2012年7月18日水曜日
挫折できない人の物語
*のさらに続き
∧∧
( ‥)つまり?
( ‥)倫理、道徳、法律、宗教
信念、正義、いずれも
自分が正しいことを
標榜するルール
ああ、だが残念。ルールそのものは説明能力を持たず、君、遅かれ早かれ、説明できない現実に直面し、いずれ挫折の時が訪れる。
∧∧
( ‥)ところがどっこい
(‥ )ルールが正しい以上、
誤っているのは挫折を
自分に強いる現実なのだ
これ、論理的な帰結ね
ああ、悲し。挫折の時が来たのに、君は挫折することすら出来ぬ。
確かに、大前提からすると論理的な結論は確かにそうなのだ。正しい前提から導いた結論はすべからく正しい(論理的には)。ゆえに誤っているのはルールではなく、現実だ(論理的には)。なんといってもルールは正しいのだから。それが大前提ではなかったか?
∧∧
( ‥)正しい=妥当、では
ないですけどね
( ‥)安息日に火を使うなかれ
たとえ道徳的にある日
その時、エンジンが
不道徳であっても
内燃機関は動くのだ
宗教も倫理も道徳も、現実世界の有様とはなんら関係ない。信徒を糾合し世界の隅々まで人々を支配し、詭弁を無限にろうしてもなお、現実は人間をあっさり殺し尽くす能力を持っていて、祈りはまるで通用しない。
∧∧
( ‥)でもルールが正しいと
大前提した以上、
論理的に自分の誤りは
認めることができぬ
ありえない
(‥ )ならばっ!!
現実を否定するしか
ないのよね。
その結果は試行錯誤の放棄。
おう、それでは原理的に学べない。
∧∧
( ‥)自分の誤りを正せない
方針をより操作的な
方向へ導くこともできない
( ‥)自分が正しいのなら
賛成しない連中は悪
それは必然。
そして学べない
是正できない
∧∧
( ‥)えーっと、トンデモさん?
(‥ )まあ、痛い人だね
おう、悲し。人間の大半は、しかしそういう痛い人ではなく、もっとずっと日和見的で打算的で、はるかに実は頭が回る。そしてみんなざっくり演算すると見限って、痛い人から去っていく
∧∧
( ‥)残るのは、同じような
痛い人たちばかり
( ‥)そして運動は挫折し
なぜみんな裏切ったのか?
あいつらは馬鹿だからだ
誰かが陰謀をたくらんでいる
だからなのだ、すべては
他人のせいになる
自分は悪くない
大前提を疑えない以上、
想いと言葉は恨みつらみ
陰謀論と自己弁護と愚痴
の残骸に成り果てる
何度も何度も、幾人も、それはそれは大勢の人が同じように滅びていった。いつもそうで、これからもそうだろう。