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2019年7月29日月曜日

1000年に1度のハザードマップ

 
 出かけて帰ってきたら
 
 ∧∧
( ‥)ハザードマップが
  ‐◻︎  届いてるぞ
 
  (‥ )へー?
 
 のぞいてみたらそれはすさまじいものだった。ざっとみて市内の4分の1あまりが浸水するようなものすごいマップ。
 
 ∧∧
(‥ )図書館で掲示されてる
 ◻︎‐ ハザードマップより
    はるかに広いな
 
  (‥ )市内を流れる河川が
      軒並み
      あふれでておるな
      すげー
 
 最近掘り下げ作業が終わった河川Aも、扇状地の要である市街地に入った途端に溢れ出して、そのまま下流域へと扇状に水が広がるという想定だ。
 
 ああ、うん、確かにあのあたりは川が山の谷から扇状地へ出て速度を落とし、水から吐き出された土砂が堆積する場所ではある。実際、工事が終わって何年かした今、すでに川床は砂に埋まりつつあった。とはいえだ、川床と堤防はまだ2メートル以上あったはず。しかも流路は勾配が急なので、水はとどまって溢れ出すよりも、容赦無く下流へはけていってしまうはず。
 
 あそこから溢れ出す洪水って一体全体なんだよそれ?
 
 ∧∧
(‥ )河川全域における
\‐  降水量が2日間で
    400ミリを超えた場合を
    想定しているみたいですな
 
  (‥ )2日間で400??
      しかも河川全域とな??

 気象庁によると、2日間はともかく、日降水量で400ミリを超えた事例が、例えば7月だと20以上あることが分かる


=>https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/rankall07.php?prec_no=&block_no=

 
 ∧∧
(‥ )区分けにもよるけど
\‐  全国の市町村合計1700
    気象庁の観測開始が
    1875年で
    今は144年目
    1700地域×144年
    その12分の1の7月に
    20回以上起こる頻度って
    ことかね?
 
  (‥ )市町村の数は変わってるし
      観測開始から
      すべての地域を見ている
      わけでもないだろうしな
      あまり当てにならない
      数字だけどもな
 
 ともあれ、分母の数が非常に多いのに対して、事例がごく少ないということは分かるだろう(単純に計算すると1020分の1)。

 2日間に河川流域全体で降水量が400ミリに到達する、ということは非常に珍しい事例なんだろうな、ということは実感できるだろう。
 
 そして確かにハザードマップには1000年に1度の豪雨を想定していると書いているのだった。例えばある河川については1日の降水量が600ミリ越えたと想定しているなど。
 
 ∧∧
( ‥)日降水量が600ミリ越えか...
    7月の事例だと
    6例あるな
    高知の魚梁瀬 三重の宮川
    奈良の日出岳 宮崎のえびの
    徳島の福原旭 奈良の上北山
    
 
  ( ‥)1000年に1回程度の
    ‐/ 豪雨ってのは
       さすがに事例が
       少ないのだね
       
 
 しかし、1000年に1度の災害を民主党が笑って事業仕分けしたその直後、まさにその1000年に1度の大災害、東日本大震災により日本は死者行方不明者1万8000を出した。あれ以来、政治家も官僚も国民も1000年に1度なんて無意味ww と笑うことはできなくなった。
 
 ∧∧
(‥ )去年の西日本豪雨災害では
\‐  停滞した梅雨前線
    たったこれだけで
    多くの死者を出しましたし
 
  (‥ )んー この極端な想定も
      やむなしか
      市庁舎のHPでも
      危機管理防災部が
      平成26年8月豪雨など
      想定を超える浸水被害
      多発を受け
      平成27年に水防法が
      改正され...
      と説明しているな
 
 さて、今の仮住まいはハザードマップの浸水域から外れてはいた。
 
 ∧∧
(‥ )でもこのマップ
\‐  用水路からの越水は
    考慮していないみたいですな
 
  (‥ )この街は用水路が
      張り巡らされてるけど
      そこまで考慮するのは
      無理だろうね
      降水量と河川へ流入量
      主要河川の排水量を引いて
      あふれだした水が
      展開しうる領域を
      地形の高低から算出する
      それが精一杯だろう
 
 防災工事が終わった河川Aも、1000年に1度の想定の前ではあっさり越水し、キロ単位で溢れ出すと計算されている。
 
 そういう防災対策済みの河川でも派手にあふれるというのだったら、用水路だって溢れるだろう。
 
 ∧∧
(‥ )当然今の仮住まいも
\‐  浸水領域だな
 
  (‥ )まあ地形の関係で
      浸水こそしないが
      道路は水没するな
 
 
 そういった、1000年に1度のハザードマップだった。

 言い換えると、通常の災害時にはあまり参考にならない。
      
  



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