2016年10月25日火曜日
檻には維持費があるし、そりゃ義務でしょ?
∧∧
(‥ )日本軍の兵站ガーとか
\− そんなことを言う暇が
あったら
自分の人生の兵站を
心配考察するべきである
(‥ )でもそれをしない
それこそが社畜というのだ
だってそうだろう? 兵站ガーとか言いながら、自分の兵站の心配をしない。それはとっくの昔に檻に入れられて、ただただ餌をもらう動物に成り果てているってことだ。
それが家畜以外のなんだというのだ?
∧∧
( ‥)あなた自信は社畜って
言葉を使うのは嫌うけどね
(‥ )昔、久米宏だったかな
満員電車って
夏に中に入ると
人の湿気でべちゃべちゃで
汗がどばーって出てきて
まるで出荷される家畜
みだいだー
とか言ってるのを見てな
あれ以来、どうにも社畜という言葉を聞くと、小金もちの成り上がりが人を小馬鹿にする言葉に聞こえてしょうがない。
∧∧
(‥ )そういうわけで
\− あなたは社畜という言葉を
安易に使う人間を見ると
さっさとおっちね
としか思えないと
(‥ )どうしても
下種な成り上がりの
言葉にしか
聞こえなくてな
下種な成り上がり相手に
生きよ
なんて言えねえよ
速やかにおっちね
としか言えねえ
成り上がり連中に限らない。我が身を自嘲する意味としても、社畜という言葉、安易に使う言葉ではないのだ。
事実、自分たちをかえりみると、とっくの昔に自身が檻の中でただただ餌をもらう動物に成り果ててしまっていることがある。
だから、経営者ってのは、それがたとえブラック企業の経営者でも、この点だけは彼らの主張に正しい部分がわずかにある。
経営者共はしばしばなげくのだ。社員ってのは餌をくれくれとわめくひな鳥で、檻の調子が悪いと騒ぐだけだと。
それは確かに正しい。
人間は餌くれひな鳥でしかない。そんな人間が、これじゃ社畜だよ、と自嘲なんてし始めたら、そりゃ腹も立つだろう。
君等が家畜じゃ困るんだよ。
∧∧
( ‥)でも社員を批判する
そんな経営者も
経済のことなんか
ちっとも分かって
いないのである
(‥ )あいつらは
自分に金を滞留させる
やり方を知ってるだけで
金を回転させる方法を
知らんのだ
だから社員に金を払わず
人々の購買力を落とし
経済を破壊しよる
経済は金のめぐりのこと。ブラック企業の社長は金を出し惜しんで経済を壊し、そうして貯蓄にはげんでいるにすぎぬ。
要するに連中は経営者というよりは寄生虫なのだ。
皆が経済を回している時に、自分だけ抜け駆けして金をためる寄生虫。ブラック企業の経営者とは国家の敵として駆除すべき存在ぞ。
∧∧
(‥ )とはいえしかし
\− その寄生虫である社長たちが
社員はまるで餌くれひな鳥だ!
と吐き捨てる時
そこには幾ばくかの真実が
含まれてもいるのである
(‥ )人間ってのは
そういうものよ
一定の供給がある環境では
それが当たり前だと
考えるようになる
そうして檻の中の餌くれひな鳥であるにも関わらず、日本軍の兵站ガー、とか無駄に希有壮大な批判をしはじめる。
あるいはこうだ。我々は誰もが後進国の低賃金労働を食い物にしている。言って見れば我々は人を食べて生きているのだ。
それにも関わらず、我々は自身が人食いであるということにまったく無関心だし、その事実を突きつけられても、気づかないふりをするし、理解できないふりをする。
本当は理解しているんだろう? だが理解すると自分の被害者としての立場が危うくなるから、理解できないふりをしているだけなんだろう?
だからこそだ。
例えば攻殻機動隊で少佐が、
先進国に産まれただけでも幸運なのに、それでも福祉にただ乗りする気か? (そもそも公安である我々にそれ以上のことはできないよ、自力でなんとかしなさい)
と現実を告げているだけにも関わらず、
これはひどい発言ダー、とガーガーわめく有様である。
餌くれひな鳥とはこんなもので、自分たち自身が人食いであるにも関わらず、平気でこういうことを言う。
自分たち自身が兵站や供給など理解せずに、ただただ飲み食いしているだけにも関わらず、平気でこういうことを言う。
全員、檻の中の餌くれひな鳥に過ぎぬ。
こんな立場で
この漫画の台詞は福祉の否定だ許せないー
とか
日本軍は愚かだから兵站ガー
と言ったところでどうにもなるまい。すべては引きこもりの社会批判と同じ。地に足着いておらず、具体性がまるでない。
∧∧
( ‥)とはいえー
苦労はあるから
愚痴ぐらいはこぼしたいー♪
(‥ )うへへへっ
檻の中にいるってのも
なかなかに大変でな
なんといっても檻の中にいるには檻の維持費を払わねばならん。
そして檻の設備が良くなればなるほど、維持費は増大し、檻のために働く時間は長くなる。
ああしかしだ、だからこそ、自らを社畜と自嘲し、他人を社畜とあざ笑ってはならんだろう。
維持費なのだから、それは義務。
嫌なら檻から出れば良い話。
愚痴はこぼしても良いが、愚痴で社畜と自嘲するのはいささかお高くとまりすぎである。