2016年9月23日金曜日
ヌスビトハギの国
∧∧
( ‥)退屈?
( ‥)退屈じゃないけど
−/ 仕事以外がつまらん
もちろんこれは仕事が愉快で楽しい、とかいう意味ではない。仕事以外があまりにもくだらないというだけの話。
世界はくだらないの累積だった。
ネットを覗いても、何も起こらない。知っている単語で検索しても知っていることだけが引っかかってくる。
既知の中に未知はない。
いや、既知の中にだって未知はあるのだ。
だがあっても既知の思考では既知の中の未知は見つからず、何も起こらない世界だけが延々と続く。
世界はあまりにもくだらなく、あきらめとめんどくさいがひたすら堆積した退屈な姿を見せておる。
∧∧
( ‥)とはいえしかし
ネットとかテレビとか
自分以外の存在に
他人に
未知の提出を求める
というのは
感心できませんなあ
(‥ )まあそうだね
世界がつまらないと
ぼやくのであれば
自分で探すべきなのだ
ああしかし、気晴らしのネタを自分だけで製造するのには限界がある。
∧∧
( ‥)最近あんた
ヌスビトハギに夢中だった
だろう
(‥ )夢中ってほどでもないけど
まああれは
比較的楽しかったな
ヌスビトハギ、それはつまらない植物だ。マメの仲間だが、花は小さく目立たない。人の気になる時があるとすれば、その特徴的な種子が人の衣服につく時だけだ。
∧∧
(‥ )でもあなたが
\− 初めてスケッチした
ヌスビトハギは
ヌスビトハギではなかった
(‥ )写真だけアップするけど
同属別種のケヤブハギ
だったのだな
スケッチはまだ色付けをしていない、もう少し時間ができたら色付けしてHPにアップすることになろう。
∧∧
(‥ )それにしても花ちっちゃいな
\−
(‥ )花が小さくて目立たない
だから映えない植物だな
その辺に生えていても
なんか気づかない
そういう植物だね
ともあれ、ヌスビトハギをスケッチしてみよう、そう思ってスケッチしたものを調べたら、実はヌスビトハギではなかった。そして改めて探した本物のヌスビトハギはこちら
∧∧
(‥ )やっぱ花ちっちゃいな
\−
(‥ )さっきのケヤブハギの
すぐ近くに生えていた
本によればだ
ヌスビトハギは
ケヤブハギより多く
ケヤブハギは
ヌスビトハギより少ない
...だそうだ
なんだよなんだよ、ヌスビトハギをスケッチしようと思ったら、ずっと数が少ないケヤブハギを描いてしまったってか?
ははーーん? じゃあ数えてみよう。そう思ってケヤブハギが1本、2本、ヌスビトハギが5本、10本、16本...そう数えたところで気がついた。
∧∧
( ‥)ヌスビトハギだと思って
数えていたものの多くが
これまた同属別種の
ヤブハギであったと
(‥ )何にも知らないので
ケヤブハギじゃないなら
ヌスビトハギだ
ぐらいの勢いで
数えていたのよね
失敗失敗よ
そしてこれがヤブハギ
それぞれちょっとずつ違う。同属別種どころか、同種の変種にされることもあるそうだが、さもありなん。
違うと言えば違うし、違う点も指摘であるが、見た目や特徴は良く似ている。
∧∧
( ‥)でっ? 一番多いのは
どれだったのだ?
(‥ )ケヤブハギが一番少なくて
それよりヤブハギが多くて
でもどっちも10本以下で
さらにそれより
ヌスビトハギが多くて…
12、13、14…
そう数えていたらだな
森から出たらヌスビトハギ
だらけだったよ
数えるだけ無駄ってくらい
ヌスビトハギだらけ
森の中を歩き、図書館の本を参照にして、スケッチして本を読み、そうして再確認して同属別種の植物を数える。それは数日間の出来事だった。
∧∧
(‥ )あなたが最近面白かったのは
\− それぐらいか
(‥ )あれからもう二週間近く
時間が過ぎてしまった
次のネタを探さないと
駄目だ
さて? 次の気晴らしのネタを製造するには、どうすればいい?