ウバザメの子供は吻部が奇妙に長く、下に曲がったり、あるいはまっすぐ前に伸びて上に反る。その奇妙な姿は少しだけワニを思わせる。
ここで思いついた。現代の海で絶滅種のイクチオサウルスを見たという目撃談。これは実のところウバザメの子供を見たのではないか?
∧∧
(‥ )でもあれだね
\− イクチオサウルスの目撃談って
案外と少ないね
大部分はシーサーペント
つまりは長い動物を見たに
とどまっている
(‥ )間近で見てないことが
わかる事実だな
言い換えると、シーサーペント、つまり19世紀に盛んに目撃された謎の海洋生物オオウミヘビの正体とは、間近で見ると既存の動物であることがわかってしまうものだった、ということなのだが...
ともあれ、一応、19世紀にイクチオサウルスではないか? という目撃談があり、これは多分、ウバザメではないだろうか?
それにしても改めて調べると”イクチオサウルスの目撃談”は案外になかった。そこでもう少し探してみたのだが...
∧∧
(‥ )後はガンビアの海岸に
\− 打ち上げられた
長い吻部でヒレが四つ
先細りの尻尾を持つ
謎の動物の死体
通称Gamboぐらいかな...
目撃は1983年
(‥ )なんだよなんだよ
話は聞いたことあるが
1983年かよ
ずいぶん直近だな
もっと前かと思ってたぜ
場所はガンビアの海岸にあるバンガロー・ビーチ・ホテル
∧∧
(‥ )えらいにぎやかな場所に
\− 打ち上げられたもんだ
(‥ )まあ40年前だけどな
ここは観光地だよね
そしてこのGambo なるもの、描かれた絵はこんなものであったらしい。
∧∧
(- - )...これクジラだろ?
\−
(- - )クジラだろうね
後ろのヒレがあったり
尾びれや背びれが
なくなってるけどな
クジラだよねえ
現地の人がばらして持っていった、ということからしても普通に現地で見つかる動物だったことがうかがえるし、このガンボなる動物、単にクジラだろう。背びれとかはすでに解体されていたのかもしれないし、死んで浮遊するうちにかじられたのかもしれないし、後ろのヒレとやらは剥がれた皮膚などだったかもしれない。
∧∧
(‥ )魅力的な絵だけどね
\− 水中生物としては
極めておかしな姿だし
体が損壊してるのは
ほぼ確実だよね
(‥ )ヒレで泳ぐなら
ヒレはもっと大きく
体は短くなる
だけど違う
体が長いのなら
泳ぐための尾びれが
あるはずだのに
それがない
明らかに損壊してるよな
細かなことを言うと尻尾が上に跳ね上がっているのもおかしな話だ。陸上種ならともかく、推力を生み出すために頑強な骨格を作り、横に体をうねらせる爬虫類だとこうならないだろう。しかし、哺乳類と考えるとこれは理解しやすい。クジラは尻尾を上下にうねらせて泳ぐから。
つまるところ、どうもイクチオサウルスの目撃例(誤認)は、おそらく19世紀初頭の一例だけと考えるべきらしい。
あと、ガンビアはセネガルにあるガンビア川に沿ったごく小さな国土で、面積は岐阜県程度、人口228万人だというのは、今回初めて知った。岐阜県の人口が200万だから、面積だけでなく人の数も似たり寄ったりらしい。
∧∧
(‥ )しかもgoogleで表示される
\− 国境線の様子からすると
国土を貫くガンビア川の下流は
国土に入っていない
ようですけど...
これは一体?
(‥ )はて? なんだろうな?
外洋扱いなのか?
*以下追記
∧∧
(‥ )調べたけどあれだね
\− クジラの尾びれは
”尾羽毛”
おばけと呼んで
珍重食用されるみたいね
シャキシャキな歯応え
辛子味噌などお使いください
内部はゼラチン質や
脂肪に富み
さらしくじらの原料に
塩漬けして薄切りお湯洗い
塩と脂を抜いて
冷水でさらして調理です...
などなど
(‥ )なるほどな
こりゃあ
ガンボも尾びれを
持ってかれたのだろうね
どこの誰でも
日本人もアフリカ人も
うまいものを食べるしな
一部の情報だと、ガンボは背鰭がないか、傷ついていた、と書かれていた。多分、背鰭も抜かれていたのだろう。