2018年6月13日水曜日
人口構成とくたびれた家と燃えるおっさん
夕方、散歩に出かける。
すれ違うデイサービスの
∧∧ 送迎車たち〜
( ‥)
‐( ‥)ここらへんは
古い住宅街って
ことだな
町外れの方まで散歩して、先日立ち寄った公園で休もうとしたら子供だらけで賑やかった。
ここら辺は新興住宅地
∧∧ なのでしょうなあ
(‥ )
‐( ‥)子供を迎えに
親が車で来とる
デイサービスの車と、子供を迎える親の車。ほんの3キロ程度で人口構成がまるで違っていることがうかがえる。
途中でなんともおかしな家があった。うねうねした用水路と区画から、50年ぐらい前に造成されたと思わしき住宅地。寺もあるから古い村の中核だったんだろう。そこに軽井沢のペンションのようなこじゃれた家があった。Yの字に流れる用水路に挟まれたその家は、とんがった狭い庭にうっそうと大木が生えて、住宅地の中に突然現れた場違いな保養地のように見えた。
それにしてもずいぶん
∧∧ 古い家ですな手入れも悪い
(‥ )
‐( ‥)軒先きの合板が
くたびれて裂けて
短冊みたいに幾つも
垂れ下がっとる
最初は鮮やかな赤紫色であったろう屋根も、今ではすっかり色あせて、くんだピンク色だ。まるで廃屋のように見えるが、どうやらまだ人が住んでいるようだ。しかしそれ以上に印象的だったのは、その家の左右東西で道が切れているということだった。東西それぞれに道はある。しかしそれぞれの道はその家とその周辺の家屋に塞がれるように、東西で各々途切れていた。
古い集落の道と
田んぼが造成されてできた
∧∧ 新しい道がつながってないのだね
( ‥)
‐( ‥)個人がそれぞれ売った土地を
各自バラバラに
造成していくと
こういうことになるという
見本だな
そして帰り際に見た風景と声。
ダメだよ! こんなところで火を焚いちゃダメだよ! と、おっさんの声。
比較的新しい住宅地の一軒家の玄関先で旦那とおもわしき声があがり、煙がのぼる。
どうも空の灯油缶で作った焼却炉に何か入れて、派手に燃やしているらしい。
ああ、なるほど、家の前で火を焚いてはいかんよな、と思っていると
近いよ! 近すぎるよ! プラスチックに近すぎるよ!!
あーん? あなたのお宅と玄関先のどの辺がどうプラスチックなんですかね? 歩きながら覗き込んで見ても、一体全体何がそんなに問題なのか分からなかった。玄関が問題? 灯油缶から十分遠いよね? 玄関前にアクセントを添えるその白い柱が問題? それがプラスチックなんですかね? そうは見えませんなあ。
意味が分からないのは旦那に言われた奥さんも同じであるらしく、眠そうな、妙に能面っぽい顔の奥さんが、棒切れを使って火が立ち上る灯油缶の中身をごそごそとつつくと、燃やている藁とおもわしきそれが灯油缶から浮き上がり、ごごごごごごおおおおおーーーと火が立ち上る。
だめだよ! だめだよ!
声が上ずるが、おっさん、自分では何もしない。眠そうな能面みたいな奥さんがつついて燃え上がった炎の熱が、こちらにも伝わってくるこの有様よ。
藁は表面積が多いから
∧∧ 一瞬、燃え上がるからな
( ‥)
‐( ‥)おっさん
非常時と思ったら
自分でやらなきゃ
意思伝わらんぜ
慌てるおっさんを後に家に帰る。