2018年1月9日火曜日
地獄にも色々あり、人によっては理想郷に見える
生は不自然な存在であり、命ある人間が作った社会も無理をして維持したまがいものにすぎぬ。無理矢理維持しているから、それはどうしてもゆがんだものとなる。
∧∧
(‥ )こんな世界に理想郷など
\‐ 存在するわけがなく
ここでないどこかに
理想の国があるとは
たわごとにすぎない
(‥ )しかし命は
不自然な存在ゆえに
生が苦痛で飽和する
だから人は逃げ場を求め
痛みの少ない
理想郷を夢見る
しかし理想郷は
原理的にありえない
これに対し
ラノベは異世界に
大宗教は死後に
理想郷があるとして
矛盾を解消した
だがもうひとつ手がありうる。人間の作った社会はその有様が複数。つまり同じ地獄でも自分向きの地獄がありうる。
∧∧
( ‥)先日、日本の死刑執行に
異論を唱えて見せた
フランス大使
(‥ )これはだよ
西欧は正論人間向きの
地獄だって
ことじゃないかね
今を遡ること1700年前、初期の膨張を終えたローマ帝国。
もはや国境の向こうにあるのは略奪しても価値が無い不毛なドイツと、そこにすむ低賃金で攻撃してくる蛮族ゲルマン。
次々侵入するゲルマンを次々に打ち倒しても帝国に金が入ることはない。むしろ流出と消耗が多くなるのは当然。
このせいなのか、ローマ帝国は後半に入ると色々な宗教政策をとるようになる。
考えて見れば当然で、苦闘の中で消耗戦を勝ち抜くにはイデオロギーや宗教の熱狂が必要だ。
皇帝は色々なことを試みる。現人神である皇帝崇拝を強化してみたり、あるいは皇帝はジュピターであり、それを補佐する副帝はヘラクレスであるとしたり...
∧∧
(‥ )そうしてついに
\‐ キリスト教帝国になる
(‥ )キリスト教の戒律に
沿って行動する
戒律に沿って行動すれば
それで良い
非常に悪く言うと
西欧って
人間が相互作用する社会
ではなくて
プログラムされた
ロボットの社会に
変質したのよね
ロボットも相互に調整し合うことは可能であるから、この場合、西欧の社会は並んだ時計だといった方がいい。
例えば時刻があった時計は、各々孤立なまま、相互に交流がなくても同じ時を刻めるし、少しチクタク音をずらせば、華麗なリズムをオーケストラのごとく奏でることもできよう。
∧∧
( ‥)でも実際にはただの
バラバラな個物の動作が
そろっている
だけでしかないのである
(‥ )こういう社会だとさ
人間同士の配慮とか
推し量りがないから
あるいは希薄だから
相手の社会や状況を
ふまえずに
自分たちだけの
原理原則をふりかざして
ずかずか土足で
踏み荒らすような個体が
有利になるよな
∧∧
(‥ )フランス大使が日本の
\‐ 死刑執行に苦言を呈するのは
そういう結果だろうと
(‥ )日本みたいに人間の
相互監視と距離感で
成り立っている社会だと
家は家だけど
よそはよそだから
口をつぐむよね
無論、これはこれで問題ありである。相互監視で秩序が保たれる一方で逃げ場がないし、家庭問題の介入に及び腰、というか無視する傾向が強いだろう。
つまり人間の相互監視と調整で成り立っている社会と、人間が孤立したロボットとしてプログラム通り集団でダンスしている社会。
このどちらが良い悪いとは一概には言えない。というか人間が作り上げる世界だ、どっちも地獄だろう。
∧∧
( ‥)ただし人によって向き不向き
有利不利があるだろう
(‥ )多分、西欧ってさ
集中力があって
学力はあるけど
空気読めない
賢い欠陥人間向きだと
思うのよね
相手のことを考えず、孤立したロボットが根拠無き正論を神の理論だとふりかざして他人を殴りつけて歩ける社会。そうであればそういう結果をもたらすだろう。
∧∧
(‥ )それがフランス大使の
\‐ 死刑遺憾発言ですか
(‥ )というかEUは
その手の人間に
乗っ取られやすい
社会だと思うけどね
孤立した個人の社会でも家族や地縁が強固であれば人間関係にしばられる。しかし豊かになって自由化が進めば、それは希薄となる。そして主権国家の権力を制限した国家共同体。
この中では、集中力があって学力があって、その対価で空気を読めない賢い欠陥人間たちが顕著に優位となるだろう。
∧∧
( ‥)それが今のEU?
(‥ )当てずっぽうだけどよ
移民の流入で大勢が
困っていて
右翼政党よ助けてくれと
民衆の得票を
伸ばしていても
リベラルたちは
それは愚民の無知蒙昧と
あざけり笑い
己の学力と経済力を
誇示しながら
頑として
権力を掌握しているべ
それを考えると、リベラルと呼ばれる人間が、EUやドイツを地上の理想郷とあおぐことも説明できるように思われる。地獄にも色々あって人それぞれ向き、不向きがあるだろう。