄目さ、駄目さ。
      練習したって
      うまくなんかなるものか
      だって、すでにうまいはず
      ではなかったか? 
      練習しても
      学校いっても学んでも、
      何になろう?
 
 さあ、ほら、だから自分にもっと気持ちの良い嘘をつこう。
 
 
 ∧∧
( ‥)描く、描く、ひたすら描く
    何を言われようとも
    描く、描く、書く、書く。
 
  ( ‥)必要ない、必要ない、
    –□ 出版界はコネと金の世界
       そうなんだ、
       オレが認められないのは
       そのせいなんだ。
 
 ∧∧
( ‥)pixiv pixiv !!
 
 (‥ )意味ない、意味ない、
     オタク向けの絵が、
     ラノベみたいな文章が、
     そんなものオレは書けない
     描けない。
 
 いや、書きたくても書けないのだ。描きたくても描けない。迎合したくても、その”迎合”とやらをする実力がそもそもないなのだ。
 
 ∧∧
( ‥)HP, HP, blog blog!!
 
  ( ‥)無意味、無意味
      コメントは辛口、
      評価はいつも同じ人、
      傷の舐め合い、
      なすりあい
 
 どれだけ評価の高い作品でも嫌う人はいる。どれだけ駄目な絵でも評価する人はいる。評価してくれる人が”いる”、それは、それだけでは、芽が出るか出ないかと才能があるかないかと関係ないということだ。

 
 ∧∧
( ‥)もう、引きこもるしか
    ありませんね。
 
 (‥ )そうだ。そして他人の作品を
     鑑賞しては、良いだの悪いだの
     ああだ、こうだ、
     自分ならもっとこうすると
 
 口先だけで、実力はずっとはるか後方に置きっぱなしにしてしまい。あまつさえ、オレ様は消費者だからオレ様の意見を全国のクリエーターは見習うべき!! と無駄に吹聴しては、ごくわずかな者に、そうですねー、と言われ、大多数からは気の毒な人? と無視される。
 
 
 ∧∧
( ‥)消費者って言葉は生産者的には
    あまり意味ないのですけどね
    消費者は個体の集合で、しかも
    便宜的な分類、恣意的な概念
    でしかありません。
    個人の意見は無意味でしょう。
 
( ‥)オレ様の評価、個人の評価では
  –□ 意味ないんだ。なんらかの
     母集団を反映しないとだめだ
     個人のままでは購買力が
     ほぼ0だからな。
     本やイラスト集を買っても
     生産者に支払う金はせいぜい
     10円、100円、200円
     それが一体なんだろうか?
 
 だから言われるのだ。
 
 お前、必要な概念じゃないし。
 
 ∧∧
( ‥)意味もなく意義もなく
    自己満足だけで他人を評価して
    しかし実力も目的も夢も
    全部、後ろに置き忘れて
 
  (‥ )己の実力、己の能力
      選択肢を選びつかむ決断力
      それらを全部を捨てて、
      無駄なプライドを
      選んで拾った報いだよ。
 
 だが、それでも幸せだろう?
 
 引きこもれば幸せだ。自分を認めぬ世間を呪詛するだけで、ほら、一番見たくもない、恐ろしいものからは眼をそらしていられる。
 
 ∧∧
( ‥)でもね、追いつかれるのですよ
 
 (‥ )夢見る者に残された最後の
     リアル。それが肉体。そこに
     忍び寄る時間と老い。
 
 ほら、足をつかまれた。
 
 くるぶし、ひざ、太もも、這い上がってきたぞ、現実が。
 
 
 

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