2017年9月26日火曜日
天地森羅万象 牛の目があなたを見ている
マダガスカル島にすむ固有のカエル、Boophis属
∧∧
(‥ )読みはブッフィス?
\‐ それともブーフィスですか?
(‥ )ラテン語の読みだと
ブッフィスかな…
しかし取りあえず、ブーフィスとする。
ブーフィス属のカエルは体が半透明。そして目に派手な色と模様が入っていることが特徴のカエルたちだ。
=>https://www.google.co.jp/search?q=boophis&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwic2sz50cHWAhVFl5QKHS_hCb8Q_AUICigB&biw=1007&bih=727
なかなかに美しいカエルたちである。
∧∧
(‥ )動物系統分類学によれば
\‐ マダガスカルモリガエルが
ブーフィス属の和名ですか
(‥ )マダガスカルアオガエル
という呼称もあるし
ネットだとイロメガエル
という名称も
はびこっておる
このイロメガエルという呼称は、ペット流通の過程でついたようにも思われるし、多分、英語名の翻訳なのだろう。
∧∧
( ‥)ブーフィス属は英語だと
Bright Eyed Frog
ブライト・アイフロッグ
つまり色鮮やかな目のカエル
だからね
( ‥)まあカエルマニアが何を
‐/ どう呼ぶのかは
置いといて
むしろ問題はこの属名そのものだ。Boophisとは一体なんぞや?
∧∧
(‥ )ラテン語でBooというと
\‐ さわぎ吠えるのことですが…
(‥ )まさか英語のbooingって
ラテン語が由来じゃ
あるまいな?
手持ちの辞書では分からない。Boo:ブーは単純な擬音語なので、各言語で独立に普通に獲得されるものかもしれない。いずれにせよ、booはともかく、Boophisとはなんぞ? 吠える唸る動物の意味であるか?
色々調べてどうもギリシャ神話の女神ヘラが持つあだ名の一つであり、その意味は”牛の目”であるといきついた。
∧∧
( ‥)なんで牛の目なんだよ
( ‥)詩人ホメロスが
‐/ つけたもので
偉大なる女神は
世界の始まりから
この世の全てを隅々まで
牛のように見ているから
という記述がひとつ
見つかったが…
詳細は分からない。自分はホメロスの詩を読んだことがない。
ヘラと言えばギリシャ神話最高神ゼウスの姉にしてその妻。神話編纂の過程で浮気者になったゼウスに嫉妬しては物語に悪縁を吹き込む損な役割に甘んじてはいるが、やはり最高位の女神なり。
世界と森羅万象を見るその女神、それを牛に例えるとはなにゆえか?
∧∧
(‥ )ミトラス教とか
\‐ ゾロアスター教とかでは
牛は宇宙と関連するものでは
なかったでしたか?
(‥ )うろ覚えだな
今は分からんね
さてもさても、Boophis属がこのヘラの別名に由来するというのなら、訳せば”ウシノメガエル属”ということになるのであろうか?
∧∧
( ‥)天地森羅万象を見る
女神のカエル
(‥ )なかなかにしゃれた
名前なのかもしれん
ブーフィス属の最初の記載は1838年、今からほぼ200年前のことであった。