2015年9月28日月曜日
デミウルゴスによる悪意ある世界
日本には不正が満ちているが、この世界のどこかに理想の国がある。
理想の国として上げられたものにはアメリカ、イギリス、スウェーデン、ドイツなどなど。
∧∧
(‥ )でも日本の人が
\‐ こぞって移民するかといったら
そんなことないですよね
(‥ )まあここから明瞭に
分かる事は
以上の理想の国は
総合的に見れば
日本と同じ
みんなでドングリの背比べ
ってわけだ
水が移動しないなら位置エネルギーは同じと見るべきである。人が移動しないとは、そういうことだ。
世界のどこかに理想の国がある。これはプラトンのイデア論とかと似たような迷妄だろう。
∧∧
( ‥)プラトン? イデア?
なにを大げさなと
言われそうですけどね
(‥ )というかね
大げさなんじゃなくて
話はむしろ逆だと
考えるべきだ
プラトンは意識高い系のおっさん、イデア論は頭でっかちが酔っぱらって考えるありがちな思い込み。
∧∧
(‥ )プラトンもイデアも
\‐ その辺でご高説を述べている
意識高い系の
おっさんと同じだと
(‥ )理想の国なんて
あるわけねえからな
例えば人が曰く。ドイツには自由があるそうだ。市民は意識が高く、政治に参加し、民主制の自覚があり、デモに参加し、企業は効率的で、社員は人間的な生活をしている。
しかし、その人は取り上げないが、一方では一世代も問題視されているトルコ系移民への搾取がある。増加する移民たちの問題もよく取りざたされる。ギリシャ危機で露呈したのは、ユーロ安を隠れ蓑に日本などよりも安く物を輸出しつつ、金融商品でギリシャをカモにするドイツの姿であった。
∧∧
(‥ )そして今度は
\‐ フォルクス・ワーゲン社の
排ガス不正ですか
検査があると
窒素酸化物の量を
少なく見せるように動く
ソフトを搭載していたのだと
(‥ )富は偏りから生じる
どこかが出ていれば
どこかがへこむ
現実はそこまで
単純じゃあないけども
おおむねそうだ
豊かで効率的な社員がいるというのが本当なら、それはどっかに影があるということであろう。それは国外にあるのかもしれないし、国内にあるのかもしれない。
∧∧
( ‥)しわ寄せをどこに
押しつけるかって話だからね
( ‥)理想の国があるのなら
‐/ それは血まみれって
ことなのさね
別に血まみれであることは構わない。しかしそこから目をそらすのはいかがなものか?
世の中は不正に満ちている。こんなものは、自分の境遇に不満のある人間の単なる言い分だ。
そして、世界のどこかに理想の国がある。これは、その挫折を外部委託したものだ。
もちろん、そんなもの実際にはないのである。理想の国は挫折した人の心の中にある麻薬に過ぎぬ。
かような世界観は高邁ではあるが、ただの逃げだ。逃げた先には何も無い。
∧∧
(‥ )そういうあなたは
\‐ どんな世界観でこの世に
いどみますかね?
(‥ )この世界を作った
創造主がいる
それは本当かもしれん
∧∧
( ‥)ほう?
(‥ )ここまで悪意のこもった
世界はな
知的生物が意図的に
作ったと見るべきかもな
この世は偽りの神、デミウルゴスが作った悪意ある宇宙。生きることができるぎりぎりの条件で可能な限り苦しむように作られている。この悪意において理想の国とは、すなわち蜂蜜をまぶした罠である。イデアを無邪気に掴んだが最後、人は迷妄の中でより苦しんで死ぬように設定されている。デミウルゴスはそれを良しとして歓喜するのだ。皆、祭壇の生け贄にすぎぬ。