2016年1月30日土曜日
賢しい人間はナイーブすぎる
∧∧
(‥ )何かを証明するとは
\‐ 大前提があらかじめ
含んでいるものを
出力することでしかない
(‥ )平行線は
どんなに延長しても
交わらない
ここから
三角形の内角の和は
二直角である
が論理的に出力される
しかし本当に
三角形の内角の和が
二直角になるのかどうかは
現実を見ないと分からない
現実の宇宙では平行線は交わり、内角の和は二直角ではないかもしれない。
∧∧
(‥ )そもそも平行線は
\‐ 交わらないって大前提が
無茶苦茶な話ですよねえ
(‥ )有限の長さの
二本の直線がある
それを平行に並べると
交わらない
ずっと長くしても
交わらないようだ
だったら
無限に延長しても
交わらないだろう
全部思いつきだよね
無限に延長しても交わらない。こんなこと、一体どう確かめるのだ? ユークリッド幾何言論の時代からこの世で一番速い光の速度で直線を延長してもたった2300光年程度でしかない。無限にはほど遠い。
∧∧
(‥ )すごく否定的に
\‐ ものすごく意地悪く言うと
ユークリッドの幾何原論も
ギリシャ数学を称揚した
プラトンさんも
その後の数学も
そういう思いつきや
思い込みから作られた
体系なんだよね
(‥ )数学は自然科学じゃない
そう言われるのは
当然だな
もちろん、数学はそれでも良かったのだ。前提から演繹された無矛盾の体系、それであれば問題ないわけだから。
∧∧
(‥ )問題はプラトンさんみたいに
\‐ 論理的に考えれば
現実世界に存在する真理に至る
そう思い込んでしまう
ことですかね
(‥ )平行線は交わらない
これは偏見でしかないが
そこから得た結論を
真理だと思い込む
偏見から偏見を出力して
それを真理と信じる
これが
プラトン主義者であり
論理主義者だな
というか、プラトン主義者と呼ぶのは多分、本末転倒なのだ。
人間には元々、偏見から論理的に導かれた偏見を真理と誤認する傾向がある、そう見るべき。
つまり古代よりあまたの人々がそういう思考で物事を理解してきたし、プラトンはその中で最も有名な人であっただけにすぎぬ。
∧∧
( ‥)偏見から偏見を出力する
これがあなたがた人間の
特性ですか
(‥ )特に論理的に考える奴は
やばいんだよ
論理的ならば真であると
無邪気に思い込んで
自分の偏見を真理だと
勘違いしとる
そして次のことも注目せねばならぬ。
人間は脳に支出するカロリーをけちりたがる。だから何かを理解するための説明を複数見せられた場合、一番手頃な解答を選ぶ。
∧∧
(‥ )でもそういう手頃な解答は
\‐ 大概は間違いである
(‥ )その一方で俺たちは
宗教的な猿なので
自分の分かったは正しい
そう強烈に思い込むのだ
つまりこうである。
我々の認識や理解のほとんどは、けちってお手軽に採用しただけで、おおよそ間違いである。
それにもかかわらず、我々はそれが正しいと思い込んでいるのだと。
∧∧
( ‥)そして論理的な人間は
偏見を真理だと勘違いする
(‥ )つまり
穴だらけ赤点間違い無しの
理解の山から演繹し
そうして得た間違った答えを
真理だと勘違いする
これが論理的な人間よ
こう考えると、
頭が良くてポジティブで世の中のことが見通せて、これが世界の問題点だと指摘し、論理的に考え、真理を提示し、それを皆にプレゼンして主導権を握ろうと争う。
これがどれほど危険なことであるか明白であろう。
∧∧
(‥ )要するに間違ったことを
\‐ 自信満々に言い立てて
めちゃくちゃするって
ことですなあ
行動的な馬鹿って
言うんですかね?
(‥ )なんか先日は
某アメリカ企業は
こんなにすごい!
という記事を見たけど
これがだな
まさにこんな感じでな
∧∧
( ‥)アメリカ企業だめっぽ
ですか?
(‥ )アメリカ人ナイーブだろ?
だから
頭が良くて
弁舌がさわやかで
攻撃的で賢いところを
論理的に示すっていう
最悪を絵に描いたような
人格やらキャラ設定を
無邪気にたしなみよる
いや、あるいは、一部の勘違いした連中の草刈り場にその会社がなっているというべきか。一度高名になると、企業がこういう意識高い連中に食いつぶされていくのは、アメリカも日本も同じなんだろう。
∧∧
(‥ )そういう人たちが
\‐ 切磋琢磨と言えば
聞こえはいいけども
世界的に名の知れた
大きな会社で
議論と主導権を戦わせている
その一方で
一般国民は仕事に困って
トランプさんを支持して
いるわけだよねー
(‥ )それを考えると
アメリカ人の中でも
ああいう連中は
痛い奴らなんだろうな
この手の奴らは
あげくに人々を救うための
ボランティアだの
NGOだの言い出すからな
そんなもので問題が解決するなら、こんな状況にはなっていない。何かがことごとく間違っているのだが、それを真理と美辞麗句で飾り立てるのが賢しい人間というものであった。
賢しい人間や論理的な人間は、発見次第、ちゃっちゃと始末するべき。