2018年4月9日月曜日
シラーかく語りき
∧∧
( ‥)例えばの話
( ‥)ガリレオが
‐/ 天文対話を出す時
なんで誰も
止めなかったんだろうな?
宗教戦争の真っ最中にローマ法王を馬鹿にする本を大衆が読める言語で書くというのはまともじゃねえ。
∧∧
(‥ )まあ、ちょっと来なさいと
\‐ 言われますわなあ
(‥ )というわけで
その宗教戦争
つまり三十年戦争の本を
買ってみた
三十年戦争史 シルレル著 岩波文庫
シルレル? 表記はSchillerで、読みは今ならシラー。個人的には初めて知る人物だが、ドイツの有名な詩人で劇作家だそうな。そして翻訳本の刊行は...
∧∧
(‥ )昭和17年??
\‐
(‥ )古い訳でなあ
国名が基本的に漢字なんで
スペインも西班牙って
書いてあるんよねえ
舊教ってなんぞ? と思ったら旧教のことだった。
∧∧
(‥ )くさかんむりの下に
\‐ ふるとり(隹)ですか
その下に臼で
古い、きゅう
を示す漢字
くさかんむりの14画だね
(‥ )加特力でカトリックです
そしてシラーが説明するに、君主たちがプロテスタントになった動機のひとつ。それは
国内における治外法権の撤廃
教会関係事項における最高権力
ローマへの財貨流出の防止
僧院の豊富なる没収品等の利益
∧∧
(‥ )なんかすごく生々しいぞ
\‐
(‥ )正当な理由だね
物事には理由があり
それは打算である
とはいえ宗教は熱狂を生み出し、熱狂は通常の打算を超えた結果を作り出す。それが事態を大きく変えた。そうなれば確かに大戦争だ。そしてこの戦争の最中にガリレオとケプラーは亡くなる
∧∧
( ‥)そしてこの戦争が終わる頃
ニュートンが生まれて
彼が研究者になる頃には
もう地動説
( ‥)何があったんだろうな?
‐/
例えば考えてみる。宗教戦争の途中でローマ法王を馬鹿にした本を書いて、結果的に学問弾圧という悪手をカトリックに引き起こしたガリレオ。彼の存在と地動説はカトリックを嘲弄する武器になったであろうか? そうすれば地動説は広まるであろうか?
∧∧
(‥ )でもプロテスタントは
\‐ ルターがコペルニクス批判を
行ったように
聖書の記述主義だから
地動説万歳に単純に鞍替えする
わけでもないんだよね
(‥ )それにこの理屈だと
カトリックはずーっと
天動説のままだった
ことになるけど
あまりはそうは
思えないんだよなあ
まあこの世の何事もそうであるが、なかなかに謎なのだ。