2014年12月26日金曜日
完成された人工知能は痛い奴になる
それがどんなつまらないことであっても、たとえそれが会社と同僚への愚痴であり、あるいは彼氏や彼女、夫や妻に対する愚痴であっても、それは専門的なものであり、個別の事柄である。
∧∧
(‥ )それゆえそれがいかに
\‐ つまらないささいなことでも
部外者がおいそれと
理解できるものではないし
ましてや簡単に
解決できるものでもない
(‥ )だけど人は
ずっと大きな事柄を
訳知り顔で語るのだ
スポーツの試合運びから
政治、経済
さらには軍事に至るまで
”なんでこうしないの?
俺ならこうするよ?
そんなこともできないの?
ああ分かった
お前たちは馬鹿なんだな?
やだやだ、馬鹿ばっかりの
こんな世界なんか
滅びてしまえ”
そう怒り論評し失望する
もちろんこんな論評も失望も馬鹿げている。職場の問題も家庭の問題も解決できぬのに、もっと大きな、しかも自分では全貌を把握し切れていない組織や政治や経済や軍事の問題など解決できるはずもない。
だのに解決できると思い込み、自分の仮想的な頭の良さを自慢する。そればかりか画期的な解決策を持っているはずの自分の脳みそを評価してくれない世間に失望し、恨み、滅びてしまえと呪詛する。これはどういうことであろうか?
∧∧
( ‥)例えばの話
こういう心理を人工知能で
再現できるのか?
そういう問題だね
(‥ )それこそ知りもしないのに
言うのはなんだが
反対のことはむしろ
再現が楽なんだろうな
場に影響を与える重大な要素を把握すれば予測がある程度立つ
だが知らない要素があり、それが重大であった場合、予測ははずれる
今、自分は政治や経済の全貌を把握していない
つまり把握していない要素が大量にあるであろう
自分は手持ちの事柄から政治や経済の予測を立てること自体はできるが、把握していない要素が大量にある以上、その予測は外れるであろう
外れる予測は画期的な解決とは呼べない
手持ちの数値をこの公式に入れるとこのような答えが出てくるが、それは、そのままでは現実について何も語っていない。
∧∧
(‥ )このような人工知能に
\‐ 政治経済の解決策を尋ねたら
情報が少なくて分かりません
手持ちの情報では
こうは言えますが
正しいかは分かりません
そう答えるのではないだろうか
(‥ )でも人間はそうじゃない
これで良いはずだ
これが分からない奴は馬鹿だ
そう言い出すのだ
多分、人間は理屈じゃ正当化できないような飛躍を行い、そしてその結論に固執する性質を持っている。
∧∧
( ‥)それこそが人間であり
それを再現しないと
知性を持った人工知能とは
呼べないであろう
(‥ )完成された人工知能って
すごいいやな奴だと思うな
傲慢で他人の話を聞かず
予測が外れたら知らんぷり
たまたま予測が当たったら
有頂天で
思い込みが激しくて
世間は馬鹿ばかりと
愚痴をこぼすのだ
人間的とは根拠の無い思い込みに固執して、他人に敵意を抱くという事でもある。実際、スターリンとかがいたように、人間的な人工知能は非常に危険だということだろう。
反対に、理路整然とした人工知能は、できません、分かりません、それだとこうなりますけど見てみないと分かりませんね、を繰り返す頼りない奴に見えるのかもしれない。少なくとも人間から見るとそうかもしれぬ。