2018年9月11日火曜日
自分の打算の決壊を見てびっくり仰天!!
2018年9月2日、資金不足に陥っていたブラジルの国立博物館がぼーぼー燃えて、人類史や文化史の各種文物がほとんど焼失。
予算がどんどん削られて、博物館の標本や資料を守れない。そういう声が内外、海外、日本を問わず上がるのは当然であった。
ここで皆様に名案だ!
今すぐ研究者一同、辞職、解雇して、その浮いた分の人件費で必要な改修を行なおう!
なに永久解雇ってわけじゃない。失職期間は10年。
学問にその身を捧げた諸君であれば、この決定に両手をあげて賛成してくれると思う。君らの自己犠牲は後世、おおいに讃えられ、銅像が建てられるであろう。
ではただちに解散! 諸君! 10年後に会おう!!
∧∧
(‥ )...なんてことを
\‐ 研究者や事務職の人が
やるわけない
(‥ )やったところで
何になるんだ?
と言う話だな
1人あたりに、平均で年間300万円を支払っているとする。10人の研究者や事務職員を一旦、解雇すれば年間3000万円の経費が浮き、10年あれば3億円になる。
3億
3億!
∧∧
( ‥)たった3億かよ!!
( ‥)たった3億なんだよな
‐/ しかも即座に3億が
ぽんと出るわけじゃない
10年で3億だ
そもそも10人の人件費を削るとは、必要な10人を雇えるだけでしかない。
しかも実際には補修やらなにやらの機材、備品、材料、発注が必要なので...
∧∧
(‥ )10人の専門職を粛清して
\‐ 手にできるのって
せいぜい1、2人の
改修作業と保全要員
最低限の補修に必要な
材料の購入費だけだろ
(‥ )だからこんな提案は
誰もしないし
誰も取り合わないよね
だが、これは同時に皆の脳内に次の判断があるということを示している。
本音で言うとー 標本や文物よりも自分の雇用の方が大事だよねー
これは批判ではない。ただの事実だ。怒るようなことじゃない。単なる当然の打算であり、現実だ。
∧∧
(‥ )そして誰もがこういう打算で
\‐ 判断を下し
行動をしている
それは当然である
批判されることではない
だがしかし
これを忘れてはならない
(‥ )忘れちゃいかんのだ
こういうところから
亀裂が入って
決壊するからな
別に研究者に限ったことじゃない。会社員であろうが公務員であろうが自営業者であろうが政治家であろうが同じだ。
自分の脳内の打算に自覚的にならないと、そこから走るひび割れを前になすすべがないだろう。
この世界は人間の無自覚な打算で成立している。それゆえに、すべては望まず、しかし消去法で選んだこと。だが無自覚ゆえに、人は自分が選び取った結果を見て絶望する。