自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2020年6月30日火曜日
記憶改竄は器用自慢
twitterを見るとこういうつぶやきがある。今の人は記憶を改ざんされていて、民主党政権は失敗したと信じ切っていると。
∧∧
(‥ )成功していたら
\− 政権を自民党に
奪い返されるってことは
ないはずだけどね....
(‥ )自民党が返り咲いて
第二次安倍政権が始まった時
安倍様さまだよと
言っていた人がいたな
その人自体は民主党に投票したのだが、民主党が株価を引き上げようとしなかったから、投資を回収しようにも回収できず困っていたのであった。ところが安倍政権になって株価が上がったので、即座に回収したのである。
∧∧
(‥ )民主党が失敗したのは
\− 明らかであり
それで政権を失ったのも
明らかですなあ
(‥ )だのに
記憶が改ざんされていて
民主党は
本当は成功していたのに
失敗したと信じ込まされて
いるのだ! とか
言い出す連中がいるわけよ
さすがにこれ、政権が自民党に戻った2012年とその直後に言い出した人間はいなかった。この手の記憶改ざんされたという記憶改竄を言い出したのは、この1年ぐらいの間ではなかったか。
∧∧
( - -)といっても
わずか8年前のことを
誰も覚えてないのか?
(‥ )人間なんてそんなもんよ
民主党は失政していないのに政権を追わた。そしてまるで失政したかのようにメディアの力によって記憶が改竄されたのである。
わずか8年前のことをすっかり忘れて、記憶が改竄されたという都合の良い話を主張する。
∧∧
(‥ )政権のための改竄どころか
\− メディアはずーっと
森かけだのなんだの
安倍政権の自称スキャンダルを
言い立てていたはずですが?
それも忘れたの?
(‥ )まあ正気じゃないね
しかしこれありがちなんだ
改竄に改竄を重ねて、何もかも忘れていく。
こういう動作は学歴の高い人間ではよくあることなのだから。
∧∧
(‥ )改竄に改竄を重ねて
\− 記憶を変え続ける
これは小説1984年に
書かれた話だけど
実のところ
この小説の元ネタは
作者の経験であり
社会主義と共産党が
関わってるんだよね
(‥ )作者のオーウェル自身は
社会主義者だったけどね
スペインのフランコ政権に対抗する社会主義革命軍。オーウェルは取材に来たはずなのに、感銘を受けて義勇兵として参加した。しかし、革命軍とオーウェルは裏切られた。
裏切り者は同士であるはずのソビエト共産党。もちろん、ソビエトとスターリンには理由があった。国際的にそうするのが我々の利益であると。
しかし裏切りは裏切り。仲間が次々と捕まる中、命からがらイギリスに逃げてきたオーウェルが見たのはスターリンの宣伝通り革命軍の罪をまくしたてる英国知識人たちであり、社会主義者たちだった。
仲間のはずの社会主義者も左翼もインテリも、彼ら知識人は独裁者の望むがまま、言われるがままに記憶と記録と解釈を次々に改竄していく。
小説1984年はこうして生まれた。すべての記録を国家が管理し、すべての記録を思うがままに作り替えていく。これを支配するのはイングソック。英国社会主義党。すべてが彼らに支配されたディストピア。この物語はこういう背景から生まれたものだ。
∧∧
(‥ )学力高い人って
\− なんでこういうことするかね?
(‥ )事実をねじ曲げて
記憶を改竄するってのは
結構、能力が高くないと
できないからな
それを
自慢したいのだろ?
つまり記憶の改竄とは、そこそこ賢い人間がする、俺って器用だろ自慢でしかない、という話。
実際、記憶改竄という知的作業が面白いこと。これはオーウェル自身が分かっていたことでもあった。1984年の主人公は、記録改竄で結構な名文を捏造し、俺はなかなか良い腕だと自画自賛して悦に入るからである。
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