2017年6月17日土曜日
捏造の物理学史
イギリスのニューコメンが最初の蒸気機関を作ったのが1700年代の初頭。
これをワットが改良したのは1774年とかそのぐらい。
一方、こうした蒸気機関の発達に対して物理学は遅れに遅れた
カルノーが熱力学を提案したのが1824年。
ジュールが熱と仕事の関係を計測したのが1847年とかそのぐらい。
蒸気機関の発達に対して物理学の発達は50年、70年、つまり2、3世代遅れている。
∧∧
(‥ )しかしかような歴史にも
\− 関わらず
物理学が蒸気機関と
産業革命の発展をうながしたと
言い出す人が絶えないのである
(‥ )そればかりじゃない
物理学は産業革命に
ほとんど貢献してないよ
というと
烈火の如く
怒り狂う奴が出る有様よ
多分、これは物理学が本来持っている黒魔術の部分が強く現れた結果だろう。物理学と数学は紀元前のピタゴラス教団が由来だ。この宗教は本来、算術でしかなかった技術を、手持ちの貧弱な知識から大宇宙の真理を自動的に得られるという途方も無い誇大妄想へと変形せしめた宗教であった。
∧∧
(‥ )現代物理学は
\− 2400年続いた
この宗教の影響から
どうしても逃れられない
のである
(‥ )研究者の半分ぐらいは
そうみたいだな
研究者でさえそうだ
ましてや
科学に興味がありますとか
そんな程度の連中では
どうにもならん
物理学は宗教の影響があまりに強すぎる。だからであろう。紀元後1世紀、ローマ帝国にはすでに蒸気機関があった。だからもしキリスト教の暗黒時代さえなかったら、1000年早く産業革命が起こったはずであると。
そう言い出すやからも出る始末。
∧∧
( ‥)...その時代の蒸気機関って
ヘロンさんの蒸気タービン
だよね?
(‥ )はっきりしないけど
回転できる
中空のボールの中に
水を入れて
それを火にかける
あるいはボールに蒸気を
導き入れる
いずれにせよ
ボール内の蒸気を
管を介して吹き出すことで
ボールを回転させる
からくりのことだな
=>https://www.google.co.jp/search?q=heron+of+alexandria+steam+engine&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwiJuYr8lMTUAhXCsJQKHfV8DwEQ_AUIBigB&biw…
はっきりしないが、だいたい、こういうものである。
そして世の人はかような知識から壮大な夢を描くのだ。
キリスト教徒。すべての知識は聖書にあるからと大図書館を破壊した暗黒文明の手先。あのけがらわしきキリスト教さえなかったら、ローマ帝国は1000年早く産業革命を実現したはずである、と。
まあキリスト教徒がろくでもないことをした文明の破壊者であったというのは、まごうことなき歴史の事実であるにしても、このような発展の可能性はなかっただろう。
∧∧
(‥ )蒸気タービンって
\− 蒸気機関の中では一番最後に
実用化されるものだよね
ガスタービンは1872年
蒸気タービンは1884年
(‥ )蒸気タービンは
高速流体を使って
回転させるものだから
未熟な技術で作ると
遠心力で吹っ飛ぶそうだ
さらにこういう高速流体を受け止めるには羽車が必要なんだが、この羽の形態を適切な形にするにはそれこそ物理学や工学、機械設計の知識がまず必要だそうである。
つまり蒸気タービンが蒸気機関の最後に現れたのは必然だってことだ。
まず蒸気機関の発達があって
次にその影響を受けた物理学の発達があって
そうした発達の成果を応用して初めて実現できる機関
それが蒸気タービンってことらしい。
∧∧
( ‥)つまりヘロンさんの
蒸気タービンが産業革命を
引き起こすということは
ありえないのである
当然、キリスト教と
暗黒時代の無いローマ帝国に
産業革命が起こることも
またないのである
( ‥)ヘロンが書き残したという
−/ からくりの中には
空気の熱膨張を利用した
自動扉があったという
けども
これだって
どうにもならんよね
もしかしたらこれ、非常にこじつければニューコメン式の蒸気機関になるかもしれない、あるいはひょっとしたら熱空気機関、例えばスターリング機関になりえたかもしれない。
だが実際のところ、どっちにしろ駄目だろう。
蒸気機関の発明は、木材燃料を喪失し、ついには浅い場所の石炭も全部掘ってしまって、そうして深い石炭を掘らざるを得なかった英国で、あくまで排水用として起きたものだ。
∧∧
(‥ )それを考えると
\− ローマ帝国が
蒸気機関を発明する
必然性なんか
どこにもないよね
木材資源を喪失し、
なおかつ石炭が大量に出る
場所なんて限られてます
からなあ
(‥ )しかも最初の蒸気機関って
熱効率がめちゃくちゃ
悪くて
実は人力や畜力より
はるかに無駄が
大きかったそうだな
ただ、それが分からなかったので喜んで使っていたらしい。それを考えると産業革命は気候が悪くてたまたま石炭紀に大森林が形成された場所で、なおかつ勘違いで進んだということになる。
∧∧
( ‥)だとしたらローマ帝国で
産業革命なんか
起こる訳が無いし
世界のどこでも産業革命が
起こらなかったのも
また当然なのである
人力、畜力、風力、水力で
十分かつ
効率的だったのである
(‥ )気候が悪い場所で
馬鹿が勘違いして
非合理なまま突き進んだら
たまたま道が開けた
それだけのこと
だったのだ
まあ人生ってそんなもんだ
ジョブズだって
失敗して死んだら
ただの馬鹿で終わるし
失敗する方が多い
世の中そんなもん
だがしかし、物理学の背景にある黒魔術思考がこのような見方を許さないようである。
そればかりか我ら物理学こそが産業革命を引き起こした、と認識と歴史まで捏造するやからが現れる。
つまりはこれこそが真理ではなかったか?