2016年3月30日水曜日
皆が望む破滅的な独裁制
直接民主制は素人の意見を反映させれば素晴らしいものができるはず、という世界観であるから、方針を決める方法としては最悪の部類に入る。
∧∧
(‥ )小さくて均一な社会なら
\‐ 全員が現場経験者なので
成り立つかもしれないけど
(‥ )大きな国では無理だなあ
実際、直接民主制の
古典ギリシャは
ついに帝国になれず
そればかりか
新しいことにも対応できず
世襲議員制のローマに
征服されて
帝国に組み込まれてしまう
そして、民主制は歴史の中で消えていく。
その後、火器の発達で素人な市民を大量動員すれば戦争に勝てる、という状況が生まれたので、直接民主制が復活したけども。
∧∧
(‥ )それがアメリカなんだけど
\‐ 国家は世界帝国と言えるほど
巨大化してしまって
徴兵制はなくなり
軍隊もよりプロ化が
進行している
民主制を成立させる条件は
すでに消えているんだよね
(‥ )つまりアメリカは存在が
時代錯誤なんだよな
歴史についていけず
惰性だけの存在に
なってしまっている
多分、何世代かかけて修正し、日本のようになっていくんだろう。つまり二世議員や世襲議員、派閥という組織内で政治家を訓練する、そういう方向性へ傾いていく。そうすれば直接民主制の不安定さはかなり減少するはずだ。
∧∧
( ‥)それでも理論上は
素人にも最高指導者への
門戸が開放されている
その意義は大きいのである
(‥ )ただしそれは弊害もある
問題は
直接民主制は
その弊害が
大きく膨れる傾向がある
ことだよねえ
その事例が多分、こたびのアメリカ大統領選挙。
と、以上は真面目な話で
∧∧
(‥ )根本的に直接民主制とは
\‐ 水戸黄門的な世界観であろう
(‥ )俺は問題を把握している
だから俺のひらめきを
トップに直談判すれば
この問題は解決される
そういうかなり素朴な
世界観だな
確かにそういうことはありうる。
だが、それと同じくらい、それじゃ駄目だ、ということもありうる。
∧∧
( ‥)ようするに直談判の可否は
個々に判断することであって
直談判すれば問題解決
という世界観はあまりにも
主張が強すぎるのである
(‥ )実際、そんなことをしたら
全国中から送られる電報に
毛沢東が全部可否や指示を
批語にして返信した
みたいな状況に
なっちまうからな
つまるところ、水戸黄門的な世界観を持つ人は、強烈な独裁制を考えているのだとも言えるし、ものすごく単純な、君主と自分という、1対1の関係しか考えていないのだとも言えよう。
∧∧
(‥ )でも水戸黄門は
\‐ 人気なのである
(‥ )人気ってことは
あれが一般的な
世界観だから
分かりやすいってこと
なんだろうな
∧∧
( ‥)ということは
皆が心に描いている
理想的な政治とは
実のところ
破滅的な独裁制なのであると
( ‥)それを踏まえれば
‐/ その状態を実現してしまう
直接民主制が
どれほど危険かって
分かるよなあ