2014年10月17日金曜日
物足りない、それがお前の限界
今作っている本と、これから作る本。
これから作る本のことをふと考えてみる。
∧∧
( ‥)このような仕様で
このような発注
この文字数なのだから
このような内容に
なるであろう
( ‥)それを考えるとだな
‐□
あれ? 今書いている”学生向けの本”よりも、来年書くであろう、”子供向けの本”の方が詳しくね?
∧∧
(‥ )当たり前と言えば
\‐ 当たり前ですか
(‥ )学生レベルの
本となると
基礎を書く事になる
例えば学生向けに”日本の歴史”を書いたとする。内容は基礎と把握すべき事柄の列挙であり、説明であり、それを把握するための体系と理解と単語の紹介となろう。
平安時代、武士の台頭、平家と源氏、幕府の成立、戦国時代、江戸時代...
だが、子供向けだとどうなるか?
例えば、忍者とは何か? 忍者の活躍を必要とした当時の社会情勢とは何か? 当時の戦争と農村の状況とはなんであったのか? そういう話になる。自動的に内容は深くなる。
∧∧
(‥ )まあ、実際には
\‐ 本のテーマの違いだけどね
(‥ )ただ、”学生向け”と
銘打つとなるとな
内容がどうしても
広く浅くなる
これは否めないな
別に教科書を書くわけじゃないけども、基礎を知らしめましょう、という主旨である以上、そういうことになろう。
学生向けに自動車の本を書きましょう、そういう時に、特定メーカーのこのスポーツカーのエンジンの性能が、なんてことは書かんだろう。
そして、学生は子供ではない、ということになっている以上、退屈だが必須の知識を延々と網羅した内容を読むべきである、ということになっている。当然、本の内容もそうならざるをえない。
∧∧
(‥ )でも、必須の内容だけを
\‐ 網羅すると
物足りない
そう不満を漏らす人が
出てくるかもね
(‥ )物足りない、か
物知りと自認する読者が
口にする
その手の不満は
真に受けるべきでは
ないね
物足りない、とは、”今の私はすでに腹八分目です”、と自己申告している状態だ。
つまり、彼の脳という知識の胃袋に入るのは、あとはせいぜい菓子パンひとつか、コロッケがひとつである。そういうことである。
∧∧
( ‥)物足りないの?
じゃあ、はい、
と言って出しても
彼は食べ残すだけだと
( ‥)腕立て伏せが30回できる
‐□ そういう人間は
20回だと
なんてことはないのだ
だが、「20回だと物足りない? じゃあ30回ね」、そう言った途端に彼は逃げ出すのである。というか、30回が限界だとしたら25回で逃げ出すだろう。
∧∧
( ‥)そんな馬鹿な! と
反論するだろうけど
( ‥)本を読んでる奴なんて
‐□ 所詮は
本を娯楽で
読んでいるのだよ?
読書を自慢しても、それは結局のところ、”娯楽 ごときの話”、なのである。腕立て伏せ20回じゃ全然物足りない、と言い立てている連中も、例え実際には30回まで耐えられるとしても、25回でいやになって逃げ出すのだ。娯楽なんて所詮はそんなものだ。
∧∧
(‥ )物足りない
\‐ それがお前の限界である
(‥ )20回では
足りないようだから
自分で筋トレをして
30回を越えよう
取りあえず60回を
目指してみよう
そういうことをするのは
ごくわずかな人間だけだし
そういう奴は
“物足りない”なんて
いちいち言わないからな
物足りない、と言っている時点で、そこがすでにお前の限界。