2016年12月6日火曜日
ホザキヤドリギの日々
すでに日付が変わった昨日、12月5日の午後
空には引き延ばした紙のように繊維状の雲が浮かぶ。
雲自体は画面の左から右へ、方位で言うと西から東へ流れていった。かなり足早な雲である。
そしてスケッチに
∧∧ 向かうのである
( ‥)
−( ‥)前日にヤドリギを
見つけたのでな
これがそれ
宿主はクヌギの木で、落葉した宿主の枝の中で、場違いに黄色い果実を実らせたその姿。
∧∧
(‥ )でもこれヤドリギそのもの
\− ではないんだよね
ホザキヤドリギという
別の種類
(‥ )ヤドリギは常緑で
落葉した宿主の間で
冬でも青々とした葉を
茂らせているから
西欧では命や力の源として
扱われているけど
こやつは見ての通り
落葉してしまう別種
落葉といっても、緑のままの葉をぽろっと落とすものらしく、探せば枯れたクヌギの落ち葉の間に緑色の葉っぱが見つかる。*ちなみに上の画像でも中央やや右に1枚だけ葉っぱがついているのが分かる。
ともあれ、写真だけでなくスケッチだ。さすがにヤドリギだけあって高い場所にいる。たまたま道の脇に斜面があったから(多分、この斜面は遺構である)、そこによじ上ってスケッチブックと鉛筆を手に、一番近い場所のヤドリギに目を凝らすのだが
なにやらカメラを抱えた
怪しげなおっさんが道を
∧∧ 歩いていきますぞ
(‥ )
−( ‥)まあここは公園だからな..
−□
ああ、でも、この道の先には確か女子校があったよな。先日、ベンチでぼーっとしていたら下校途中の女の子がぞろぞろ、というわけでもないが、ぽつぽつやってきたからぎょっとしたものだったが。
そうねえ、ああいう怪しいおっさんが女子校へ向かう道でカメラを持って歩くと怪しまれるよね。公園とはいってもひなびたここらに格好の被写体なんかないわけだし、あれは女子高生を撮影する目的だと解釈されてもおかしくは…
…なあ、あんたはもっと
∧∧ 怪しくねえ?
( ‥)
−(;‥)うーんそうねえ
−□
そして4時にもなっていないのにチャイムの音が聞こえる。あれ? 下校時間ってこんなに早かったっけ? そう思っていると、とことこ、ぽつぽつ下校の学生が道を歩いてきよる。
∧∧ おいどうすんだ?
(‥ )
−( ‥)取りあえず逃げよう
こそこそと斜面を登り、上の駐車場へ退避して、ぼんやりと時間を待つ。駐車場のさらに先には神社もあるから、その裏を歩いていると時間つぶしにはもってこいだ。ブドウの仲間を見つけたから、今度、スケッチしよう。
そういえば中学の帰り道、夕暮れの神社の裏を散策したら、薄暗闇の中で中学生のカップルが今で言う壁ドンしてたのに出くわしたよな。
今考えると、悪いことをしたものだ。
∧∧ 幸いここには誰もいない
(‥ )
−( ‥)まあ女子校だしね
男女で下校途中に
暗がりへしけこむ
なんてことはなかろう
15分もすれば十分だろうと戻ってみると、もう誰もいない。日はすでに落ちかかっていて暗くなっていく。手早く用件をすませて帰るのだ。
∧∧
(‥ )ところでホザキヤドリギの
\− ホザキってどういう意味よ?
(‥ )”穂咲き”じゃないかと
思うけどな
ネットでもそう言ったり
引用している文章が
あるけども
本で確認はしてないな
果実を見れば察しがつくが、枝の先に花が房状につくようなのである。