2020年1月12日日曜日
外交とは根回し
アメリカによってソレイマニ司令官が倒されたのが1月2日(報道されたのは3日)
原油価格は1バレル62ドルから64ドル弱にまで上昇し、すわ第三次世界大戦か? という極端な煽り文句も飛び交った。
そして7日、イランはイラク国内の米軍に対して弾道ミサイルを発射。翌8日の原油価格は65・5ドル。
しかし両国どちらもこれ以上を望まず、軍事的な衝突はとりあえず回避され、原油価格も現在59ドルにまで下がった。
さて、こんな中の1月8日、11:50の速報で
「安倍首相 中東訪問を取りやめ」
の報道が流れたが
20:50に
「安倍首相の中東訪問 中止を検討」
という記事が流れた
∧∧
(‥ )でもtwitterでは
\− 最初の速報だけで反応が起きて
安倍は逃げた びびった
自分は逃げたのに自衛隊は
派遣するのだ! と
大騒ぎになりましたとさ
(‥ )AERAまで
この手のツイートを
参考にして批判記事を
書いてるけども...
書き手としては
感心しねえなあ
これって政治的主張を
隠れ蓑にした手抜きだろ
ともあれ、11日、安倍首相は予定通り中東訪問へ出発
∧∧
( ‥)あなたとしてはどう思う?
( ‥)んー 訪問って
−/ サウジアラビア
オマーン
アラブ首長国連邦だろ?
全部スンニ派の国だよな?
米国との緊張をとりあえず回避したばかりのイランから見れば、日本が敵陣営の国を訪問することになる。
この日本の行動はイランに対して喧嘩売ってることにならないだろうか?...と思って改めて調べると
∧∧
(‥ )安倍さん去年の6月12日
\− イランを訪問してるけど
これって日本の首相としては
41年ぶりだったそうですよ
(‥ )なんと!
これはうかつだったな
なるほど1979年の
イラン革命以来
日本の首相はイランに
いってなかったのか
イランの革命政府の立ち位置は反米、反西欧であったし、それは反西側ということでもあり、陣営的には日本とも対立する立場だった。
∧∧
(‥ )あれから40年が過ぎて
\− 国際的には難しい立場である
イランに初めて日本首相が
来てくれたわけだ
(‥ )イランからすれば
大きな得点
なるほど、日本とイランの関係は難しいには違いない。41年ぶり、革命以来初めての日本国首相イラン訪問。その真っ最中に日本のタンカーにミサイルが撃ち込まれたし、トランプ大統領はイランに対して強行だ。そして日本は中国と対立する以上、アメリカとの同盟が欠かせなくなっている。
さらに日本の石油輸入は1位がサウジアラビア 、2位がアラブ首長国連邦、3位がイラン、4位がカタール
サウジ、UAE、カタールはスンニ派で、3位のイランがシーア派。
日本はスンニ派とシーア派、対立陣営両方から石油を買っている。
日本の生命線である石油を守る。それは当然だが、どちらか一方に加担するわけにもいかない。
かように日本とイランの関係は難しい。
∧∧
(‥ )難しいには違いないけど
\− でも日本とイランの関係は
現状かなり前向きだね
去年イランの外相は2回
日本を訪問したし
安倍首相は6月にイランを
革命以来初めて訪れ
9月には国連で
ロウハニ大統領と会談し
ロウハニ大統領も
12月に訪日してる
(‥ )自衛隊派遣の決定と
米国の司令官殺害
イランの報復攻撃
そんなことが
起こった後の
1月9日にも
河野防衛大臣と
イラン軍需大臣が
電話会談しとる
日本の自衛隊派遣は、イランに根回しした上のものであること、明白だろう。
∧∧
(‥ )国連でのロウハニさんとの
\− 会談で安倍さんは
船舶の安全航行に
イランは責任を
負って欲しいと要請し
今回の自衛隊派遣も
イラン領海を含む
ホルムズ海峡では行動しない
要するにイランの顔を立てて
石油確保をするわけだね
(‥ )そこまで根回ししたのだ
次はスンニ派諸国に
根回ししないとな