2017年2月5日日曜日
すべての思い出が色あせる
昨日のテレビで風俗の待合室を見たらよう、おっちゃんたちが本とか雑誌を読んでるのよ。なんかもうおかしくてさ、これからエッチなことするんだろ? なんで真面目に本なんか読んでるんだよ。
∧∧
(‥ )あなたが高校生の時の
\− 会話だよね
(‥ )会話っていうか
あいつがそう言った
だけだがな
∧∧
(‥ )正論なんですかね?
\−
(‥ )さあ?
∧∧
(‥ )...何を読めば
\− 良いのですかね?
(‥ )さあ?
ただ、次のことは言えよう。風俗の待合室で、この場合これは、知らない客同士が合同の待合室で一緒になるということなわけだが、その時、なにもせずに周囲を見るというのはお互い気まずい。これは確かだ。
∧∧
(‥ )なんでもいいから
\− 読んでた方がいいですね
本を読んでれば
私はあなたに興味は
ありませんし
詮索しませんよ
という意思表示になる
(‥ )あいつ
こういうことまでは
頭回らなかったのな
∧∧
(‥ )そりゃ当時、高校生ですからね
\−
(‥ )またひとつ記憶が
くだらなくなったな
まあ元からくだらない
記憶だったんだが
かすかに残っていた
燠火(おきび)が
白い灰に成り果てる
感覚だな
∧∧
(‥ )なんでこんなことを
\− 思い出したのよ?
(‥ )脳の配線がぱーん
したんじゃね?
どこかが発火したんだよ
∧∧
(‥ )...まことしやかな噂では
\− 人体が崩壊する死の瞬間に
すべての記憶が発現すると
言われますけどね
(‥ )脳の配線がぱーんして
すべての記録が
死の瞬間
崩壊の間際に
必然的に決壊
溢れ出すってか?
根拠皆無で
観測不可能
信用ならん話であるが
それが本当なら
死ぬってのは
嫌なものだな? ええ?
∧∧
( ‥)どうします?
( ‥)残りの人生のすべてを
−/ かけて
すべての記憶を
取るに足らない
色あせたものに
しようではないか
我が記憶のすべて、取るに足らないくだらないものに書き換える。それならもう何も残るまい。
すべてがくだらない灰に崩れるとは、残りのすべての人生を賭ける価値があるだろう。