2016年6月12日日曜日
火星の緑
∧∧
(‥ )北海道で
\− 言うことを聞かない子供を
脅かすために置き去りにしたら
どっかいっちゃって
クマに食わちゃった?
と大騒ぎになった事件
イギリスを含め西欧でも
大きなニュースになって
その理由は
野蛮なアジア人という彼らの
世界観にぴったりの
ニュースだったからという話
(‥ )吹きさらしの場所に
子供を置くような
野蛮人だからこそ
我々は大英帝国を
築けたのだ! とか
豪語していた連中がかい?
ずいぶんぬるくなった
もんだな
そんなんだからお前ら西欧は衰退するんだよ。見ろ、かつて自らが富を略奪し搾取した被害者たちの子孫に正当にたかられて、もはやシロアリに食われる建物も同じ。
まあ、そんな馬鹿話は放っておいて
∧∧
(‥ )オレンジの円に
\− 斑点がひとつ
(‥ )その左脇にある小さな円
この小さな円と
オレンジの中の斑点は
実は同じ色だ
どっちも同じ灰色である(しかも実はオレンジから彩度と明度を落としてつくったものだ)。
∧∧
( ‥)ところがオレンジの円内にある
灰色は少し緑がかって
見えますよと
( ‥)眼の錯覚なんだが
−/ 実はこれが
火星に植物が生えている
と昔に言われた
原因らしいのだよなあ
火星にある暗い模様。現在では、それは暗い岩石がある場所、例えば玄武岩などがある場所だと分かっている。ところが、この暗い模様が大きな望遠鏡では緑や青に見えるのだそうだ。
∧∧
( ‥)あなたの望遠鏡では
どうなのよ?
(‥ )灰色に見えるだけだよ
でも口径20センチになると
”緑や青であることが分かる”
そうだよ
今年は火星がそこそこ接近する年であった。そのせいか古い絵がネットにアップされていた。古い図鑑に描かれた火星の暗部は鮮やかな緑色で、当時は火星に植物が生えていると考えられていたから緑色で描かれていた、とコメントされていたけども。
∧∧
(‥ )実際には緑に見えていたから
\− 植物が生えているだろうと
思われていたのである
(‥ )でもそれが眼の錯覚で
あるというね
以上の単純なイラストでは、なんか緑っぽいな、なんだけども、オレンジの色を赤にずらすと、緑色(に見える)がより顕著になる。火星は実際にはぎらついているから、それを考えると灰色が緑に見える、というのは不思議ではない。
そして、火星の暗部が緑に見えるという報告は19世紀前半からあるが、どうも当時から、これは眼の錯覚ではないだろうか? と言われてはいたらしい。
∧∧
(‥ )でも続く研究者たちは
\− 植物だと解釈する傾向が
強かったようであると
(‥ )植物だと葉緑素が
赤外線を反射する
いわゆるレッドエッジだな
それがある
でも火星の暗部には
そういう反射が無いから
火星に植物はいないでしょう
そう指摘されても
いや、火星は寒いから
植物は赤外線を
反射しないのである
地球でもそういう例がある
そう主張した人も
いるんだよね
結果的にそれは間違っていて、植物がいるはずだ、という結論ありきな無理ある仮説になってしまった。
∧∧
(‥ )結果論とはいえ
\− 論の建て方が危うかったのは
事実なのでしょうね
(‥ )緑に見える
だから植物がいる
だけど赤外線反射が無い
いや
植物がいるはずだから
赤外線を反射しない
植物が生えているのだ
これは
あまりまっとうな
建て方ではないからなあ
多分、錯視から始まった壮大な仮説は、その根拠が破壊された後もなお生き延びようと無理矢理な展開を行ったのだ。
しかしついに、探査機が明らかにしたクレーターだらけの火星写真で木っ端みじんにされてしまったのであった。
∧∧
( ‥)運河騒動といい
火星とはそれだけ魅力的な
星なのでしょうな
(‥ )駄目になった仮説に
すがりつきたくなるほど
魅力的な星なのだろうね
火星、おそるべし。