2017年8月20日日曜日
詩人の才能とは詩人がくずであることそのものだ
1万人に一人の奇病!
こう聞くと多くの人はこう考える。これは1万人に1人が持つ珍しい遺伝子に違いない。だから自分は大丈夫だ! なに、1万分の1さ。
ところがこれは大間違い。
∧∧
(‥ )遺伝子は対になって
\‐ 働くものだから
1万人に1人とは
実は100×100=1万
つまり100人に1人が
持っている遺伝子
つまり確率は100分の1
(‥ )でっ、1万人に1人の
奇病なんて何千と
あるわけでな
100分の1が
何千何万とあったら
全員どいつもこいつも
遺伝子は奇病だらけよ
というか、奇病にすらなれずに死んでしまい、産まれてこなかった子供たちがいること、誰もが知っていよう。
だとしたら結論は明白だ。全員がひとたび発現したら死ぬ有害遺伝子を持っている。それも確率計算からすると1人につき1個ではなく2、3個だ。
ありとあらゆる有害遺伝子が渦巻く存在。それが我々であり、それが生物というものの本質だ。
∧∧
(‥ )ところが遺伝子に優劣はない
\‐ 有害遺伝子も進化の役に立つ
だから弱者を保護することで
有害遺伝子を保護しよう
それが
人間の生存戦略であるという
与太話に全員があっさりと
ひっかかる
自分たちがとっくの昔に
有害遺伝子に飽和してるのに
あっさりひっかかる
このおかしさよ
(‥ )全員が逃げたんだな
逃げたんだろ? 自分の精子も卵子もとっくの昔に有害遺伝子で飽和していっぱいいっぱい。お前ら、この事実から逃げたんだ。
この世における障害者とか弱者とか、それは単にいっぱいになったプールから水が一滴、二滴あふれてこぼれているだけでしかない。我々全員が有害遺伝子に飽和している以上。必ず自分の腰と子孫から産まれてくるものなのだ。
この必然の現実からどいつもこいつも逃げた。
その代わりに手にしたのは、弱者と自分は関係ない。かわいそうな弱者を保護するのが出来た自分に科せられた遺伝子の命令なのだ、という謎の上から目線であった。
なんと言う欺瞞か。
∧∧
(‥ )全員が欺瞞に逃げたのが
\‐ この世界ですか
(‥ )石川啄木がなぜ
偉大な詩人になれたか?
例えば人は言う。石川啄木は人間のくずだが、素晴らしい才能があったと。
∧∧
( ‥)違うだろうと
(‥ )自業自得な散財の中でも
じっと手を見る
そう言っては
己ではなく
世知辛い世間に責任転嫁する
こういった
人間のくずの上に
さらに上塗りする責任転嫁
こここそが受けたのだ
誰でも他人のせいにしたい、自分だけは貴族でいたい。悪いことは全部他人。そうでないと、この宇宙があまりにもつらすぎる。それゆえに皆は嘘を求めている。
あなたは悪くない
悪いのは他人
あなたは不当なことをされている
ずるいのは世間
あなたは優れている
劣っているのは弱者
あなたは弱者を保護する天使。
天使を気取れば、そりゃあ前向きに生きていけるよなあ。
そこへ逃げたろう?
ただただ逃げたのだ。
∧∧
(‥ )悪いことじゃないね
\‐
(‥ )悪いことじゃないな
だが宇宙の悪意は
我々の想像を越えておる
現実は追いかけてくるぞ。お前の細胞にひそむ有害遺伝子があらゆることをする。時限爆弾みたいに発動するのだ。あそこが壊れ、あちらが砕け、ここが動かなくなる。
現実は必ずお前たちに追いつく。ほら振り返ってみたまえ。もう後ろにいるぞ。
∧∧
( ‥)あんたの後ろにもね
( ‥)人生って逃げだよなあ
さて逃げ切れるか? いや、必ず追いつかれるのだ。ではいつ追いつかれる?
詩人の才能とは、詩人という存在がくずそのものであるからこそだ。