2018年12月28日金曜日
まず総理から前線へ 心配性人間は必然発狂する
ネットは巨大な井戸端会議で、今や世界全体が井戸端会議となった。
一方、ネットは広大だわ...という指摘は事実である一方、人の話題は案外にせせこましく、そして有限で、同じネタが何度も何度もめぐりめぐってくる。
例えばさきほど見たのは、コピーライターの糸井重里氏がかつて作り上げたポスター
まず総理から前線へ
だった
ああ、以前にも回ってきたよなあ...
もちろんこれ、秀逸なキャッチコピーであると同時に、愚劣きわまりない内容でもある。というかこのキャッチコピーの目的は民主制の否定と破壊、選挙の打倒に他ならない。
もし一度でも、総理から前線へいってしまったが最後、もう二度と我々は今の民主制に戻れない。
なぜなら、これを一度したら、次からは前線にいって戦った者のみが総理になれるからだ。
要するにこのポスターがいっているのは、前線にいきたくない私たちは自らの意思で被選挙権を放棄します、という主張以外の何物でもない。
つまるところ民主制の放棄と破棄である。
いやはやみなさん、案外と簡単に自分の価値をお捨てになられる。
そして総理が前線へ行ったが最後、状況は一変するだろう。前線で戦った兵士だけが最高指導者になれるとは、最高指導者は絶えず前線で戦わなくてはならないことを示す。首相官邸というものは消滅するだろう。官僚もいなくなる。最前線に張り付いた、大本営と総理の取り巻き、戦友のみがすべてを決定する権限を持つだろう。
もちろん、それに不満がある人間は選挙には出ない。なぜって戦争していないからだ。前線にいない人間に被選挙権なんかあるわけないだろう?
つまり選挙したいなら戦争だ!
そしてこういう国家はかつて実際にあった。
∧∧
(‥ )ローマ帝国だよね
\‐ 選挙の代わりに
延々と内乱することになり
戦場を受け持つ皇帝の数が
足りなくなったから
四帝制にした軍事国家
(‥ )皇帝がいちいち
戦場へいかず
命令された将軍が戦い
宮廷の官僚団が
政務を処理する
そういう
今のような国になるまで
本当に何世紀も
かかったし
そうしてここまで来たのだ
内乱、戦争、粛清、処刑、暗殺、そういう無数の人命を犠牲にして、学んで、改良して是正して....、そうやってここまで整備した制度を全部かなぐり捨てて、まず総理から前線へ、と言い出しよる。
選挙の代わりに内乱を、首相の代わりに皇帝を、国家を再び軍人皇帝制に戻そう! こんなポスター、暴挙、愚劣以外の何物でもない。
∧∧
( ‥)まあでもそんなこと
どうでもいい話で...
( ‥)なんでこのポスターに
‐/ 共感する人が
出るのだと思う?
考えてみればおかしな話だ。
国を守ろうと言うと、そんなに戦争をしたいのか? と叫び、戦争となったらお前が前線にいけ! と絶叫する。
いちいち主張が飛ぶのだ。
この飛んじゃう飛躍な心理は何か?
∧∧
( ‥)なによ?
(‥ )単に心配性なんだと
思いますけどね
あるいは、より正確に言うと、ストレスに非常に弱いのだと言える。
考えてみれば、防衛を戦争開始ととらえる人は、概して反原発だ。なぜか?
∧∧
( ‥)心配性だから
( ‥)ベクレルで測るような
‐/ 放射線で
パニックになるとは
そういうことだよね
残念ながら心配性の人の声は多数派になることはない。そもそも皆より心配の性質が強いとは少数派であり、少数派であれば政策に声が反映されない。かくて心配性の人は発狂するのである。そりゃ心配性だけに。