2018年4月24日火曜日
世界は機械的に把握されるべきだ
ふと思い出した、湾岸戦争当時、日本に来ていたイラン人と話をした。
彼によると中世イランの礎を築いたシャー・イスマイール。サファビー朝の創始者は人気がないんだそうだ。
∧∧
(‥ )理由を聞いたら
\‐ 負けたから
なんだよね
(‥ )冷酷者のあだ名を持つ
オスマントルコの
セリム1世に
負けたからな
シャー・イスマイールを崇める配下の熱狂的な騎馬軍団、その怒涛の突撃でもイエニチェリ軍団の銃列は破れなかった。半世紀ばかり後、日本で起こる長篠の戦いを彷彿とさせる敗北がイスマイールを待っていた。
∧∧
( ‥)でも負けたらダメですかあ
( ‥)アラブ人も同じなの?
‐/ と聞いたら
あいつらのことは
よく知らんけど
同じだと思うよ
と言ってたな
時まさに、湾岸戦争で手痛い敗北を喫したフセイン大統領が、我々は米軍に勝利した! と高らかに宣言していた時期である。
∧∧
(‥ )アラブ人とペルシャ人
\‐ 仲悪いんだけどねー
それでもそういう世界観は
同じなのね
(‥ )同じ地域にいたら
同じ戦略をとらないと
ダメだから
行動や思想が
収斂しちゃうんじゃね?
さてもさても、それを考えると、シリアのアサド大統領も同じなんだろう、と予測が立てられる。
∧∧
( ‥)多数派アラブの民主化運動が
起こった時
彼は負けるわけには
いかないので
一切引かずに強硬手段に
訴えざるをえませんか
(‥ )事実してるしな
うまく説明できとる
世の中、説明することよりも価値観を優先して物事を理解、解釈する人は多いが、それはつつしむべきだろう。
そして単純に説明できる仮説は状況を把握し、見極めるのに役立つはずだ。
∧∧
(‥ )価値観を優先して
\‐ 物事を理解把握してしまう人ね
(‥ )先日亡くなった高畑監督
左翼の彼が生前に
今の安倍政権が
倒れないのが不思議だ
と語っていたのは
どうも事実みたいだけど
そういう理解はするなって
ことさ
今の政権が倒れないのはなぜか? 倒れない方が良いと思っている人の方が多い。あるいはこうだ、
∧∧
( ‥)今倒れたら
大変なことになると
恐怖する人の方が多い
(‥ )前の安倍政権を倒して
気軽に野党に任せたら
経済ガタガタに
なっちまったからな
忘れられねえんだよ
それを忘れて語れるたあ
どこが労働者の
味方なんだろうな?
マルクス主義者は
郷愁だけに生きる
道楽親父かよ
なぜ倒れないのか不思議だ、ではない、倒れない状況を無理なく、機械的に冷たく冷淡に無機的に説明できる仮説を考えなければいけない。
熱くなるな、心を殺せ、感情など捨ててしまえ、人間は道具ではないが存在としては機械と同等だということを思い出せ。魂を殺せ。そんなもの存在しないと直視しろ。さすればもう少し正しい理解が手に入るだろう。