∧∧
(‥ )...しばらくblogを
\− 書いてなかったけど
バフムートの戦況に
見入ってしまってたね
(‥ )いやーバフムートな
めちゃくちゃに
なってるからな
正確に言うと、バフムートではなく、バフムート攻略に突撃する露軍がめちゃくちゃ。
バフムート(Bakhmut)はウクライナ東部の町。
2月24日。東からウクライナに侵攻したロシア軍は思わぬ大損害を出した。制空権は奪えず、最新鋭機を次々に撃墜され、空挺部隊による首都攻略作戦は失敗。孤立した空挺部隊は全滅。第二都市ハルキウに侵攻した最精鋭部隊、第一親衛戦車団は全滅を通り越して文字通りの消滅。首都攻略に向かった地上軍に至ってはそもそもその半分が首都に到達できず撤退するという有様。露軍は150km以上の進軍能力を持っていなかったのである。
戦車を大量に損耗し、兵士の損失は半年で9万。全軍の実に半分を失った。それでもなお大砲と砲弾は腐る程ある。両軍とも戦闘車両が不足し、大砲で押すという第一次世界大戦のような戦況で露軍は優位を見せ、じりじりと前進する。
そして8月。ついに露軍はバフムートとその周辺に到達した。
露軍が制圧した北のリマン、そして南の海岸地帯。バフムートはその間にある。北のリマンと南の海岸地帯から挟み撃ちにすれば、バフムートとその周辺一帯のウ軍は壊滅。あるいは撤退に追い込めるはずであった。
∧∧
( ‥)...のだがその矢先の9月
諸国からもらった戦車と
訓練を終えた部隊で
ウ軍が一気に反撃
リマンを含め
ルハンスク州を一気に奪還
バフムート攻略は
無意味になってしまうのである
(‥ )ところが
バフムートの露軍は
あきらめんのだな
というか、バフムート攻略はロシア正規軍ではなく、大金持ちプリゴジンが経営する軍事会社ワグナーが担当している。そして、全般的に負けが見えて押されていくロシア正規軍に対し、ひとりバフムート担当のワグナーだけが気を吐き、じりじりと前進しているのであった。
少なくとも、一見は。
∧∧
( ‥)実際はさ
徴兵した囚人部隊とか
同意された素人兵隊を
次々突撃させているんだよな
(‥ )いやもう無残な光景が
次々に展開されててな
これはどうみても素人ですよね? という露兵たちが戦闘車両の支援もないままにその身一つで前進し、ウ軍の砲撃で次々に吹き飛ばされていく。ウ軍の塹壕と機関銃手の前には、いくつも死体が転がる有様。
∧∧
(‥ )でもさー
\− これはこれで有効な
手段なんだよねー
(‥ )60年代の
植民地独立戦争とかでは
独立武装勢力が
少年兵とかを突撃させて
相手が疲弊したところで
熟練兵を突撃させて
陣取りしてたからな
問題は、何千人だかの囚人兵だの召集兵だのでは、ちょーっと数が足りない。相手は陣地ではなく、ひとつの都市なのだ。万単位で突撃させないと攻略なんかできないだろう。
こういうわけで無駄に命を消耗する露軍とワグナーとプーチンは馬鹿だアホだと言われるのである。
∧∧
( ‥)でもあれだろ?
突撃肉弾戦で
対空機銃の水平撃ちでも
追い付かずに
ウ軍が後退すると
ワグナーは前進と
戦果を強調できるし
プーチンのおっちゃんに
自慢できるんだろ?
(‥ )戦争の目的ってさ
勝利だけじゃなくて
昇進の手段でもあるからな
嘘でもなんでも
前進できました
という実績が大事なんだわ
プリゴジンだのワグナーだの。所詮は正規軍ではない成り上がりものなのだ。今の主君にアピールして可能な限り出世して甘い汁を吸う。それが政治であり、それを戦争の目的とすることは普通にあることだ。突撃して次々に死んでいく露兵も囚人兵も召集兵も、それは投資なのである。投資と見返りは別の通貨であり、囚人兵が消費されることは別におかしな話ではない。
ちなみに10月27日におけるバフムートとその近辺の状況
∧∧
(‥ )戦線はほとんど
\− 変化ないんだよね
そもそも露軍は後方2km
ぐらいから突撃してて
前進といっても
生きて進んで死んだ場所が
到達地点です
私が確保しました!
みたいな主張でしょ
(‥ )でもあれよ
そういう実績があるから
前進しました!
(嘘ではない)
と宣伝できるわけよ
実際、露軍や親露派は、バフムートではウ軍を押してる、むしろ勝ってる。いや、市内に入った! と宣伝しているのであった。何事も実績だ。