2016年11月9日水曜日
緑の髪の愛しい君
∧∧
(‥ )モデルは19世紀の服で
\− この上着はなんですかね?
ジーンズですか?
色はインディゴ?
(‥ )いくら19世紀っぽい
服飾だっていっても
所詮は現在のコスプレだろ?
インディゴでも
おかしくないべ
しかしだ、太陽光線のもとで見る分にはいいが、イラストにすると上着が単純なジーンズ地というか紺色ではちょっと厳しい。
現実世界は太陽のぎらつく光の下、あらゆるものが、地味な色のものまできらびやかに輝いている。
しかしイラストは人工照明の下で見るものなので、日常の色と配色では印象が弱くなってしまうのだ。
ぎらつく力をイラストで再現するには現実よりも派手な色を使う必要がある。これは印刷においても重要なことだ。
∧∧
(‥ )では紺色を
\− 明るい紫に変えましょう
(‥ )このキャラは
死を象徴するから
顔色は悪くしよう
白に近い色にして
髪の毛は銀髪かな?
ああ、駄目だ。銀髪は明るい白と暗い影と中間色の紫があるから映えるのだ。
∧∧
( ‥)そんな手間はかけられないな
( ‥)じゃあ緑だな
−/ 緑は生命の色であるが
それはあくまでも
葉っぱの緑の場合だ
薄い緑や青の肌は、しばしば死を司る者に与えられる色である。
そして、白い肌、緑の髪の毛、紫の上着…
∧∧
(‥ )...これバットマンのジョーカー
\− じゃね?
(‥ )やべーっ!!
というわけで急遽、髪の毛をピンクにする。
∧∧
( ‥)ピンクの髪って
生命力を連想させるのでは?
アニメの主人公ってしばしば
髪の毛がピンクだよ
(‥ )肌が白くて髪の毛ピンクの
おっさんを見て
生命の息吹を感じる
奴なんておらんだろ
これならジョーカーにはなるまい。実際、髪の毛をピンクにした途端、ジョーカーっぽい印象は消えた。
白い肌と紫の上着はそのままだが、他はもともと全部違う。
∧∧
(‥ )黄色のネクタイに
\− ピンクのズボンと
金色のボタン…
ジョーカーさんとは
ずいぶん違うね
(‥ )ならばこれで良し
それにしてもあれだ、先日のガンダムの件、つまり白地に赤黄青の三原色という単純だが派手で目立つ効果的な色付け、というのもさることながら、先人たちはありとあらゆる効果的な試作をすでに行っておられる。
事実、改めて見ればジョーカーは実に素晴らしい配色だ。画像検索をかけて眺めれば、ため息がでるほど美しく効果的である。人気が出るわけだ=>https://www.google.co.jp/search?q=batman+joker+comic&biw=985&bih=668&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwjkp6WdgprQAhXEF5QKHWr-A4YQ_AUIBigB
∧∧
( ‥)そしてこれは
創作において
あらゆることがすでに
試みられている証拠なのである
(‥ )やれやれ俺たち後発組にも
それなりな苦労があるって
ことよなあ
先発組にはジャングルを切り開くような苦労があったろうが、後から道を歩く者にも悩みはあるものだ。
∧∧
(‥ )もっと色彩と配色を勉強…
\− というか知るべきですなあ
(‥ )勉強って言葉は小賢しいが
そうだな
もっと見方を変えて
世界を見てみよう
そして、自然と生物を見るべきなんだろう。
∧∧
( ‥)生物界はありとあらゆる
色彩構成と配色を
必然と美意識にそって
進化させてきましたからね
(‥ )この新たな仮説でもって
もっと世界を
観察しろってことだ