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2015年1月13日火曜日

おうし座を運行するラブジョイ彗星

 
 ラブジョイ彗星、C/2014 Q2はじりじりとおうし座を移動中

 
 ∧∧ 撮影してみるの?
( ‥)
 ‐( ‥)肉眼では無理だが
     あれだけ明るければ
     デジカメなら写るだろ
 
 やってみたら写った。















画面中央からやや左下、緑がかったぼんやりしたしみのようなもの、これがラブジョイ彗星。ちなみに画面左下のやや明るい星はおうし座29番星らしい。
 
 ∧∧
(‥ )さすがに肉眼では無理だよね
\‐
 
  (‥ )本当に空が暗くて
      澄んでいれば見えるかも
      だけど...
      小さいから星と区別が
      つかないかもしれないな
 
 天文関係のサイトはともかく、普通のメディアは8000年に1度とか、エメラルドグリーンとか宣伝に忙しいけども緑に見えるのは機械で露出した話。目で見ると白いしみである。


スケッチをアップするとこんなだ











 ∧∧
(‥ )これは望遠鏡での
\‐  スケッチだから
    ひっくり返った状態
 
 (‥ )もう日付が変ったから
     昨日12日のデジカメ画像に
     10日と11日における
     彗星の位置を乗せてみると
     以下のような感じだね












 倍率を下げていくとこうである。





















 


撮影は日付が変る直前で、おうし座は西の地平へ傾きかけている。もっと早い時間、例えば7時とか8時に見える場合は、星座の向きが変ることに要注意だ。
 
 


2015年1月12日月曜日

2015年1月12日は

 
   ( ‥)....
     ‐/
 
 ∧∧
( ‥)なによ?
 
   (‥ )今日は休みか?!
 
 ∧∧
(‥ )2015年の1月12日...
\‐   成人の日だね
 
  
   ( ‥)なんか様子がおかしいと
     ‐□ 思っていたが
 
 ∧∧
( ‥)休日って周囲の状況から
    判断するものなんですかね
    

 

法律はどのように運営を

 
 ∧∧
(‥ )イスラームが成立したのは
\‐  ヒジュラ暦の開始から
    数えたとしても
    キリスト暦で622年
    もう1400年前だね
 
  (‥ )日本だと大化の改新の時と
      ほぼ同じなんだよな
 
 例えばの話、大化の改新の時の法律や制度で現在の工業社会を統制できるであろうか?
 
 ∧∧
( ‥)イスラム法、シャリーアで
    現在を統治するのは
    時代錯誤だ
    そう批判する人いるよね
 
  ( ‥)でもこういう時に
    ‐□ 思い出すのが
      ビザンチン帝国の話だな
 
 ビザンチン帝国はつまるところ東ローマ帝国であり、中世のローマ帝国だ。滅びたのは15世紀、帝国の法律はそれをさかのぼることはるか以前、古きローマ法によっている。
 
 ∧∧
(‥ )ところが実際の運営は
\‐  その時代に沿って
    ローマ法を解釈して
    運営していたようだと
    そんな話がありましたね
 
 (‥ )夫殺しの犯人を妻が告発する
     本来のローマ法では
     それはできないはずなのに
     法的解釈を色々駆使して
     告発できるとした
     そういう話な
 
 
 詳しくは知らない。講談社現代新書「生き残った帝国ビザンティン」を読んだ時に出てきた話で、11世紀のことだそうな。
 
 原典や論文に当たればもっと色々なことが分かるだろうけども、ともあれだ、少なくともここから分かることがある。
 
 ∧∧
( ‥)法律って解釈すれば
    いかようにでも
    運営できるんじゃね?
 
  (‥ )日本だって
      非武装がどうのと
      言ってるけども
      自衛隊は事実上の
      軍隊だからな
 
 もちろん、法律を解釈次第で運用する、というのは危険だ、という言い様もあろう。
 
 しかし考えてみれば法律はそもそも人々の支持でなりなっているのだ。支持されなければ法律が明文化されていようが関係ないし、支持されれば、それが解釈でしかなくても問題ない。
 
 ∧∧
(‥ )イスラム法も
\‐  そういうものだろうと
 
  (‥ )そもそも
      当たり前なことしか
      言ってないからね
 
 もちろん、利子をとってはいけないとかそういう規定があるから銀行が特殊な形になるとか、そういうこともあろうし、人の移動を推進したメッカ巡礼、飲酒の制限、豚肉の禁止など色々と特徴的なこともあろう
 
 ∧∧
( ‥)でも考えてみれば
    当たり前なことを言うのが
    宗教でしょうしね
 
  ( ‥)当たり前のことを
    ‐□ 当たり前に解釈して
      運営する
      そんな無茶な話とは
      思えないのよな
 
 古き伝統の法律を使うことを否定する人は多いが、以上を考えればそれは的外れやも知れぬ。むしろ、例えば法学者が最高権力者になっているような、現在のイランのような仕組みの方をこそ考えるべきかもしれぬ。
 
 ∧∧
(‥ )あれも解釈としては
\‐  どうなのでしょうね
    初期の時代
    預言者のことを知っている
    指導者が
    その教えに基づいて統治した
    それを考えると
    法学者の統治こそが
    正当だとも言えるでしょうし
 
  (‥ )でも個人的には
      法学者は
      俗権からの要請に応じて
      答えた方が良いと
      思うのだけどなあ
 
 
 法律はどのように運営されるべきか? それは絶えず問われることなんだろう。
    
      

 
    
    

ナメクジは是か否か ピーマンは是か否か

 
 こんなの変だよ、気持ち悪い...
 
 ∧∧
(‥ )主張の末尾にこういう表現を
\‐  つけるべきではないと
 
  (‥ )これをつけた瞬間に
      どんな主張も説明も指摘も
      ナメクジは是か否か? 
      という形式になってしまう
      これはいかんじゃろ
 
 
 重要なのは説明の内容で指摘であるのだから、こういう結語は必要あるまい。
 
 ∧∧
( ‥)嫌い! も駄目だと
 
  (‥ )それをつけると
      ピーマンは是か否かに
      なっちまうよな
 
 ∧∧
(‥ )これはおかしい
\‐  マスコミは二枚舌である
 
  (‥ )そう言うのが
      良いんじゃね?

 
 
 ただし、煽りとしての効果は確かに失われるやもしれぬ。
 
 
 

未来を変えるなんてほぼ無理なので

 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  ( ‥)そうねえ
    ‐□ 例えばの話
 
 相手をおちょくっていたら相手から反撃された
 
 ∧∧
(‥ )これだけじゃ
\‐  何の判断もつきませんね
 
 (‥ )ワールドカップで
     ジダン選手に何事かを言って
     頭突きを食らった
     イタリア選手がいたよな
 
 ∧∧
(‥ )これを
\‐   ジダン選手は言論の自由を
     頭突きという暴力で
     封殺したのだ...
     と論評するのですか?
 
  (‥ )することも可能だろうな
      意味があるのかは
      知らないが
 
 言論の自由と言う言葉がでかすぎて、こういう個別の問題を扱えないのだとも言える。
 

 ∧∧
( ‥)その言論はどうであったか?
    相手に失礼ではなかったか
    その言い様に正当性は
    あったのか?
    単なる侮辱ではなかったか?
    相手の怒りはもっともでは
    なかったか?
    頭突きが問題だとしても
    怒りは当然ではなかったか?
    その怒りを否と跳ね返すだけの
    正当性をその言葉は
    持っているのであろうか?
 
  ( ‥)相手の怒りを跳ね返す
    ‐□ そのために釈明し
      自分の言葉と
      その正当性を主張する
      これを説明しなければ
      いかんわけだ
      この時にだよ
      言論の自由を
      使ってはいかんのよ
 
 もしそんなことをしたら、
 
 言論の自由は正当である
 
 この侮辱は言論である
 
 ゆえにこの侮辱は正当である


 これが成り立ってしまう。
 
 ∧∧
(‥ )言論の自由から論理的に
\‐  導かれる結論という
    暴力性だね
 
  (‥ )ただの循環論法で
      正当性なんて客観的には
      存在しないのだけどな
      だがそれゆえにこそ
      必然的に論理的だし
      演繹的なんで
      論理野郎共には受けるでな
      たちが悪い
 
 これをやってはいけない。ただの宗教になってしまう。ただの宗教になったらその先は宗教戦争しかなくなる。着地点がまったく見えなくなってしまう。
 
 ∧∧
( ‥)事例は個々に関して
    論ずべき事である
 
  ( ‥)正当性を示すべき時に
    ‐□ 言論の自由とか
      でかい単語をつかっちゃ
      駄目だよね
 
 でかい単語はでかいゆえに細かい個別の事柄を汲み取ることができない。つまり、個別の事柄を圧殺する暴力装置と成り果ててしまうだろう。
 
 ∧∧
(‥ )フランスでは預言者を
\‐  おちょくった風刺漫画家が
    射殺されたとか
 
  (‥ )預言者を論じるのはだな
      風刺漫画じゃなくて
      神学や法学の仕事だよね
 
 そういえば、イギリスに在住している悪魔の詩の著者に、イランのホメイニ師が死刑宣告をしたがゆえ、イギリスとイランが対立したことがあったけども。
 
 ∧∧
( ‥)イギリスからすれば
    内政干渉だと
 
  (‥ )ところがさ
      著者はイスラーム教徒
      イスラーム教徒は
      イスラム法
      つまりシャリーアに
      従わなくちゃいかんのよね
      当たり前なんだがな
 
 すると法学者であるホメイニ師の宣告は、その意味で有効だ、ということになる。
 
 ∧∧
(‥ )むしろ死刑宣告が妥当かどうか
\‐  シャリーアに基づき
    それを争うべきだったの
    ですかねえ?
 
 (‥ )詳しい法学大系は
     知らんし
     それでどうこうなるとも
     あまり思えないけどな
     とはいえ
     裁判や審判とは
     本来そういうものではあるね
 
 ∧∧
(‥ )フランスもさることながら
\‐  西欧はどうなっちゃうの
    でしょうねえ
 
  (‥ )世界中を侵略して
      人々を奴隷化して
      富をかき集めた
      しかしお互いの殺し合いで
      自滅し奴隷を失った
      そこで低賃金労働者として
      移民をかき集めた
 
 それらは規定事項のようなものなんだろう。ドミノ倒しのように次に動くものがすべて決まっている状態。
 
 当たり前の話だが、世界中から富を求めて低賃金労働者がやってくる。彼らの中にはある意味正当な人々もいるだろう。立ち位置としては搾取された祖先の富を取り返しにきただけの人もいるだろう。しかも彼らは異教徒である。
 
 ∧∧
( ‥)呑み込まれるのは時間の問題
 
  (‥ )イスラームには
      貧者に施す義務
      ザカートがあるけども
      あれが西欧で
      機能しだしたら
      早そうだけどね
      どうなんだろうね
 
 例えばの話、元々のフランス人が全員、移民を搾取できるわけでもあるまい。だとすれば、ネイティブの中からも困窮する者が出るのは当然。しかも今の時代は次々に新興国が工業化して低賃金の工業国として参入してくる時代だ。状況は自動的に悪化する一方のはず。
 
 ∧∧
(‥ )困窮したネイティブが
\‐  ザカートに頼るために
    改宗しだすかもしれない
 
  (‥ )教会も馬鹿じゃないから
      対抗するだろうけどな
      一度骨抜きにされた
      古い宗教が新しい宗教に
      勝てるのかは疑問よな
 
 ∧∧
(‥ )今のうちにシャリーアを
\‐  学んでおけと?
 
  (‥ )未来にも現在にも
      自由なんて
      ほとんどないからね
 
 設定された世界に乱れを与えて未来を変える。これ自体は可能ではあるが、実際にはほぼ無理である。
    


  
    

2015年1月11日日曜日

あなたを認めてくれる統制があなたの望み?

 
 昔こんな番組を見た。
 
 ライオンは雌が群れを作り、雌が狩りをする。
 
 ライオンの雄は狩りはしないが、群れを守る役割を果たす。
 
 しかしやがて若い雄ライオンが現れて、それまでいた雄ライオンを倒し、群れから追い出す。
 
 新しい雄ライオンは、雌ライオンたちが育てている前の雄との間に出来た子供を皆殺しにする。
 
 ひどいように見えますが、これも強い個体を残して種を強くするために仕方がないことなのです。
 
 ∧∧
( ‥)番組はそう説明したけど
    それは間違いだよね
 
  (‥ )個体は種の事なんか
      考えて
      行動したりはしないからな
 
 いや、考えることは可能なのだ。単に不安定だから消えるだけである。
 
 実際、種全体のことを考えて皆のために利益を供与しよう。そういう行動を行なう個体がいたとする。
 
 厳密には他人のためになる行動を行なう遺伝子を持つ個体、となる。
 
 そんな遺伝子とそれを持つ個体がいても、すぐに消えてしまう。
 
 ∧∧
(‥ )そうは行動しない他の個体に
\‐  たかられてお返しももらえずに
    食いつぶされて
    終わりだからね
 
  (‥ )他の個体の利益になる
      行動を司る遺伝子は不利だ
      食いつぶされて終わり
      個体ごと死んでしまうから
      そういう進化は起きない
 
 もちろんこういう、”他の個体にたかられて終わり”、という状況を突破する方法も幾つかある。

 だがしかし、それはようするに他人のために振る舞っているようでいて、他人に奉仕しているその本人が一番大きな利益を得ている、そういう場合である。
 
 アリや社会生活を行なうハチがそういう例。
 
 もうひとつ、異論はありえようが、無償奉仕する自分を仲間に見せつけて、しかるべき地位を要求し確保している場合があるらしい(地位の高い人間が食事をおごるような感じ)。
 
 いずれにせよ、行動と利益には複雑な関係があるから、色々な抜け道がありえようが、まあ、原則そういうことだ。世の中には個体の淘汰だけでなくもっと大きな単位の淘汰も起こるのだ! マルチ淘汰があるのだ! と主張する人もいるが、まあこの考えはそう言っている人がいるよね、という程度の話で、認められているような状況ではない。つまり理論として成果が上がっていないのだ。そういう見解を論ずる必要はなかろう。
 
 ∧∧
( ‥)でっ、以上を踏まえると
    冒頭のライオンの行動は
    非常に単純ですよと
 
  (‥ )雌が群れを作る
      だったら
      雄ライオンは雌の群れを
      支配した場合
      女の子たちを全員
      独占できるわけだ
 
 つまり、人間が妄想するようなハーレムである。もっとも雌からすればこの雄は他所から押し掛けてきたただの闖入者だとも言えるので、人間が考えるようなモテモテかというと、そういうものではない。
 
 しかし、子づくりで大成功できることに違いはない。
 
 *ちなみにライオンの群れはプライドと呼ぶから、ハーレムと例えるのは適切じゃないかもしれないけど、まあ、ここではハーレムとする。
 
 ∧∧
(‥ )でも他の雄も同じことを
\‐  考える
    ハーレムで大成功を
    全員が考える
 
  (‥ )つまりそれまで
      雌の群れを支配していた
      雄を倒し
      群れを乗っ取る
      そうすると女の子を独占
      自分の子供をたくさん
      生ませることができる
      だったらそれをする
      全員がそれを行なう
 
 生物が行なっている生存競争、これは試合に腕力で勝てば良い、というものではない。ゲームの勝敗は、子孫をどれだけ残せるかで決まる。ダーウィンはそういう意味を込めて生存競争を”存続をめぐる争い”と表現した。
 
 女の子の群れを自分のものにすれば、自分の子供をたくさん生ませることができる。雄ライオンの場合、ゲームの勝ち負けはここにかかっている。
 
 問題は、全員がそう考えて挑戦し合うので、女の子を独占できるのは本当に短い期間だってことだ。
 
 ∧∧
(‥ )以前論文を読んだら
\‐  平均して1年と半年しか
    もたないそうですよね
 
  (‥ )ぎょっとしたよなあ
 
 しかも、これ、困ったことに雌ライオンが子供を育て上げるのにかかる時間とほぼ同じなのだ。さらに言えば、その間、雌ライオンは新しい子供を作ってくれない。
 
 ∧∧
( ‥)つまり前の雄ライオンを
    倒した新しい雄は
    雌の子育てが終わるのを
    待っている時間がない
 
  (‥ )だったら子供たちを
      殺してしまうのが
      手っ取り早いのだ
 
 理由は単純だ。子育てが終わるのを待っている紳士的な雄は、自分の子供が作れる時間がないまま追放される可能性が強い。進化のゲームは、子孫をどれだけ残せるかで決まる。だとしたらそういう待ってあげるライオンの遺伝子は消えてしまう。
 
 残るのは前の雄の子供を殺す遺伝子である。
 
 当然、雌ライオンはこれに抵抗するが、雄ライオンは遅かれ早かれ子供たちを皆殺しにしてしまう。
 
 ∧∧
(‥ )ところがそうなると
\‐  雌ライオンはただちに発情して
    新しい雄ライオンを受け入れ
    新しい子供を作る
 
  (‥ )番組の解説者が
      そこに一番
      ショックを受けて
      呆然としていたのが
      印象的でな
 
 たぶん、自分の子供を殺した男と寝るなんて! ということなのだろう。
 
 だがしかし、雌ライオンからすればそんなこと言っていられないのだ。私の子供を殺した雄なんていらない! と拒否したら、その雄が別の雄に倒されるまで子づくりを待たねばならない。
 
 ∧∧
( ‥)そんなことしていたら
    生涯に作れる子供の数が
    顕著に減ってしまうよね
 
  ( ‥)雌ライオンは
    ‐□ 人間の価値観に従って
      いられないんだよな
 
 ライオンの子殺しは単純に言って、以上のように進化理論で説明される。
 
 しかし、一部の知識人や文化人、あるいはマルクス主義者も含めて、彼らは子殺しを説明できる進化理論に軽蔑のまなざしを見せた。
 
 彼らは言った。進化理論は子殺しのような非道を正当化する理論であると。ゆえにそれは間違っているに違いないと。
  
 だが、その理屈でいうと、犯罪や事故の原因を説明できる理論は非道を正当化する間違った理論だ、ということになる。
 
 彼らの言っていることは間違っている。というか、連中は頭がいかれている。
 
 だが、ライオンのこういう行動、他の男の子供を殺し、あるいは自分の子供を殺した男と寝て子供を作る、こういう計算づくの行動にとまどいを覚える視聴者が多いのもまた事実である。
 
 このような時にテレビ番組が見せた説明が、ライオンの子殺し、これは強い個体を残して種を強くしようという本能なのです、という説明であった。
 
 だがしかし、この手の説明は非道どころの騒ぎではない。これは集団の質を下げる弱者は抹殺しろ、という主張なのだ。ナチスのガス室も、スターリンの収容所もびっくりの説明である。
 
 ところが、これに対して異論が出たという話を聞いたことはない。
 
 進化理論を非道だとか言っていた連中が文句を言ったという話も聞かない。
 
 ∧∧
(‥ )単に知らなかった
\‐  だけなのでしょうけどね
 
  (‥ )だがな
      本当にそれだけか?
 
 
 マルクス主義者はしばしば個人は全体に奉仕するべきだ、と述べた。実際、スターリンのやったことを見れば、正反対の立場と言われたヒトラーやファシズムと表裏一体、鏡に写った己自身のように全体主義であった。
 
 あるいはこうである
 
 自由、権利、民主主義、なんでこんなことも分からないのか? そう怒っていた人が、人間の弱者保護は人間が種として持つ生存戦略であって当然なのです、という説明に諸手を上げて賛成するのを見た。
 
 これは一体なんであろうか?
 
 自由を主張しつつ、集団全体を統括する司令部を認めて、その指令にそむことは許さないと無邪気に主張する。
 
 あるいは、自ら正しいと信じる道徳が遺伝的に正当化されていると聞いて、喜びに天まで舞い上がる、これもまた種全体を統括する司令部と、その命令に歓喜している。
 
 これは一体なんだろうか?
 
 個体がどれだけ子供を残すのか? そういうルールで子殺しを説明する進化理論に対し、露骨に嫌悪感を示す連中が、集団全体のために個人はこうするべきだし、弱者保護は遺伝的に決定された人間の性質なのだと説明されると、今度は一転して舞い上がる。
 
 この構図は一体全体なんだろうか?
 
 自由と言いつつ、集合に奉仕する事を求め、集団全体が均一に遺伝子の命令に従っていることを賞賛する。
 
 これはなんであろうか?
 
 ∧∧
( ‥)単に自分にとって
    都合の良いお話を
    集めただけ?
 
  (‥ )おそらくはそうだな
 
 自由とか言っているくせに、自分は人間という種が定めた遺伝子の命令に従っている、それが道徳的なのである、そういう言説を無邪気に信じ込んで賞賛する。
 
 自由が欲しいとか言っているが、それは本当なのか?
 
 お前が求めていたのは自分を認めてくれる世界。自分の価値観を肯定してくれる世界ではなかったか?
 
 確かにお前は、お前の考えを認めてくれない世界からの自由を求めた。
 
 だがしかし、本当に望んでいるのは、あなたを認めて受け入れてくれる統制ではなかったか?
 
 お前が本当に好きなのは自由じゃない。自分が理想とする全体主義ではなかったか?
 
 だって、そうでもなければ種の統制という主張に舞い上がったお前の心理を説明できないじゃないか。
 
 
 
 

2015年1月10日土曜日

ほほう、好奇心とな?

 
 教えるには好奇心を刺激するべきなんです。
 
 ∧∧
(‥ )...だそうですが
\‐
 
  (‥ )好奇心って具体的に
      なんだ?
 
 ∧∧
(‥ )書いてませんね
\‐
 
  ( ‥)そんなものは
    ‐□ 提言とは呼べん
 
 女の子にもてたかったら、女の子に興味を持たれる姿でいなさい、というぐらいに役立たない提言。
 
 ∧∧
(‥ )その場合は
\‐  彼女の好みを調べれば
    可能ですね
 
  (‥ )それは
      個人を相手にする時にしか
      使えない手だよね
 
 
 教えるとは不特定多数を相手にするものだ。
 
 好奇心を刺激するとは、聞こえは良いが無意味である。
 
 
 
 

公式を覚えて解けば良い疑惑

 
 黒い生き物がいるとする。肌が黒いのか体毛が黒いのか、はたまた羽毛が黒いのかは問わない。
 
 黒い生き物だ。
 
 さて、生き物は本来、一定の姿をとどめることができない存在である。一般に思われているような”種の本質”というものは存在しない。時間が経過すると生物は、姿も性質も否応無しに変化してしまう。
 
 ∧∧
(‥ )でもその生き物は
\‐   黒いままである
 
  (‥ )なんらかの淘汰で
      黒いままでいることを
      強制されているのだな
 
 淘汰がかかる理由には色々な要因が考えられよう。例えば紫外線を防ぐためなのかもしれないし、あるいは敵に警告する効果があるのかもしれない。あるいは周囲が玄武岩質の岩石で出来た荒れ地で黒く、敵から目立たないのかもしれない。
 
 さて、その生物の黒さを司る遺伝子があると単純に考える。それは黒い色素を作る遺伝子である。
 
 そして黒い色素を作る遺伝子が機能を喪失したと仮定する。
 
 それを持つ生物はもう黒い色素を作れない。体が白くなる。
 
 ∧∧
( ‥)だけど多くの生物には性がある
    両親は子供を作る時に
    自分の遺伝子を半分にして
    それを子供に与える
 
  (‥ )性のある生物の遺伝子は
      単純に考えてワンセットだ
 
 つまり体を黒くする遺伝子と、体を黒くしない遺伝子がペアになった場合、その生物の体は黒くなる。
 
 ∧∧
(‥ )これがメンデル遺伝が言う
\‐   優性、劣性の事例だね
 
  (‥ )ごく単純な事例だな
      片方は色素を作る
      片方は作らない
 
 性のある生物の遺伝子がワンセットである以上、片方が色素を作る場合、色素を作らないという遺伝子はその性質が発現しない。つまりマスクされる。優性の形質に劣性の形質が隠される。
 
 この場合、色素を作らない遺伝子がその性質を発現できるのは、色素を作らない遺伝子とペアになった場合に限られる。
 
 ∧∧
( ‥)実際には事態はもっと
    複雑だけども
 
  ( ‥)単純にはこんなもんだな
    ‐□
 
 黒い色素を持つのが有利である以上、黒い色素を作れない遺伝子は”有害”な効果を持つ。それは紫外線を防げないのかもしれないし、あるいは敵に見つかりやすいのかもしれない。
 
 色素を作れない遺伝子は発現すると敵に食われるなりなんなり、何らかの理由で集団から排除される。つまり体を白くする遺伝子は淘汰されることによって急激に数を減らしてしまう。
 
 ∧∧
(‥ )でも完全には無くならない
\‐  100個体に1の割合で
    ”色素を作れない遺伝子”が
    存在する
    そこまで数が減ると
    今度は発現しないから
    淘汰に引っかからなくなる
 
  (‥ )これがメンデル遺伝の
      重要なところだな
      マスクされた変異が
      蓄積するように出来ている
 
 もちろん、蓄積するからといって数が増えるわけでもない。増えたら発現して、結局、淘汰によって排除されるからだ。
 
 さりとて変異は減る一方でもない。変異はいつでも起こっているから色素を作れない遺伝子はぽつぽつと生まれてくる。つまり供給が存在する。
 
 こうして有害な遺伝子はある割合で均衡することになる。
 
 ∧∧
( ‥)これと同じことが
    他のあらゆる遺伝子で起こる
 
  (‥ )結果的に性のある生物は
      膨大な変異を
      蓄積することになる
 
 近親結婚をすると有害遺伝子が発現する、というのはこのせいでもある。
 
 例えば親の片方が100個体に1の割合でしか存在しない変異を持っているとする。
 
 遺伝子の半分を分け与えることで子供を作る場合、それが子供の遺伝子に入る可能性はある。

 *入らない可能性もある。精子や卵子を作る時にシャッフルされたり組み替えがあるためだ
 
 近親でない個体同士の結婚では問題は少ない。
 
 だが、兄妹同士の結婚では、どうなる?
 
 両親の片方がその遺伝子を持っていた以上、その遺伝子を兄妹どちらも持っている可能性は通常よりも高い。
 
 だとしたら兄妹同士の結婚で生まれた子供が、それをペアで持つ可能性も高くなる。
 
 ∧∧
(‥ )実際には配偶子を作る際の
\‐  もろもろがあるから
    これは必ずではない
 
  (‥ )だが可能性が高まることは
      否めないな
 
 しかも、人間には膨大な変異があるのだ。近親相姦の場合、どれかが可能性をかいくぐって発現することはむしろ当たり前だろう。
 
 そういうわけで人間もそうだが、性を持つ動植物は近親結婚を避ける性質を持つようになった。
 
 生物は子孫を残すゲーム、生存競争、より適切には存続をめぐる争いに全員が参加している。そうである以上、自分の子供世代が不利になって自分の系統が断絶する可能性が高まる事態に遭遇した時、近親交配を避ける仕組みを持つものが有利になる。これはごく単純な理由であり進化だと言える。
 
 *ただし、性を持つ事自体が大変な負担であるので、こういう仕組みを放棄したものもいる。放棄した結果利益を得てゲームで勝利者になったという事例だ。具体的に言えば、近親交配どころか、自分で自分を受精させてしまうことが主流になったものも数多くいる。
 
 
 さて、冒頭の黒い生物の話に戻る。その生物が分布を広げるなりなにかして、黒いことが不利になる環境で生活するようになったとする。例えば周囲の岩場が明るい灰色になったのかもしれないし、あるいは雪が降るようになったのかもしれない。
 
 黒いものは不利になる。するとこれまで隠されていた白い変異が途端に有利になる。黒い変異は減る。白い変異が数を増やし、ついにはその生物は白い生物になる。
 
 ∧∧
(‥ )生物が環境と淘汰の変化に
\‐  即座に対応できるのは
    このせいだよね
 
  (‥ )進化理論を理解できない
      人間は
      メンデル遺伝が理解できて
      いないのだ
 
 メンデル遺伝は変異をマスクする効果を持っている。そうである以上、膨大な変異が我々の遺伝子には眠っている。いざとなればそれらが新しい淘汰に対応するための素材として機能する。
 
 例えばの話、ついにエボラ出血熱が大規模なパンデミックに達して、アフリカ、欧米、中国、日本、南米、インドと急激に拡大し、次々に人が死んで死体の処理すら追いつかなくなってしまうような状況に陥っても。
 
 ∧∧
( ‥)人類はそんなことでは
    絶滅なんかしない
 
  (‥ )誰か必ずいるのだ
      感染しない奴
      感染しても軽度で終わる奴
      感染して重症になるが
      完全に回復できる奴
      人間の変異にはそれだけの
      幅があるものさね
 
 以上は単純な話だけども、少なくとも、以下のようなことは分かるのではないだろうか?
 
 人間には発現すると死をもたらすような超有害なものも含めてあらゆる変異がすでに蓄積されている
 
 というか全員が持っている
 
 有害な変異は無制限には増えないが、無くなることもまたない
 
 それを実現する仕組みは性であり、メンデル遺伝である
 
 生物の遺伝子が示す優性、劣性と、変異の有利不利とは必ずしも相関しない
 
 *例えば以上の例え話では白い形質は劣性であり、当初は不利で有害だったが、後から有利になった
 
 ∧∧
(‥ )もちろんどうやっても不利な
\‐   変異は不利だろうけどね
 
  (‥ )心臓が無くなっちゃうとか
      そういうのはどうにも
      ならないからな
 
 つまり優性、劣性と有利不利が必ずしも相関しない。
 
 だからといって、有害な変異もいつか役に立つかもしれないのだからすべてが等価、ということにもならない。
 
 可能性があるは、すべての変異の可能性が等価である、を意味しない。
 
 以上を踏まえると例のこの話=>弱者を抹殺する。不謹慎な質問ですが、疑問に思ったのでお答え頂ければ... - Yahoo!知恵袋
    
 ∧∧
( ‥)これは完全にめちゃくちゃな
    説明ですよ、と
 
  ( ‥)致死的な変異を含めて
    ‐□ それを蓄積するのは
      メンデル遺伝であって
      人間の専売特許ではないし
      有害な効果をもたらす
      遺伝子を蓄積すれば良い
      というわけでもない
 
 そもそも有害な遺伝子は発現すると淘汰で取り除かれる、そして一方では変異で生まれてくる、という状況で均衡しているのだ。
 
 どんな変異でもいつか役立つかもしれない。そういう遠大な視野に基づいて意図的に変異を増やせば、発現が増え、淘汰によって排除される個体が増えることになる。

 ∧∧
(‥ )兄妹間の結婚とか
\‐  そういう強い近親結婚で
    なくても
    現行では
    有害な効果をもたらす変異が
    発現してしまう可能性が
    増えてしまう
 
  (‥ )村のような集団でも
      有害な発現が起こる
      そうなれば個体が
      取り除かれる
      人口が減れば
      より近親交配になる
      すると顕著に発現が起こる
      つまり全滅する可能性が
      高まるわけだ
      絶滅は退場である以上
      こんな進化は起こらない
      回答者の考えていることは
      成立しないだろうな
 
 たぶん、質問者が人間の弱者保護と優生学を混同した質問をしたので、回答者も弱者保護の正当化と優生学の否定をごちゃまぜにした回答をしてしまった、それだけの話なのだろう。
 
 
 ∧∧
( ‥)でも多くの人が
    この回答に素晴らしい!と
    答えた
 
  ( ‥)メンデル遺伝による
    ‐□ 変異のマスクは
      義務教育では習わないし
      生物学は一律な定義が
      原理上不可能だから
      苦手な人が多い
      そのせいかもね
 
 いや、生物学は覚えることや考慮することが非常に多い学問領域なので、一見すると簡単に見える物理学や数学に安住してしまった、そういう定義と論理で物事を考えたせいやもしれぬ。
 
 以前聞いた中学生の会話のように=>hilihiliのhilihili: プラトンの教室に樽親父が乱入したことを忘れてはならぬ
 
 ∧∧
(‥ )あの子たちの愚痴は
\‐  もっともだと思いますけどね
 
  (‥ )そりゃそうだ
      分子遺伝になると
      受験勉強の域なんか
      とっくに飛び越えて
      なんじゃこりゃ状態に
      なっちまうしな
      それらに直面すると
      気持ちは基本的に
      よく分かるよ
 
 だがしかし、これは疑惑にしかすぎないけども、
 
 公式を覚えればいいから物理学や数学を選択科目に選ぼう
 
 これはいわば受験に向けた戦略の話で、このままでは問題ない。
 
 だがしかし、人間というものの発想はこれだけで終わるであろうか?
 
 受験の戦略だけだったはずが、これを全てに普遍化し、覚えた公式から論理的に考えだされたものが正しい、というトンデモ発想に飛躍してしまった
 
 そういうことはなかろうか?
 
 実際、大人ってこういう堕落をよくするよねえ?
 
 そうでないと、人間を種と一括し、種が生存戦略を持つと一律に定義し、それによって自分たちの行動を正当化しようという暴力的な主張は出てこないだろう。
 
 何が暴力的かって、例えばの話、このような論法で児童虐待や子殺し、ネグレクトを正当化することも可能であるからである。
 
 遺伝的多様性と言いつつ、種の生存戦略と申し述べた時、彼らは個体や、そればかりか個体が持つ遺伝子の戦略にも変異があるという現実を、自らひきつぶしてしまっている。
 
 ∧∧
(‥ )あなたはこういう論法を
\‐  むしろ全体主義と見る
 
  (‥ )人間を種として
      存続させるために
      劣悪な遺伝子を抹殺しよう
      そう主張した
      優生学主義者と何が違う?
      
 
 あるいはこうかもしれぬ。人間は定義で考えるから、どれだけ立場が違っても、根本には”人間をすべて同じものにしてしまおう”そういう欲望が基本にあると。

 あるいは定義で考える人がこのような主張に賛同するのであろうか?
 
 優生学も全体主義も先の回答もなにか根本が似ているのは、そのせいかもしれぬ。
 
 実際、種という言葉を使って何事かを正当化した時、そこにあるのは個人の尊重では実のところない。種に所属する個体全体に対する一方的な命令だ。

 そこにあるのは寛容ではない。むしろ個体の変異の無視であり、個体が持つ遺伝子の変異の無視でもある。
 
 事実、自分たちも含めてすでに我々はあらゆる変異を持っている、死をもたらす変異さえ、あなたも私も持っている、そういう発想が以上の主張にまるで見られないのも、そのせいではなかろうか?
 
 それもこれも、これはあくまで疑惑であるが、公式さえ覚えれば問題が解ける、定義と論理と演繹があればイデアと真実にたどり着ける、そういう発想の延長ではなかったか?
 
 こういう世界観はプラトンから、あるいはそれ以前から始まった古いものであるし、そして、それに対する争いも2000年以上続いているのである。
 
 
 
 

2015年1月9日金曜日

プラトンの教室に樽親父が乱入したことを忘れてはならぬ

 
 先日、電車に乗っていると中学生と思わしき二人の男の子がジャージ姿で話し合っていた。青と灰色の、スマートなジャージ。
 
 数学と物理は分かりやすいけど、生物がどうも苦手で..
 
 なんで?
 
 数学と物理は公式を覚えれば解けるけど、生物はなんか覚えることがいっぱいあるじゃん
 
 ああ、そうだね。
 
 肺とか腎臓とか分からないし

 ああ、あれはね、体に不要なものを捨てる器官らしいよ
 
 ここで二人は電車を降りたのでこれ以上は分からない。
 
   肺は酸素も取り込むけど
 ∧∧ 二酸化炭素を出すしね
( ‥)
 ‐( ‥)あの理解はそんな
      おかしなものでは
      ないだろうな
 
 確かに分からないでもない。分子生物学に至ってはあらゆる化合物、あらゆる酵素、あらゆる蛋白質、あらゆる前駆物質、あらゆる細胞生成物がぞろぞろと軍団を作り、それぞれの固有名詞、それぞれを分類したファミリーネームが隊伍を成して整列し、それとは別の機能面に注目した名称やグループ名が乱闘しているめちゃくちゃな有り様だ。
 
 しかも、その全容はまだ分かっておらず、謎は増え、名詞もものすごい勢いで増加するばかりである。
 
 ∧∧
(‥ )それに比べたら
\‐  すでに完成された
    公式と方程式を解けば良い
    数学や物理は楽ってことですか
 
  (‥ )実際にはそんなもの
      数学や物理学がかつて
      置いていった製品で
      最前線にいけば
      通用しないのだがな
 
 数学や物理は、定義と公式を覚えれば良いような、お上品なおこちゃま学問などではないだろう。
 
 とはいえ、確かに、数学や物理学では、定義がかなり楽なのは確かだろう。
 
 ∧∧
( ‥)反対に
    生物学や進化学はおかしい!
    なぜ厳密に定義できないのか?
    この定義からすれば
    こうではないか??
    そう息巻く門外漢の研究者も
    いますよね
 
  (‥ )それは馬鹿むき出しだがな
 
 理由はそれこそ単純なのである。
 
 あらゆる時空の陽子や電子はすべて同じ性質を持つと考える。これは仮定でしかないのだが、これを覆すような話はちょっと聞いたことがない。
 
 電子と陽子から出来た水素はあらゆる時空で同じ性質を持つとする。これは実際には同位体があるのだから正しいとは言えないが、元素は同位体を含む。そのように定義を拡張すれば問題ない。
 
 元素から出来た二酸化炭素も同様。
 
 だがしかし、酵素となったらこの前提が崩れてしまう。
 
 なんでかというに、酵素はアミノ酸から、アミノ酸は酸素や水素や窒素から出来ている。
 
 これだけを考えれば一律に定義できそうだが、実のところ酵素はそれを組み立てるアミノ酸が少し違っても機能を果たすことができる。というか変ってしまったので基本は同じだが、働ける温度やpHの値が変ったりする。もちろん、機能自体が下がったり、あるいは上がったり、あるいは完全に失ってしまう場合もある。
 
 ∧∧
( ‥)酵素Aと言ってもそれは全部が
    同じ性質であることを示さない
 
  (‥ )だって違うわけだからね
      当然よな
 
 つまり、定義できない。あるいは便宜的に定義しても一律に杓子定規に論ずることが出来るわけではない。
 
 そして酵素を司るのが遺伝子である以上、遺伝子もまた以上と同じことが言える。つまり、”同じ遺伝子”でもちょっとちょっと違う。当然、それの離合集散である生物も人間も、例えそれが”同種”であったとしても個体はそれぞれ違う。
 
 ∧∧
(‥ )つまり物理学で扱う
\‐  対象と違って
    生物は原理上一律に
    定義できない
 
  (‥ )そもそも組成が違う
      わけだからね
      同じじゃないのだから
      同じにはできんよな
 
 それを考えれば生物学は不明瞭でいい加減で定義できないからおかしいと言っている連中は、自分の頭の出来の悪さを声を大にして宣伝しているのと同じである。同じ酵素といっても、組成が違っているのだから一律に語れるわけがない。それは酵素が持つアミノ酸の配列を読み、あるいは遺伝子の塩基配列を読めば一目瞭然ではないか。
 
 それこそ、人間も生物も例えそれが同種の個体同士であっても、それらはイコールで結べる存在ではない。イコールであることは、それこそ論理的にありえない。
 
 論理と定義を振りかざしながら、異なる組成のものを一律に定義して論理的に扱おうというのである。頭がいかれているか、認識がぶっ壊れているか、いずれかだろう。
 
 ∧∧
(‥ )でも人間の中には
\‐  定義と論理で生物や人間を
    一律に語ってしまう人がいる
 
  (‥ )もしかしたら
      頭うんぬん以前に
      動機自体は冒頭の中学生と
      同じかもしれないな
 
 単にそれは、楽だからなのかもしれぬ。
 
 受験勉強の戦略というのならともかく、大人でこれをするのって、それはつまり思考の手抜きじゃね?
 
 
 これまでにも述べた、人間が種として持つ生存戦略は弱者保護です。この言い様がトンチンカンなのはこれが原因だ。
 
 人間は離合集散する遺伝子のネットワークに与えられた名称に過ぎず、一律な性質を持っているわけでもない。全体に指令を発する司令部があるわけでもない。人間は定義できないし、種は便宜的な概念でしかないし、生存戦略なるものは存在しない。あるのは行動を支配する遺伝子であり、それもまた変異があるので途方も無い自由がある。そもそもだから進化できるし、環境に適応してこれまで存続できたのだ。
 
 人間を定義に当てはめようなど、傲岸不遜、暴力的以前に認識が根本から間違っている。
 
 そして、この争いは古くから起きていることであった。
 
 プラトンは人間をこう定義した。
 
 人間とは二本足の、羽の無い動物である。
 
 しかしある日、哲学者ディオゲネスが羽をむしりとった雄鶏持って、これが人間だー! とプラトンの教室に乱入。
 
 以来、プラトンは、人間とは二本足の平たい爪をした羽のない動物である、と言うようになったという。

 *「ギリシア哲学者列伝」中 pp143
 
 ∧∧
(‥ )ディオゲネスさんというと
\‐  樽を家にして
    そこを訪れた
    アレクサンドロス大王に
    欲しいものはないか? と
    問われた際
    じゃあ
    そこをどいてくれませんかな
    影になって日向ぼっこが
    できませんのでね
    そう答えた人ですよね
    *注:これは意訳
 
  (‥ )それに関しては色々な
      逸話があるが
      まあそういうキャラだって
      ことだよな
 
 ああ、ひもじさも、腹をこうやってさすれば止むといいのになー、と公衆の面前でペニスをこすりながらオナニーをした人でもある。
 
 ∧∧
( ‥)ともあれ、あれだね
    人間や物事を定義で
    語ろうとする人々に対して
    異論を唱えた人でもある
 
  ( ‥)2000年以上前から
    ‐□ この争いは続いているのだ
 
 人間を定義で語る人間と、その定義そのものをおちょくろうとする人間がこの世界にはいる。
 
 そして生物学的に言えば、前者は正しくない。
 
 
 
 

量産型インパクト

 
 
 ∧∧
(‥ )ガンダムの放送は
\‐  あなたが小学生の時
    でしたよね
 
  (‥ )そうねえ
      衝撃だったなあ
 
 ∧∧
( ‥)何が?
 
  (‥ )敵が怪獣じゃなくて
      量産型って言うのが
 
 
 ∧∧
(‥ )巨大ロボものは大概の場合
\‐  敵も巨大ロボですけどね
 
  (‥ )でも一話ごとに形が違うべ
      あれは事実上、怪獣ですよ
 
 それを考えると、ウルトラマンと変らない。
 
 ∧∧
( ‥)でも?
    なんか飽きちゃった?
 
  (‥ )どれを見ても怪獣だからな
      ワンパターンだよなあ
      そういう飽きだね
 
 そこに量産型である。それは衝撃であった。
 
 ∧∧
(‥ )でもそれはあなただけの
\‐   感想かもしれないよね
 
  (‥ )実際、ガンダムより先行した
      新造人間キャシャーンにも
      量産型ロボットが
      出てくるけど
      あの作品は不遇だったと
      聞くからね
      関係ないかもしれないね
 
 とはいえ、思う事がある。欧米ではガンダムは受けないという。なぜだ? といぶかる人もいるが
 
 ∧∧
( ‥)まず第一に
    ロボットヒーロー文化を
    根付かせて
    それに飽きたところで
    量産型とリアルロボ路線の
    新機軸であろうと
 
  (‥ )面白いことを言った人が
      いるよな
      どうやってこんな完成品が
      出現したのか?
      これは奇蹟ではないのか
      いやあそれは愚問だ
      なぜなら
      まず足場を組み立てて
      次に足場を抜いたからだと
 
 石を組み上げたドームがある。ドームを支える柱も全て石。しかも切り出されたものではない。普通にその辺にある不定形な石である。
 
 こんな素材でこんなものをどうやって作ったのだろう? この奇蹟のバランスはなんであろうか? 神の介入ではないのか?
 
 その問いと発想は根本が間違っている。なぜなら石をまずごちゃっと積み上げて、それから内部を抜いたものだからだ。
 
 ∧∧
(‥ )奇蹟の完成品が出来るのは
\‐  前の段階があるからで
    前の段階を知らないから
    完成品が奇蹟に見えるだけ
    そういうことだと
 
  (‥ )これは元々は生物の誕生を
      説明したものだけど
      なんにでも言えること
      だろうね

 
 
 
 

2015年1月8日木曜日

西空の火星、金星、水星

 















夕方の空。上にあるのは火星とやぎ座の尻尾を作る星デネブアルゲジ。
 
そして下に見える夕日の中で輝く明るい星は金星。その下で小さく輝くのは水星。


今、夕方、西の空では火星、金星、水星が並んでいる。
 
 ∧∧
(‥ )でも金星と水星は
\‐  高度が低いから
    すぐに沈んじゃうね
 
  (‥ )4時半ぐらいに太陽が沈み
      5時を過ぎると
      星が見えるほどに暗くなる
 
 でも6時ぐらいには金星と水星は沈んでしまうのである。
 
 


生きている弾丸の物語

 
 ∧∧
( ‥)例えばの話
 
  ( ‥)無人飛行機を
    ‐□ ドローンと言うけど
 
 ドローンを大量生産。さらに赤外線センサーやカメラのような機器と簡単な演算回路、そして単純な認識と目的への接近を可能ならしめる計算力を搭載し、それに手榴弾をくっつける。
 
 蓄電池が切れるまでの可動時間は20分程度だとして1個1000円
 
 ∧∧
(‥ )これを戦場に大量に
\‐  投入したらどうなるでしょう?
    ですか
 
  (‥ )今だと兵隊さんは
      散開してるし
      機械の単純なセンサーと
      演算回路と認識は
      原始的なんで
      脅威でもなんでもない
      のかな?

 それとも、適当にばらまかれた手榴弾が、ぶーん、ぶーんと飛び回るのは、やはり危険と見るべきだろうか(普通に考えれば危険である)。
 
 ∧∧
( ‥)火縄銃、ライフル
    機関銃、自動小銃
    それらの次世代を担う
    生きて認識する弾丸ですか
 
  ( ‥)似たようなことを
    ‐□ 色々な人が考えて考察して
      ソロバンはじいて計算して
      頭をうならせたり
      駄目だねと結論したり
      もしかしたら...とか
      やってるのかね
 
  
 

理解とはSFみたいなものかもしれぬ

 
 そうねえ、所詮、理解ってのはSFみたいなものかもね。
 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
   (‥ )みんな大宇宙での
       冒険を楽しむけど
       本物の星空を
       眺めているわけじゃない
 
 望遠鏡で見える星々は、皆が望んでいるようなバラ色の世界ではない。単なる白黒の点々である。

 見たいのバラ色の宇宙だ。別に本物が欲しいわけじゃない、こうだったらいいな、という物語を望んでいるだけだ。
 
 妄想が欲しいわけであって、現実なんかに用があるわけではなかった。
 
 考えてみればなんでもそうであった。実在の女の子が漫画の女の子に負けるのも、その逆も、理由は同じであった。
 
 理解とは所詮、そんなものではなかったか?
 
 
 
 

あなたの理屈では、近親相姦を避けることを説明できませんよね?


 ∧∧
( ‥)でっ?
 
  ( ‥)ああほら、後さ
    ‐□ ちょっと気になるの
      だよね
 
 人間が種として採用した生存戦略は、弱者保護によって将来有望になるかもしれない有害遺伝子を保護することである。
 
 この説明を、すばらしい! と感じた人は
 
 
  (‥ )あれか?
      自分は有害遺伝子を
      持たないけども
      有害遺伝子を持つ人を
      差別しないで
      保護してあげなくちゃ
      そう思ってるのか?
 
 ∧∧
( ‥)...そう、なりますかね?
 

  いやいや心配ご無用。お前も有害遺伝子を持っとるがな。
 
 
  ( ‥)あなただって有害遺伝子を
    ‐□ 持ってるだろうに
      何を言っているのだ?
      そう言ったら
      どう思うのかな
 ∧∧
( ‥)さあ?
 
 
 これ自体はこの話である=>hilihiliのhilihili: 劣悪遺伝子の排除とは無茶な設定です
 
 実際、誰もが有害遺伝子を持っているということは微妙に知られていないらしい。
 
 いや、あるいは中途半端に知られているというべきか。
 
 例えば近親相姦をすると
 
 ∧∧
(‥ )今までマスクされていた
\‐  有害遺伝子が発現する可能性が
    高まるから
    生まれてきた子供の
    成長や健康に影響が出る
    可能性が高まりますね
 
  (‥ )そこまではなんか
      みんな知っている
      らしいのだよね
 
 でもどうしてそうなるのか、それがよく分かっていないらしい。
 
 近親相姦をすると遺伝子がおかしくなる、そう思っている人もいるようだ。
 
 あるいは中には、これ自体がデマだと考えた人もいる。曰く、近親相姦の実験なんかしたら人権問題になる。出来るわけがない、つまりこれは根拠の無いデマだ、というわけである。
 
 ∧∧
( ‥)兄妹、親子ではないけども
    昔は日本でも近親結婚は
    多かったから
    そのデータを対比して
    算出しているのだけどね
 
  ( ‥)まあ世の中には
    ‐□ 知らないが故に
      びっくりな結論に
      飛びつく人が
      いるものなのだ
 
 現実はもっと単純だ。性のある生物は両親の遺伝子を半分ずつもらって、それを一対、ワンペアとして用いる。近親結婚をすると両親の血がつながっているから同じ遺伝子が子供でペアになりやすくなる。それゆえ、もともと血筋が持っていた有害遺伝子が発現する機会が多くなる。それだけの話。別に近親結婚したから遺伝子が変化するとか、そういうことではない。単に祖先の共有があまりにも近いから。同じ有害遺伝子がペアになる確率が高まる、それだけのことだ。
 
 ただ、その結果は無視できないものとなる。
 
 ∧∧
(‥ )生物の多くが近親交配を
\‐  避けるのは
    近親交配によるこういう
    困難を避けるためだよね
 
  (‥ )より適切には
      近親交配を避ける個体が
      有利になる
      そうしてそういう性質が
      進化で形成される
      そういうことだな
 
 生物の勝負は一世代ごと、その場限りの真剣勝負。目先の損得で勝負が決まる。そうである以上、近親相姦を避ける個体や、それを司る遺伝子が有利になるのは当然。人間にもそういう性質が組み込まれているらしい。子供の頃からずっと一緒に育つと、血はつながっていないのに結婚を避けるようになるという傾向など。
 
 近親相姦を行なうと、誰もが持っている有害遺伝子が発現する可能性が増える。それゆえ近親者との結婚を避ける性質が有利になって数を増やした。そういう単純な理屈であり進化だ。
 
 しかし一方、こういうことも知られていないようである。近親結婚を長く続けていると、むしろ優良な個体が誕生してくるようになる。
 
 ∧∧
(‥ )近親交配を続けると
\‐  有害遺伝の発現で個体が死ぬ
    すると個体ごと
    有害遺伝が取り除かれるから
    優良個体が多くなる
    もしも
    有害遺伝の発現による
    繁殖力の低下や成長の悪化
    健康の不良など
    そういう困難をかいくぐった
    系統であればこれが可能
 
  (‥ )ネズミとかで確認された
      話だよな
      人間で出来るかどうかは
      知らないが
 
 しかし、そういえば、近親交配を続けたのに繁栄した王朝があるのはなぜですか? そう以前、人に聞かれたことがある。
 
 ∧∧
( ‥)それはこういう事例だと
    思います?
 
  (‥ )人間にそんなことが
      出来るとは
      あまり思えないの
      だけどね
      どうなんだろうねえ
 
 質問された時にもそう答えた記憶がある。
 
 人間の繁殖力で、何世代にも渡る繁殖力の低下や健康の不安など、そういう危機を乗り越えられるのであろうか? 
 
 そもそもその王朝は本当に近親結婚を繰り返していたのか? 
 
 疑問は尽きないが、その王朝のことを調べていない以上、なんとも言い様がない話だ。
 
 *将来的には調べる必要があるだろう。
 
 ∧∧
(‥ )でもあれだね
\‐  優生学主義者の人たちには
    近親相姦すると良いよ
    そう言えばいいわけですかね
 
  (‥ )繁殖プログラムをうまく
      作れば可能なのかねえ
      とはいえ
      優生学主義者も含めて
      大概の人間は
      どん引きする計画だよな
 
 あるいはこうも言えよう。
     
 弱者保護は将来を見据えた遺伝的多様性を確保するためである。人間の生存戦略はそれだと豪語し、そしてそれを信じる人には、以上を踏まえて次のように問うてみても良かろう。
 
 近親交配の弊害を乗り越えれば健康になれます。将来を見越した進化が出来るというのなれば、これもまた成立するはずですよね、と。
 
 ∧∧
(‥ )なんて答えるでしょうね?
\‐ 
  
  (‥ )優良な遺伝子だけを集めた
      個体群は環境変動で
      全滅してしまうのです
      それも知らないのですか?
      そう言い返して
      くるんじゃね?
 
 だがそれだけでは問いに答えたことにならぬ。
 
 彼らが擬似的な進化論もどきで弱者保護を正当化した理屈の根底には、将来の利益を考えれば目先の損失を突破できる、そういう無茶ぶりが隠されている。そうであれば問いは深刻に考えるべきなのだ。
 
 あなたたちが無自覚に前提にしている事柄、損失を出しても将来の利益を考えて生物は進化できる。それが本当に起こるのであれば、我々が近親相姦を避ける傾向があることは説明できませんよね? と
  
 あの回答を成り立たせている論法では、人間が近親相姦を避ける理由を十分に説明することはできない。
 
これは=>hilihiliのhilihili: 1000円と1000ペンの続きでもある。
 
 
 
 

僕らが集めた説明と納得の多くは空っぽのガラクタ

 
 例の話=>弱者を抹殺する。不謹慎な質問ですが、疑問に思ったのでお答え頂ければ... - Yahoo!知恵袋
 
 ∧∧
(‥ )あなた、この話題
\‐  引っ張るね
 
  (‥ )これは自分の立場からすれば
      あらゆる事柄が
      含まれている問題でな
 
  以上のリンク先にある質疑応答はかなり混乱的だ。
 
 ∧∧
(‥ )でもこれを読んで
\‐  この回答を見て
    すばらしい! と
    感嘆する人がいる
 
  (‥ )以上の回答が
      混乱的に見えない
      それはつまり
      以上の回答で見られる
      理屈と形式で
      物事を理解している人が
      かなり多いことを
      示している
 
 確かに思い当たる節がある。
 
 かつて日本独自の進化論! と謳い揚げて知識人などに愛された今西進化論。これは種が進化を決めるというものだ。
 
 種である。
 
 あるいはマルクス主義者であったグールドが言い出した断続平衡説。これもまた種による種淘汰で進化が起こると考えた。
 
 種である。
 
 以上の知恵袋で出てくる言葉も種である。
 
 種である。
 
 日本独自の進化論という言い様から分かる通り、今西進化論はナショナリズム色が強い。まあ大雑把に言えば右翼だってことになるのだが、おかしなもので左翼のグールドも発想は同じだ。
 
 そして知恵袋の回答も種である。
 
 ∧∧
(‥ )いずれも種というカテゴリーで
\‐  人間を均一な物体としてとらえ
    それに一律の性質を与え
    これによって物事を
    説明している
 
  (‥ )多様性とか言ってるけど
      思考自体は一様なんだよね
 
 いや、これが多くの人間の思考法なんだろう。立ち位置がまるで逆のようでいて、発想が同じとはそういうことだろう。
 
 同じカテゴリーにくくって、それにラベルを貼付け、まるで工業製品であるかのように一括して扱い、それを論理でつなげていく。
 
 間違いの原因はここにある。
 
 例えば今西進化論は、種が進化を決めるって言うけど、その具体的なプロセスってどんなのなのよ? という根本的な質問に答えられなかった。
 
 考えてみれば当たり前である。種を均一な物体のように見なす。そう決断した時に、進化のプロセスは全部ブラックボックス化してしまうのだ。
 
 例えば、人間を神経と様々な器官の集合と見なさない場合、人間の思考するプロセスはまるで分からなくなる。当たり前だ。思考と決断に関する部品が見えていないのだから。
 
 これと同様、今西進化論は物事を種とくくった時、種が進化する具体的なプロセスとそれを押し進める具体的な原動力を説明できなくなった。
 
 あるいは必要がなくなってしまった。そう言えば良いか。
 
 グールドの断続平衡説も(実のところあれはどこから突っ込めば良いのか途方に暮れるような代物だけども)、同様に失敗した。
 
 ∧∧
( ‥)弱者保護は人間が持つ
    種としての生存戦略
    そう言った時に   
 
  (‥ )その生存戦略が
      実際に進化できるのか?
      その問いに対して
      答えられなくなった
      そういうことだね
 
 あるいはこうである。答えているつもりで答えていない。
 
 ここから分かることがある。多くの人にとって、その説明でその現象が本当に動き出すのかどうか、そんなことどうでも良いってことだろう。
 
 ∧∧
(‥ )説明できれば
\‐  それで良いというわけですか
 
  (‥ )お話は現実を説明できる
      皆がお話を必要としている
      問題は現実がひとつでも
      それを説明できるお話は
      無数にあるという点だな
 
 お話は選ばれなければならない。ではその判断の基準は何か?
 
 答えは比較的簡単である。少なくとも最低限、その説明で現実が動き出すのかどうかがまず基本だろう。
 
 これは車と同じだ。ひとつの発注に答えられる設計は無数にあろう。しかし、まず第一に動かなければ話にならない。
 
 だが、それに失敗しているにも関わらず人気の出る説明が世の中にある。
 
 つまり、人間のかなり多くにとって、実際にそれが現実で動いてくれるかどうか、そんなことどうでも良いのである。
 
 ∧∧
( ‥)納得できればそれで良いのだと
 
 ( ‥)弱者保護は人間が
   ‐□ 種として持つ生存戦略である
     これに対して
     好意的な反応をしている
     人の中には
     これとは直接関係ないが
     ”ネトウヨは愛国心が
     くすぐられるのなら
     根も葉もないデマに
     飛びつくwww”と
     揶揄していたのが印象的でな
 
 人間は自分が望むお話を集めているだけだ。だとすれば他人のことを笑っている場合ではないのである。僕らが集めた説明と納得の多くは、中身のないただのガラクタだろう。
 
 

2015年1月7日水曜日

1000円と1000ペン

 
 性のある生物は、母親と父親の遺伝子をそれぞれ半分ずつ受け取る事で、1セットの遺伝子をそろえて、生存競争というゲームに挑む。
 
 *厳密に言うと子孫を残すゲームなので、生存競争ではなく、ダーウィンの言い様に従えば”存続をめぐる争い”だ。
 
 ∧∧
(‥ )そういう点では
\‐  生きるとは
    もらった手札で勝負する
    ゲームであると
 
  (‥ )手札にはそれぞれ
      ポイントが書いて
      あるんだよな
 
 ただ、それぞれのポイントが不変であるとは限らない。場に応じて、ポイントのカウントが変化してしまう場合がある。
 
 ある意味、遺伝子とは、状況によっては価値が下落したり、あるいは反対に上がったりする株券や紙幣に近い部分があるのかもしれぬ。
 
 ∧∧
(‥ )1000円の手札と
\‐  1000ペンの手札が
    あるけども
    現状、1000ペンには
    価値が無い
 
  (‥ )だから持っていても
      しょうがないんだ
      1000ペンの手札を
      持っている奴は
      勝負で不利になる
      場合によってはそのまま
      ゲームの場から退場だ
 
 だから1000ペンの手札は数が増えないままだ。
 
 ∧∧
( ‥)ところがある日
    1000ペンの価値が上昇
    反対に円が暴落
    1000円=500ペンに
    なったとしましょうか
 
  ( ‥)どうなるのかは明白だ
    ‐□ 1000ペンを持つものが
      勝ち残り
      世代を重ねるごとに
      賭場で流通する
      1000ペンは増えていく
 
 こんな大暴落、大高騰はそうは起こらないけども、単純化すればこういうことである。
 
 これゆえ、例えるなら、生物は現在出回っている紙幣だけでなく、現在は価値が低い紙幣も蓄えるようになった。
 
 ただしこれは、生物は先を見越して、価値の無い紙幣をどんどん蓄えるようになったということではない。
 
 手札を単一の紙幣、例えば1000円だけにしてしまう者が、一時は賭場の大半を占めるほどになるが、紙幣が暴落すると彼らは丸ごと消える。そういうことがたびたび起こるので、結果的に1000円以外の紙幣も貯め込むプレーヤーが残っている。それだけの話である。
 
 しかし、だからといって、1000ペンをせっせと貯めるプレーヤーが出るわけでもない。
 
 理由は単純、先に見たように、自分の手札に現状では価値の無い紙幣が大量にまわってきた場合、ゲーム会場で負けて、そのまま退場を余儀なくされてしまうからだ。
 
 勝ち負けは将来ではなく、今、この場の利益で決まる。そうである以上、いつか高騰するかもねという希望的観測で1000ペンをどんどん貯め込むことはできない。
 
 つまり、生物が先を見越して何かをするということは原理的にありえないし、出来ないのだ。
 
 人間は出来るぞ! と言う人もいるかもしれないが、1000ペンが不利になる以上、経済的な壁にはばまれてしまう。結果は同じである。未来予測が出来るからといって現状が変るわけではない。
 
 だから、1000ペンは時々手札に混ざる程度にしかならない。
 
 ∧∧
(‥ )1000ペンをせっせと
\‐  蓄積するようなことは
    起こりませんよ、と
 
  (‥ )ここしばらく
      話題にしている例の話
      ”人間の生存戦略とは
      弱者保護によって
      有害遺伝子も含めて
      将来にそなえて変異を
      蓄積することである”
      これが間違っているのは
      以上が理由だね
 
 1000ペンを貯める仕組みはゲームの参加者、そのほぼ全員が持っている。別に人間の専売特許ではない。
 
 では人間は他の生物よりもたくさんの1000ペン紙幣を集めるようにしているかというと、そんなことはない。なぜなら出来ないからだ。
 
 1000ペンをせっせと貯め込むと、退場を余儀なくされる。そうである以上、”人間が行なう弱者保護は有害遺伝子の蓄積にあるという解釈”は、実際には動作不可能だ*。
 
 ∧∧
( ‥)つまりありえない
    
  ( ‥)人間の生存戦略は
    ‐□ 弱者保護による
      遺伝的多様性の保持
      これを言った人
      あるいはこれを信じた人は
      人間はなぜこのような
      生物なのか?
      という問いに答えていない
 
 いや、答えてはいるのだ。
 
 なぜ人間は弱者保護をするのですか? といういわばwhyな質問には答えている。
 
 問題はである
 
 弱者保護をするという人間の動作はどのようにして成立するのか? この、いわばhowの質問にはまったく答えていない。
 
 どのようにして成立するのか? これに答えていない回答は、結果的にはなぜなのか? という質問にも答えていない。
 
 これでは回答とは呼べないだろう。
 
 ∧∧
(‥ )でもご本人は
\‐  答えているつもりかも
    知れませんね
    将来何が有利になるか
    分からないから
    現状不利な変異でも
    蓄えるようになったのです
    そう述べているわけだからね
 
  (‥ )つまりあれだ
      回答者は
      howの質問に
      回答を試みたし
      ご本人も質問者も
      それに納得しているわけだ
  
 ただ、その説明は結果的に失敗している。
 
 人間の弱者保護はもっと単純で目先の利益にかなった行動なんだろう。言い換えれば、目先の利益にならないのなら弱者保護を打ち切るだろうし、事実としてそうしている。現実は多分、もっと即物的で冷淡で経済的だ。
 
 
 
 
 *今、価値がない紙幣をせっせと蓄積することはありえない。

 これについて補足すると、例えば、1000ペンを持つことがかっこいいとか、そういう実用以外の付加価値を作り出して、一時のバブルを形成するとか、そういう状況はありうるのだろう。
 
 ∧∧
(‥ )でもそれは付加価値を
\‐  創出出来た場合だね
  
  (‥ )人間の生存戦略は
      有害遺伝子の保護と蓄積
      この論法は
      そういうものでは
      ないからな
      こういう解釈をする
      必要はないね
 
 あと、一応言っておくと、これは1000ペン差別ではないか? という人もいるかもしれないが、それは馬鹿げている。そもそも1000ペンは誰でも持っているのである。1000ペンどころか、500ガマだの1万パソだの20ベベだの色々な手札が私たちの中にある。
 
 手持ちの札から1000円が少なくなれば不利になる。これは目をそらせない事実だ。だからといって手札から1000ペンをせっせと捨てる必要もまた無い。
      
 
 これはhilihiliのhilihili: それは一律に塗りつぶす理解ですが、それで良いのですか?の続き
 
 
 

2015年1月6日火曜日

気温は12度で湿度は70

 
 今朝の温度は
 
 ∧∧
(‥ )気温は12度
\‐  湿度は70%
 
  (‥ )先日の朝は氷点下2度
      今度は12度
      天気も悪いし
      関東にしては
      やっぱ冬の終わり
      みたいだな
 
 打ち合わせのために出かけようとする昼前となると、世界はかなり暖かで、ブルゾンを着るのはやめた。
 
 一時的とはいえ都心などではかなり強く雨が降ったし、低い雲が速く動いていく。風が強いのだ。
 
 ∧∧
(‥ )一部の路線は強風で
\‐  止まったみたいだね
 
  (‥ )明け方あたりから
      強烈になったのだよなあ
 
 天気分布予報では夜更けには晴れる予測だが、彗星を見るのはかなり難しそうである。空は、ほぼ満月の月すら見えない厚い雲。
 
 
 
 
 
      

劣悪遺伝子の排除とは無茶な設定です

 
 銀河英雄伝説という大ヒットした小説がある。本編の時代自体は独裁制を敷く帝国とそれに叛旗を翻した共和国の戦い、というものなのだけども、発端は銀河連邦の独裁制への移行と、帝国の成立であった。
 
 長く爛熟した時代を過ごしていた連邦に軍人あがりの政治家ルドルフが現れる。彼は国民の圧倒的な支持を得て首相になり、さらに独裁権を握り、ついには皇帝を自称した。これが帝国の始まり。そして彼は数々の圧政を強いるのであるが、その中のひとつに有害な遺伝子を排除することを義務づけた劣悪遺伝子排除法というのがある。
 
 ∧∧
(‥ )実はこれトンデモ設定
\‐  ですよと
 
  (‥ )銀河英雄伝説というと
      話の都合上
      登場する居住惑星は
      重力や環境どころか
      四季まで同じなんで
      あんなのご都合主義な
      宇宙三国志じゃないか!
      そう揶揄する人もいるが
      劣悪遺伝子排除法の方が
      設定は無茶なんだよな
 
 物語自体はかなり簡略化された民主主義 VS 独裁制、という話であり、それぞれの政体の長所と短所が述べられる。民主主義の欠点は例えば衆愚政治であり、そもそもその延長に本編の独裁制が生まれてくる。現実世界の政体の変化は実際にはそこまで単純ではないし、多分、間違ってさえいるのだろう。とはいえ、衆愚政治と独裁者という構図を体現したのがルドルフというキャラクターだ。彼はいわば劇画化されたヒトラーで、そういう意味では現実感があまりない。男の妄想を詰め込んだアイドルのような、無茶設定の集合体だと思えば良い。
 
 優生学やナチスの収容所を思わせる法律を施行するのもその一環だと言える。
 
 しかし実際のところ、優生学的な人類の改良計画とは、ご都合主義設定としてもあまりにめちゃくちゃである。口うるさいSFマニアが言う、居住惑星がどれも地球と同じというのは、そういう星を選んだからです、宇宙はあなたが思っている以上にずっと広いのですよ、そう言い逃れることができるだろう。
 
 だがしかし、劣悪遺伝子排除法は言い逃れができない。なぜかというに、そもそも有害な遺伝子は誰でも持っているからだ。
 
 ∧∧
(‥ )ルドルフさんは
\‐  人類改良計画を打ち出した
    わけじゃないから
    悪法を敷いた独裁者という
    キャラ付け程度の意味で
    考えれば
    これはありだけども....
 
  (‥ )とはいえやっぱり
      無茶なのは変らん
      劣悪遺伝子排除法とは
      理論上、人類の全員が
      排除の対象になる法律で
      あるからね
 
 実際、物語中でこんな場面があったと思う。
 
 劣悪遺伝子排除法が施行された時、さすがに人々はたじろいだのである。なぜなら自分が劣悪な遺伝子を持っていないと確信できなかったからだ...

 
 という描写、これが間違いなのだ。なぜなら、全員が有害遺伝子をすでに持っているのだから。

 *2016.07.28追記:例えば1万人に1人の奇病でもそれは100人に1人が持っている割とありふれた変異なのであるが、それはここで説明する=>hilihiliのhilihili: 無駄な理論武装よりは経済を
 
 
 ∧∧
( ‥)そもそも優生学が
    意味を失ったのは
    ひとつにはこのせいだからね
 
  (‥ )全員が致死に至るような
      有害な遺伝子を
      色々と持っているのに
      有害遺伝子を排除せよって
      なんだよその無茶ぶり
      お前は馬鹿じゃないのか?
      という話でな
 
 つまりルドルフさんは未来人でありながら、現在の遺伝学がすでに明らかにしたことを知らないのである。言って見れば現代人が天動説を信じて地球は平らですと信じているような中世的時代錯誤だ。彼が知らないにしても誰かがこれを知っているはず。帝国のスタッフは、「大帝、それは無理です」 と言わなければおかしい。
 
 でもこの無茶な設定から推し量れることがある。
 
 銀河英雄伝説の著者は、自分も含めて人類の全員が有害遺伝子をすでに蓄積して持っているということを多分知らない。
 
 おそらく読者のほとんども知らないであろう。
 
 そしてそれは例のこの話=>弱者を抹殺する。不謹慎な質問ですが、疑問に思ったのでお答え頂ければ... - Yahoo!知恵袋
 
 を見ても明らかである。
 
 ”人間が種として持っている生存戦略は弱者保護による有害遺伝子の蓄積”にあるという回答は、回答者がこれを知らないことを示唆している。
 
 また、この回答はネットで素晴らしい! と評価されているが、このことからやはり分かることがある。
 
 素晴らしい! と言った人も、自分たち自身も含めて、人類の全員が有害遺伝子を、いわば貯金としてすでに蓄積しているということを、おそらくは知らないであろう。
 
 ∧∧
(‥ )こういうことは義務教育では
\‐  習わないからね
 
 (‥ )メンデル遺伝は習うのだがな
     メンデル遺伝の必然的な
     結果として
     全部ではないにせよ
     有害遺伝子は
     通常の遺伝子によって
     効果が見えにくくなる
     つまりマスクされてしまう
     これを知らんのよな
 
 実際、こんなことを言う人がいるではないか。
 
 淘汰が起こると進化が起こる、そう科学者は言うけども、それっておかしくね? 淘汰が起こる時にどうして都合良く変異が起きるんだよ? なんだよそのご都合主義? 進化論っておかしいよね。ダーウィンの進化論ではないもっと別の進化論があるんだよ。そういえばウイルスの感染で進化が起こるとか、獲得形質を肯定するエピジェネティクスってのがあるんだろ? それが進化の原動力なんじゃね?
 
 この言い様は進化に対する勘違いのありがちな例である。突っ込みどころは山ほどあるが、特に大きいのはやはり、変異はすでに貯金として我々の中にある。それを知らないことだろう。
 
 有害どころか死をもたらす有害遺伝子まで我々の中にはあらかじめ保存されている。他にも色々なものがある。淘汰が起これば即座に対応できるのは当たり前だ。出来ない方がおかしい。
 
 ∧∧
( ‥)つまり人々のほとんどは
    このことを知らないのだと
 
  ( ‥)進化論を理解できない人
    ‐□ 優生学をいまでも
      まじめに考えている人
      反対に
      人間の生存戦略は
      有害遺伝子の保護にある
      そう信じている人
      それを聞いて素晴らしいと
      感嘆する人々
      銀河英雄伝説の無茶設定
      これらはすべて同じことを
      示唆しているのだろうな
      
 
 これはhilihiliのhilihili: それは一律に塗りつぶす理解ですが、それで良いのですか?の続き
 
 
 
 

2015年1月5日月曜日

ググれカスとは確かに正論である

 
 ∧∧
(‥ )ググれカスって
\‐  どう思います?
 
  (‥ )ただの正論だろ?
 
 
 ∧∧
(‥ )最近は無駄情報や
\‐  偽情報が多くて困ると...

 
  (‥ )その情報は
      3時間検索すれば出てくる
      この情報は
      1週間検索すれば出てくる
      あの情報は
      3日間検索すると
      そのことについて
      書いた本がこれですよ
      という情報が手に入る
      後は発注すればいい
 
 発注した本を読むと、それについてはこれを読んで、ということが書かれている事もある。その場合は再発注すれば良い。
 
 何の問題もない。

 ググれカスとはただの正論だ。
 
 ∧∧
(‥ )もっと速く知りたいと
\‐
 
  (‥ )知りたいだけだろ?
      だったら嘘情報でも
      良いじゃないか
 
 本当の情報を知りたい? 

 いやあ、本当にそう思ってるの?

 本当にそう思っているのならその事について書かれた本をなんで買わなかったの?
 
 目の前にあるじゃないか。
 
 本当の情報を知りたいなんてのは、所詮は口先だけだ。
 
 本当の情報を知りたいのではない、単に納得したいだけだろ?
 
 ∧∧
(‥ )そういう意味では
\‐  みんなが集めて納得した答えが
    偽情報なのだとも言えますか
 
  (‥ )皆がそれで納得した
      だからそれが堆積した
      偽情報は皆の望みだ
      だったらそれで納得すれば
      良いじゃん
 
 納得は皆が選んだ道である。何の問題もない。
 
 それが嫌なら検索すれば良い。何の問題もない。
 
 この壁を突破するのか、しないのか? それは個人の問題であって、検索の問題などではない。
 
 

 
      

変数の無い一律な定義は暴力的である

 
 
 hilihiliのhilihili: それは一律に塗りつぶす理解ですが、それで良いのですか?の続き
 
 考えてみれば、血液型占いに対する批判は星占いよりも多いように思う。
 
 ∧∧
(‥ )血液型占いは人間を
\‐  一律に決めつけるから
    ですかね?
 
  (‥ )星占いは変数が多くてな
      そういうことは
      できんからな
 
 人間を一括して分類し、それに一律な性質を与える。それは現実の人間とかけ離れた理解であり、そうである以上、この決めつけは暴力的だ。
 
 弱者保護が人間という種が持つ生存戦略であるという決めつけが暴力的であるように、血液型占いも暴力的である。
 
 しかし、星占いならどうか? 
 
 あれは変数が多く、決められることが少ない。そもそも生まれた時の惑星の配置と現在の天体の動きが決めるというのが星占い。元来はメソポタミアの王の運命を推し量るものとして始まり、やがて個人個人の運命を知るものとして成立した。
 
 占い自体はたわ言でしかないが、血液型占いのような類型化した決めつけにはなりえない。
 
 それに予言うんぬんを抜きにしても、星占いは複雑である。例えばの話、”誕生日に割り当てられた星座”という単純な見解にしても、自分の星座や割り当てられた惑星や金属の性質を把握している人間などそうはいないだろう。
 
 ∧∧
( ‥)ふたご座は二重人格で
    しし座は勇ましく
    さそり座はミステリアス
 
  (‥ )それはほとんど
      ただの連想だろ?
 
 ∧∧
(‥ )かに座は悪役
\‐
 
  (‥ )それは聖闘士星矢の
      影響だよな
 
 あの漫画に時々苦言が言われるのは、かに座の扱いがあまりにちょっとだからなんだろう。
 
 ∧∧
( ‥)そういう類型化は
    血液型占いっぽいですかね
    だから抗議の声が
    上がりますか
 
  ( ‥)なんでデスマスクは
    ‐□ あのような立ち位置に?
  
 ギリシャ神話ではヒドラを倒さんとするヘラクレスを襲って踏みつぶされたのが、かに座であると言う。まあ、ちょい役である。
 
 デスマスクの立ち位置はだからだよ、そう言う人もいる。
 
 だが実際のところ、ギリシャ神話よりもさらに古く、メソポタミアまでさかのぼると本来12星座は農耕に関連するか、星座の見た目から連想されたものらしい。
 
 *てんびん座はどうも例外で、本来はさそり座の一部であった。
 
 ∧∧
(‥ )農耕組は
\‐  おひつじ座 おとめ座
    やぎ座 みずがめ座
    うお座
    ですか
 
  (‥ )見た目組は
      おうし座 ふたご座
      しし座 さそり座
      いて座
      みたいだね
 
 かに座は、いまだに原典にいきついていないが、どうやら以上のどれでもない。しかも本来は恐ろしい星座で、これが象徴する力は、資料を読んだ限りでは多分、十二星座の中で最悪にして最強っぽい
 
 ∧∧
( ‥)聖衣に見捨てられた
    デスマスクさんよりは
    立ち位置が改善されたけど...
    なんすかね
 
  ( ‥)一律な分類は破壊力がある
    ‐□ うかつなことは
       書けないよなあ
 
 
 

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