2013年8月14日水曜日
理想主義者は有害
理想は現実を否定することから始まる。
現実は現実を直視するところから始まる。
理想論者は現実を受け入れた現実主義者が許せないし、現実主義者は現実を破壊して空っぽの夢しか語らない理想主義者を危険視する。
∧∧
(‥ )より正確には、
\‐ 現実を記述する理論を
手にした時、何をするか?
なんですけどね
(‥ )問題点を是正するのか、
あるには何もしないのか、
理想主義者の悪いところは
”現実を説明する理論”と
現実の問題の肯定を
ごちゃまぜにして
どっちも攻撃する点だな。
理想主義者は現実を否定するあまり、”現実を説明する理論”を克服すべき現実の問題点を肯定するものだ、と勘違いする。
∧∧
( ‥)でも、実際には現実を
説明できる理論がないと
現実の問題を是正できない。
( ‥)エンジンの問題を
‐□ 克服するには、
そのエンジンの仕組み、
さらには広く、熱力学や
使用の目的や用途までも
把握しないといかん。
理想主義者がいかれているのは、エンジンの問題点と、エンジンの問題点を発見できる理論を、どっちも是正すべき現実であると誤認するところにある。
誤認というか、どういうわけか、彼らはこれらを区別できないのだ。
∧∧
( ‥)なんででしょうね?
(‥ )さあねえ?
なんといえばいいのか、理想主義者がどういう思考回路で動くのか、彼らの思考や考えや誤認や固執がどんな原因で生じるのか。原因が神経に由来するのか、内分泌系の何かに由来するのか、あるいはもっと別の何かなのか、どの要因に支配されているのかは知らない。それを説明する理論があるのかもしれないが、個人的には、聞いた事はない。
つまり、理想主義者の奇妙な振る舞いを説明する理論はない。
とはいえ、しかし
∧∧
(‥ )まあ、最低限、
\‐ ただすべき現実と
現実を説明する理論とを
区別できない人がいるのは
確実だと。
(‥ )しかもな、おかしなもんで
この手の奴に限って
無駄に賢くて、本とか
よく読むんだよね。
本を作る側から見れば金づるではあるのだけども、以上のように、明らかに有害であるという側面がある。
エンジンの騒音を取り除こうとしている時に、エンジンの騒音を理論的に説明するとは何事だ、と言い出すので、理想主義者ってのは邪魔とかうんぬん以前に有害なのだ。
だが売れるので売るのだ。
理想主義者の心の琴線を奏でることがうまい人がいるので、そいつに書かせるのだ。
書いている連中が、あるいは作っている奴らが今でも理想主義者なのかどうかは知らない。仮に理想主義者であったとしても、もはや売れる理想を製造するだけの自動機械に成り果てているのかもしれない。
理想主義者に、役にも立たない嘘っぱちな理想を売る仕事。それがこの世界にはございます。
∧∧
(‥ )出版界って罪作りなことを
\‐ してますよねえ
(‥ )まあ、なんでもありな
業界なんでな。
相手が馬鹿だろうが、無駄に賢かろうが、自尊心が過剰に肥大化したおこちゃまだろうが。あるいは単に疲れた会社員だろうが、勉強の合間に一服の清涼剤を求めている学生だろうが、秘かなエロを欲している男女だろうが、売れるものはなんでも売る。それが混沌たる本の世界。これが理想ではない現実。
そして現実を肯定する現実主義者め、と罵倒しつつ、与えられる理想をただただ食い続け、いまや理想とはほど遠い何かに成り果てている理想主義者がごろごろいるのもまた現実。
現実ってのはそういうものだ。