2013年6月28日金曜日
望ましい自己崩壊に体力を投入する
ああ、おかしいな、なんか疲れた。変だな。どうしちゃったんだろう。集中力もないし。なんか、駄目だ。
∧∧
( ‥)...さっき、走ったからじゃね?
(‥;)おおっ!!
確かに多分、そんな気がする
∧∧
( ‥)たぶんじゃねーだろ
( ‥)体力がすぐに
–□ 回復しないのな
困ったもんだね
∧∧
( ‥)体力を維持しないと
仕事をこなせなくなる
( ‥)さりとて
–□ 体力維持のために
運動すると疲れて
仕事の効率が落ちる
体力に余力がないって
こういうことだな
やれやれだね。
∧∧
( ‥)歳を取るって困った
ものですね
(‥ )短期的には運動よりも
仕事優先だが、
半年、いや三ヶ月以上の
時間で考えると
運動で仕事を犠牲にするも
止む無しだね。
体力がなくなると
文字を読まない、考えることに投資しない、すぐに分かったと思い込む、リサーチが安易になる、例えばひとつの事柄に関してネットの検索を3時間以上かけなくなる、本を読まない、論文を読まない、辞書を引かない、図書館にいかない、英語を読まない、教科書を読み直さない、標本を見ない、観察しない、自分と自分の理解を疑わない。
∧∧
( ‥)トンデモさんになりますよ、と
( ‥)物書きとか40代から
–□ 駄目になるっぽいからね
いや、考えてみれば全員そうか。会社員とか公務員が一見するとそうは見えないのは、組織内ゆえに彼らが最前線から管理職にまわるからだった。
∧∧
( ‥)フリーだと直に影響が出るから
40代から破滅していく
その過程が顕著に
見えるだけなのだと
(‥ )さらにいやな話なんだけどさ
体力の衰えを肉体と脳は
認識しているのに、
心がなあ、嘘つくんだよね
心ってのは脳という実体の影みたいなものなくせに、脳の演算を反映しているだけのはずだのに、しばしば自分に嘘をつきやがる。自分の心が一番信用ならん。自分に真っ先に嘘をつくのは、実はこいつだ。身近すぎるのであまりにも危険すぎる。
∧∧
( ‥)努力したからこれで良いはずだ
良いことなのだから良いはずだ
成果が出るはずなので
待てば出るはずだ
今までこれでよかったのだから
これで良いはずだ
(‥ )だのにそうならないのは
あいつが悪い、
努力しない奴が悪い、
俺を理解できない
お前が悪い、
こんなことも分からない
馬鹿だらけの世間が悪い
こんな世間を俺が
変えてやる。
いやあ、本当はそうじゃないんじゃね?
もう一度やり直す体力がないから面倒くさいという言い訳を使いましょう。
調べる体力がないから決めつけちゃいましょう。
状況が変わっているかもしれないけど、使い古した方程式を使いましょう。
うまくいかないのは全部他人のせいにしちゃいましょう。
だって、自分の責任にしたら、自分を見つめ直さなくちゃいけないし...
∧∧
( ‥)そんなことしたが最後、
自分をもう一度再調整するか
作り直さなくちゃいけません
( ‥)そんな体力、40過ぎた
奴に残ってなどいない
からな。
それでもなお、この状況に否と言うなれば、やるしかあるまい。望ましい形態への崩壊を。
∧∧
( ‥)再調整など夢のまた夢
もはや老いて
残骸にしかなれず、
しかも望ましい残骸に
崩壊することですら
膨大な体力が必要だ。
(‥ )自己の崩壊は阻止できない
遅らせるのが精一杯。
30過ぎた時点で、
人間に出来ることは
残骸になることだけだ。
そうではないか?
あるべき残骸になるか
あるいは
忌まわしき残骸に
成り果てるか?
選択肢は二つしか
残っておらん。
自分の崩壊をあるべき崩壊へと導く。
なればそのためにこそ、残されたすべての体力を投入するべき。
そして自分を愛するな。自分を愛すると望ましい崩壊が起きなくなる。