2017年10月7日土曜日
だって押しの芸人さえいれば喜ぶのだから合理です
先日、ネットで見た話。
今の視聴者はね、ドラマの筋書きがひどくても、好きな俳優が出ていれさえすれば、きゃっきゃ喜んでくれるんですよ。
そうあきらめ顔でぼやくドラマ制作者。
これを聞いた人は、人によっては憤る。それは、物を作る人間の態度ではない! と
∧∧
(‥ )あなたとしては
\‐ どうなんだ?
(‥ )ん? これは
物作りとしては
非常に正しい認識だな
視聴者は馬鹿だから、そんな質の良いものを作ってもしょうがないよ。なんだこれ? というゴミみたいなものを作って投げ与えれば、きゃっきゃ 喜んでくれるよ。
このあきらめと諦観はおおむね正しい。
作り手側はこれは金になる! そう思っている。つまり出だしからして収入があるわけで、創作物を理解し把握する時、脳に100の投資を与えることを躊躇しない。
これに対して、消費者は金を払う立場である。つまり出だしからして出費がマイナス、赤字なのである。これゆえ、消費者は創作物を理解し把握する時、脳に5の投資しかしない。
∧∧
(‥ )だから作り手側が
\‐ 消費者が脳に10の
投資さえすれば
理解できる簡単なものを
作ったー!
と思っても
それでもなお消費者には
難しすぎるのである
(‥ )せっかく作ったものが
売れなくて
ゴミかすみたいなものが
売れてしまう
この現実を前に
作り手は皆
心が折れるのさ
具体的に言えば、ドラマなんてな筋書きが破綻しててもいいんだよ。視聴者は好きなアイドルさえ出ていればそれでいいんだ。そんな醒めたことを言う先輩に逆らうように作ったものが売れず。先輩の言った通りのものがそこそこ売れて社内的に評価される。
こうして作り手は心の底から消費者を憎むようになるのだ。
消費者は動物程度の知能しかない、それが創作において基本とするべき絶対的な方針なのである。
∧∧
( ‥)でっ? 以上を踏まえますと
( ‥)世間の人は今
‐/ 民主党を
大批判しておるけども…
つい先日まで民主党は改憲反対! 安保反対! と言っていた。ところが凋落著しい彼らの新党首は改憲、安保の希望の党に合流することを提案し、あろうことか全員一致でそれを了承。
しかし改憲反対、安保反対のリベラルは排除します、という希望の党の当然の方針に、排除確定となった一部議員は怒った。こうして、いらない子です、と言われた彼らが改憲安保反対のリベラル政党を立ち上げる。
∧∧
(‥ )...まあ批判されるだろうな
\‐
(‥ )いやでもさ
政治の消費者である有権者は
いちいちそんなこと
気にしていないよね
有権者が馬鹿だから? まあそうかもしれない。
というかより正確にいうと色々読むのは面倒くさいので、政策ではなく自分の好き嫌いで人は投票先を決めているだけなのだ。
つまり有権者にとっては、彼が自分の押しかどうかが問題なのだ。
自分の押しの議員が何をいおうが、政党や主張や信念の筋書きが雑であろがそんなことどうでも良いのである。民主制において議員は芸人にすぎぬ。特に直接民主制の議員はそうだ。なれば、消費者である有権者は押しの議員に投票するだけだし、そのことを議員たちもよくわかっているはずだ。だって、その投票を勝ち抜いてきた人たちなのだから、誰よりもよく身にしみて分かっているはずだ。
∧∧
( ‥)つまり希望の党へ合流も
でも〜リベラルは排除ね♡
という小池さんの要望も
そっそれならリベラル政党を
つくっちゃうんだからね!
という判断も迷走も
行き当たりばったりも
全部正しいのだと
(‥ )全部正しいのです
確かに
信念ナッシングかもだけど
あれは正しいのですよ
もちろん、正しければ当選できるというわけではないのだが、政治家の行動にはあきらめという実体験の動機があることは認めねばならない。
つまり、皆から嘲弄される民主のごたごた。解党、合流、排除、新党結成。これらはすべて押しの芸人さえいれば取りあえずコンテンツとしては成功できます、という原理原則にそった合理の判断である。このことは直視せねばならぬ。
∧∧
(‥ )あんまり馬鹿だアホだ
\‐ 信念無しのくそ野郎だとか
そんなことを
言っちゃいけないし
それを選ぶ有権者が
いけないのだ
有権者は
もっと勉強するべきだとか
そういうことも
言っちゃいかんのだと
(‥ )いってもいいけど
現実の挙動が
そうなのだから
現実に踏まえた対処を
否定するだけでは
前に進まないのは
確かなのよね
そこは評価せんとな
∧∧
( ‥)でっ? あなたとしては
どう思うんだよ
(‥ )最低だと思いますよ