2018年5月29日火曜日
忍者 地形をゆく
赤ずきん:森にあるお婆さんの家へいく
白雪姫:森の奥へ逃げ落ちる
ヘンゼルとグレーテル:森の奥へ捨てられる
∧∧
(‥ )西欧の話って森の奥へいくし
\‐ そこに異界があるって話でも
あるよね
(‥ )森の奥には
小人や魔法使いがいる
赤ずきんの狼も
本来は人狼
つまり怪物であった
とも言うしな
ワルプルギスの夜は森の奥で乱痴気騒ぎだし、今でもドイツとかでは良からぬパーティーを森の奥でする輩がいると言う。ドラッグパーティーだか乱行パーティーだかは知らないがそんな噂。
∧∧
(‥ )日本ってそういう世界観では
\‐ ちょっとないよねえ
山奥で狼や山姥に遭遇する
あるいは
峠を越えようとしたら
化け物、追い剥ぎ、強盗に
出会ってしまう
あるいは廃寺の一夜など
そういう場面だよね
(‥ )多分、地形の違いだよな
西欧はかなり平坦で
起伏はなだらか
森も氷河期の後の
冷涼な気候のせいで
植生は貧弱で開けていて
奥まで歩ける
反対に日本は山だらけで
高温多湿で容赦なく
植物が繁茂して
歩きにくいし
使える平地は使い尽くし
山奥にあるという
平家の落人の隠れ村も
所詮は村なのよね
そして起伏が激しい土地ではワルプルギスの夜は無理だろう。さあ山に登って乱行パーティーだ! なんてことをする体力のあるやつは、そうはいない。
そして考えてみれば、これ、中世のキャラクターに対する受け取りの違いにもなりうるだろう。
∧∧
( ‥)ロビンフットは森の奥に隠れる
義賊...
というか強盗団というか
野盗ですけどね
でも
森に隠れて出撃して
悪い領主をこらしめる
神出鬼没のゲリラ戦士の
その有様は
森に住まうエルフのよう
(‥ )日本でそれ無理なのよね
日本の忍者は戦国時代に
傭兵していた
おっさんたちなのよね
忍者って、あなた達にとってどういうイメージなの?
中世のファンタジーみたいな感じかな。
えっ? そうなの??
えっ? 日本人にとって忍者ってどんなイメージなの?
忍者は...フリーランサー、傭兵だし、それでスパイ活動や撹乱もしたから、フリーのグリンベレーみたいなもんだけど。
えっ? そんなダーティーなイメージなの??(忍者が)
えっ? そんなダーティーなイメージなの??(グリンベレーが)
∧∧
(‥ )なんて会話をオーストラリアの
\‐ 人相手にしたことあったし
その話は前にも書きましたけど
(‥ )欧米人にとって忍者って
もしかしたら
ロビンフットの
アジア版みたいに
感じるのかもしれないな
勝手な想像だけども
そんなもんかもしれん
ロビンフットが緑の服を着るのは迷彩のためだ、とも言うが、忍者が黒づくめなのは、忍者が夜のロビンフットなのだ、と解釈すれば、なんとなくわかるようにも思われる。
∧∧
( ‥)でも忍者そういうのとちがーう
( ‥)日本じゃ
‐/ 森の奥に拠点を作って...
なんてことは無理で
どれだけ山深い里へ
隠れたとしても
所詮は平地の村だからな
森に隠れればゲリラ戦ができる西欧と、どこまでいっても村という社会の一員である日本。だったら義賊ではなく金儲けのための傭兵家業ということになるだろう。
これは立ち位置が似ているようで、実は随分違うのではなかろうか?
∧∧
(‥ )そしてそれは地形の違いを
\‐ 表しているのではないだろうか
(‥ )当てずっぽうだけど
念頭に置いておくのも
一興だな