2018年6月13日水曜日
実感もって火星スケッチ
∧∧
(‥ )台風5号が列島の南を
\\‐ 通過して
⊥ 梅雨前線が崩れて
ちょっとだけ晴れ間が
広がって...
(‥ )一瞬だけ雲の切れ間から
火星が見えたな
スケッチするような時間はなかった。というか、スケッチのしようがない。
気流がめちゃくちゃ悪くて、ピントがあっているのかもよくわからない状況で、そしてそもそも、何も見えなかった。
∧∧
(‥ )何も見えませんぞ
\\‐ エリスラの海
⊥ サバ人の湾
真珠湾
アキダリアの海
見えてしかるべきものが
何にも見えませんぞ
(‥ )というか
極冠すらわからん
ただただ真っ黄色だな
気流が安定した時に見直さないといけないが、ダストストームがますます成長して何も見えなくなっているのかもしれない。
∧∧
( ‥)でも極冠まで隠されますかね?
( ‥)どうなんだろうね?
‐/ 単に気流が悪すぎて
極冠が見えないだけ
かもしれないし
天気が回復したら
要確認だなあ
火星は妙にギラついて見えたが、それは雨が降った後の綺麗な空気のせいだったかもしれないし、あるいは砂嵐に覆われて火星が明るくなったせいかもしれなかった。
∧∧
(‥ )それにしても今時
\‐ 火星のスケッチなんか
描いている人ってそうは
いないよね
(‥ )昔は気流が安定した
その一瞬を記録できる
眼視スケッチは
巨大望遠鏡の写真より
すぐれていると
言われたもんだがな
だが今や動画撮影の要領というか、撮影された何百、何千という画像フレームを自動で適切につなぎ合わせるアプリがあるそうで、アマチュアでも機材さえそろえれば非常に鮮明な写真を撮影することができるし、そういう画像が普通に投稿される昨今だ。
∧∧
( ‥)それでもスケッチするか
( ‥)俺はスケッチしないと
‐/ 把握できない人だし
それに
それに、眼視でスケッチすれば火星の運河が見えるかもしれないではないか。
∧∧
(‥ )でも火星の運河が見える人
\‐ 見えない人って
生まれつき、遺伝的に
決まっているんでしょ?
(‥ )そうみたいだな
俺はどうも
見えない方みたいだが...
*色の微妙な違いはわからないが、違いの境界線の信号を強く拾う人がいる。そういう人は火星の色合いのかすかな面と面の間を線として認識する。実際、運河という名称を提案したスキアパレリのスケッチは、現在の探査機の画像と比べるとかなり正確だ。ただし実際の模様の中に、色味の境界線が混ざっているのである。
∧∧
( ‥)ずーっと望遠鏡を
のぞいていると
目が疲れて運河が見えるかと
思ったけども
そうじゃなかったのは
残念だね
( ‥)でも昔の火星のスケッチが
‐/ なんで妙に
幾何学的なのか
それは実感できたな
ああいう風にしか
描けないんだよね
なにか、もこもこした構造があるのはわかる。気流が安定した一瞬、複雑な模様が見える。例えばガンジス運河近辺なら、北アメリカの海岸線のようなかすかな明暗が分かる。こういうのはいわゆるフラクタル図形のようなものなんだけど
∧∧
(‥ )わかるけどそれをどう
\‐ 描けばいいかというと
それが難しい
(‥ )しかも人間って物体を
単純な幾何学図形の集合で
認識するように
できてるからな
勢い、どうしても
幾何学的に描いてしまう
わけなのよ
∧∧
( ‥)あなたのスケッチでも
六角形とかひし形や
線が十字に
交差している部分とか
あるからね
( ‥)昔の人のスケッチ見ると
‐/ 円に十字模様
五角形や
五芒星を描いている人も
いるからな
∧∧
(‥ )でもそういう幾何学模様は
\‐ 複雑な模様を見ても
そのまま描きようがないから
そう描いているだけのもの
そう見えていると解釈した
結果でしかないのだろうと
(‥ )火星地図とスケッチで
業績を残したフランスの
アントニアジは
運河は気流が良い時に
一瞬複雑な
断続したまだらに
分解できると言ったけど
あれこういうこと
だったんだな
∧∧
( ‥)実際にスケッチすると
そういうことが
分かりますよと
(‥ )実感もって分かりますのよ
*火星の運河は単に細長い模様につけられた枕詞みたいなものなので、これ自体は実在する。ただしスキアパレリなどが見た運河の中には実在する模様ではなく、色味の違う領域の境界線が含まれていた。だから実在する運河としない運河がある。アントニアジが断続したまだらに分解できると言った運河は実在するものの方。