2015年11月8日日曜日
デブは白亜紀の貯蓄
アーサー・C・クラークが曰く。高度に発達した冗談はトンデモと区別ができないと。
∧∧
( ‥)そうじゃねえだろ
( ‥)まあ冗談はさておき
‐/ こんな意見があるな
デブがあふれかえるこの世界で、炭水化物悪玉論が誕生した。
曰く
人体を構成する物質のうち、水についで多いのが蛋白質であり、そして脂質だ。つまり人間に必要なのは蛋白質であって、炭水化物ではないのだ。肉を食べよ。そして炭水化物など必要ない。
∧∧
(‥ )その理屈だと
\‐ 自動車は鉄を燃料にして
動くのでしょうね
(‥ )チョウチョも花で
蜜なんか吸わないで
肉を食べるのだろうな
もちろん、炭水化物は生物に必要なのである。人間は農耕以前の時代から炭水化物を手に入れようと大変な努力をしてきた。そもそも人間が食べる芋とそのデンプンだって、結局のところ植物が貯蔵した燃料を横取りしているのである。デンプンや炭水化物が悪玉なんてことはない。
∧∧
(‥ )でもあなた方の文明は
\‐ 炭水化物の大量生産に成功して
餓死どころか
それをどんどん食わせて
貧乏人をデブにしてしまう
そういう途方も無い成功を
収めたからね
だから誤解が生じたんだね
(‥ )あまりの成功と
デブの大量生産で
炭水化物は悪だ! とか
人類が炭水化物に
毒されたのは
農耕のせいで
人は堕落した! とか
本気で言い出す奴が
出てくる始末だからな
かように、農業の飛躍的増産と炭水化物の安定供給は大量のデブを製造し、ついには
人体の構成物質で水についで多いのが蛋白質だ。だから人体に炭水化物など必要ない!
などという、冗談なのかトンデモなのか、にわかには判断できない、突拍子もない俗説を生み出したのである。
∧∧
( ‥)人体の構成部品と
人体を可動させる燃料の区別が
出来ない人も
もれなくデブにできる現代文明
まさに
農業生産の革新万歳ですな
(‥ )でもこれ
石油のおかげなんだけどね
たしかに品種改良、化学肥料、農薬といった革新は大きい。
だがそれを実現可能にしたのは、結局は石油だ。以上のような施設の維持、肥料、農薬の生産、そればかりか農作物の製造から運搬に至るまで、あらゆる工程で石油が使われている。
ようするにだ、人類の歴史上、未曾有のこの豊かさは、石油のエネルギーが結果的にデンプンに変換されたものだと言える。
∧∧
(‥ )そして石油は
\‐ 過去の太陽エネルギーだからね
それを考えると
今の世界中のデブは
白亜紀の太陽エネルギーを
体内に貯蓄しているわけだ
(‥ )過去の地球に入力された
太陽エネルギーを
地層から掘り出して
それをデブに変換する
俺たちの文明ってすげーな