2016年4月20日水曜日
モード変換! ホルモン全開!!
砂の惑星。その未来では1万の世界に支配者がおり、抜きん出たコリノ王家が他の王家を服属させる帝国。帝国には厳密な階級制度がしかれており、惑星から自由に出ることができない農奴階級も存在する。星々をつなぐ航路を宇宙船が盛んに行き来する一方で、電子計算機やコンピューター、人工知能というものはない。それらはかつて、情熱的宗教戦争、ブトレリアン・ジハードによって抹殺されたからだ。
その代わり、人は自己の肉体を鍛錬することで機械の欠如をおぎなうようになった。計算能力を高めた職種メンタート。ドラッグを吸引することで宇宙船の安全な航路を幻視するギルドナビゲーター。女性の肉体と精神の訓練を行う魔女、ベネゲセリットたちは自分たちの意思で新陳代謝の速度を変えられる。
そしてこの時代の戦士たち。ごく遅い速度、秒速数センチ程度のものしか透過を許さないシールドが普及した世界で、戦闘は再び白兵戦に戻った。戦士たちはきらめくような素早い防御と、ゆっくりとした突き。そしてその遅い突きを有効にするためのフェイント。あるいはフェイントのためのフェイントという頭脳戦を交えた格闘術に熟知している。一般徴募兵10名を容易く打倒できる皇帝親衛隊サルダウカー、そのサルダウカー多数を相手に圧倒できる剣士ダンカン・アイダホ、そしてその彼に教えを受け、師匠をもしのいだ技量を持つ主人公、公爵家の若き王子ポウル・アトレイデス。
まさに肉体の鍛錬と奥義、そして薬物と精神開花、肉体制御と展開の世界。
砂の惑星が出版されたのは1965年。当時はベトナム戦争とヒッピー文化の時代であった。
∧∧
(‥ )そのせいですかね?
\− 砂の惑星ってかなり
人気出たみたいだよね
(‥ )ドラッグを吸い、食べ、飲む
ギルドナビゲーターが
幻視の中で予知能力を開花させ
安全な航路を探るなんてのは
まさにヒッピーと東洋趣味や
神秘主義の合体だしな
そう言う意味では、砂の惑星のイメージは実のところインドっぽいのが良いかもしれぬ。
それはさておき
若い頃、かっこいいと思ったものは後々になってみると悲しいもので、それは黒歴史となる。
原因のひとつは、若い時分には物事が良くわからん、ということがあるだろう。
だがそれだけか?
実はもう一つ原因がありえよう。
∧∧
(‥ )ホルモンとか神経の具合とか
\− そう言う作用も大きいだろうね
(‥ )...なあ、砂の惑星では
精神による
新陳代謝や内臓の制御に
いたる
奥義と鍛錬が描かれて
いるわけだけども..
ああん? つまりするとあれか? 砂の惑星のような、完成された人体制御術をもってすれば、人はいつでも好きなように中二病モードになれるってことではないのか?
(‥ )ホルモンブースト!
来たきたきたきたー!!
我は闇の真祖にして
真名はドラグル
ブレヘーベンっ!!
∧∧
( ‥)おう、それでどうすんだ?
さて、どうしたものか。とはいえ、肉体の制御とはつまるところ、こういうことだろう。
∧∧
( ‥)思うんだけどさ
自分を調整して心を中二病に
してしまったら
戻れる力はあっても
戻ろうとしないんじゃねえの?
(‥ )おおっ、これは
思ったよりも
恐ろしい技だな
多分、これは禁じ手だ
それにしても、改めて考えればヒッピー文化もそうだろうけど、砂の惑星もかなり中二病的なところがあるんだろう。一般兵士を圧倒できるサルダウカーを圧倒できる剣士のさらに上をいく主人公、というのはまさにそれだ。
∧∧
(‥ )こういう中二病な要素が
\− あったからこそ
ヒッピー文化も砂の惑星も
受けたのですかね?
(‥ )創作とは中二病で
なければいけない
そういうことだろうな
∧∧
( ‥)まあ、あまり重度だと
戻って来れなくなったり
さすがにこれはないわ…と
食傷されちゃうんだろう
けどね
(‥ )どういう案配で中二病に
なればいいのか?
ここが腕の見せ所