2016年9月15日木曜日
さあ君ならどんな行く末と末路がいい?
∧∧
(‥ )でもイラストレーターの
\− 大半が年収100万に
いかないって話には
反響があるもんですねえ
(‥ )夢を壊すなと言ってる
人もいるから
お金持ちになれるはずだ
そう思ってなんとなく
絵を描こうと
している人も
いるってことかな
イラストレーターではないが、以前、ネットで見たのである。
ラノベを書いていると自称する人が、1冊本を書いても50万か60万しかもらえないから、生活が厳しい、と書き込んだのに対して、
嘘だ! そうやって俺たちをがっかりさせて、ラノベ作家が増えないようにしているんだ!
と噛み付いた人
どうやらラノベ作家もにたような過剰な期待を抱かれているらしい。ラノベを書けば金持ちになってうはうはだと思い込んでいる人がいるらしいこと、そう思ってなんとなく、中途半端に小説を書こうとしている人がいることが分かる。
∧∧
( ‥)でも実際、原稿料なんて
50万、60万でしょ?
(‥ )そんなもんだな
だからもし、1冊の本を書くのに3ヶ月かかったら月収は20万以下になる。そもそも、それが人間が書ける最速の速度だと考えて良い。多人数で生産体制を整えている週刊連載漫画でさえ、単行本は年間4冊だし、ラノベの人でもどうも年間4冊が最速であり、個人的にもこれが限界だ。
*年間4冊以上出している場合、それはゴーストライターによるコピー&ペーストを疑った方が良い、ということでもある。
さらに原稿料は基本、定価×印刷部数×0.1で決まる(0.1が0.07になることもある)。そしてそれはだいたい50万、60万。時には30万だ。漫画のように刷る部数が多い場合にはもっと上がるが、普通は以上のような数字である。
そして単行本を作れる人間の限界速度は先に述べたように年間4冊。
ようするにライターの年収は良くて年間240万程度が限界であり、300万は原則越えない。というかそれ以下が普通だ、ということである。
∧∧
(‥ )しかもそれはあくまでも
\− 仕事を詰め込めるだけ
詰め込んだ理想論であって
もしも年間に1冊しか
本の依頼がなければ
年収は60万になってしまう
(‥ )だけどなんか
本を出すと印税でずーっと
楽に暮らしていけるという
イメージがあるみたいだな
そして同様のイメージが漫画家にもイラストレーターにもあるらしい。
そのせいなのか、イラストレーターの大部分が年収100万以下、という話に対して、それは確定申告の時の金額ではないのか? と疑う人もいる。
∧∧
( ‥)イラストレーターは自営業で
収入の1割を税金で
持っていかれる
(‥ )だが自営業は
非常に不安定で
必要経費もあるからな
それを税務署に申告すれば
税金が軽くなったり
あるいは
税金を取りすぎたから
お返ししますねと
返ってくる場合もある
税務署って
結構良心的なのよね
では? イラストレーターの必要経費とはなんぞや?
パソコンを使うのならパソコンであろうし、絵の具や鉛筆を使うのなら画材や紙代であろう。
∧∧
(‥ )家賃はどうします?
\−
(‥ )事務所と住居をかねている
わけだから
家賃の半分は必要経費かな?
ガス光熱費は? 電気代はパソコンや照明に使うのだから、全部は無理にしてもある程度は必要経費だって言っても通るだろう。だがガス代は関係なさそうだし、水道代は、そんなに水を使うイラストレーターはいない。これは通るまい。
∧∧
( ‥)資料代として本代を計上
( ‥)それはありだね
−/ 人によっては
娯楽のために買った
漫画や雑誌も計上する
かもしれないけど
純粋な資料代としての
書籍を計上しよう
とまあこうやって必要経費を計上し、それを収入から抜く。そして税務署に申告するのである。
∧∧
(‥ )まあ例えばそれで
\− 収入200万から
必要経費100万を抜いて
残りが100万になる
ということはありうる
(‥ )俺だって本代だけで
数十万を
越えたりするからな
あれ自体は
イラストレーターとして
ではなくて
ライターとしての
必要経費だけど
だから200万から100万の必要経費を抜いて残りが100万でした、ということ、これ自体は確かにありうるのだ。
∧∧
( ‥)でもそんな必要経費うんぬんの
話は所詮のところ枝葉末節
(‥ )年収が100万だろうが
実際には200万だろうが
そんなの
どうでもいいんだよ
100万なら5000円の絵を200枚描くか、あるいは20万の絵を5枚描かねばならない。
200万なら5000円の絵を400枚描くか、あるいは20万の絵を10枚描かねばならない。
∧∧
(‥ )これを実現できるかどうか
\− それが問題なのである
(‥ )というかね
それが出来ている奴が
一体何人いるって話なのよな
実際、5000円を400枚だろうが、20万を10枚だろうが、そこまで描いているイラストレーターなら、どこかで見たことあるはずだ。イラストレーターは分野が決まっているのだ。そんな彼らがこれほどの数を描いていたら、目に留まらぬはずがない。
∧∧
( ‥)どこかで見たことがある
イラストレーターって
ほんとうに限られた
数しかいない
(‥ )それに対して
雑誌をめくってみよう
その場その時
一回しか見たことが
ないような
イラストレーターは
何人いる?
という話なのよね
この比率をざっくり考えるだけで、答えは明白だろう。年収100万を越えるようなイラストレーターは明らかに数える程度のものであると。
∧∧
(‥ )きっと必要経費を抜いた金額が
\− 年収100万なのであって
実際の年収は
もっと多いに違いない
という憶測は…
(‥ )現実を前に
これは夢だ夢に違いない
と言っている状態だろうな
実際、年収100万を実現する時に、この絵の単価で自分は何枚描けば良いか? その制作速度を自分は実現可能か? 不可能なら支出を抑えるしかないが、その手段は何か? そういう考察がない。その時点で、以上のようなことを言う人は仕事をしたことがないまま現実から目をそらしている、そう考えて多分、間違いないだろう。
∧∧
(‥ )海外だともっと支払いが
\− 高いらしいよという噂
(‥ )それ具体的な事例が
まったく出てこないだろ?
それじゃあ
死んだら
天国にいけるらしいよ
と言っているのと
変わらんぞ
∧∧
( ‥)皆さん現実を前に
絶望した?
(‥ )絶望したっていうか
見て見ぬ振りしている
そういうことじゃね?
なれば皆の行く末は明白であろう。この話題に絶望し、目をそらしたもの、それは現実から目をそらした者。すなわち、イラストレーターとしての未来はもはやない。
∧∧
(‥ )この現実を見据えて
\− この状況を切り抜けた者のみが
名が通った
イラストレーターになれるので
ある
(‥ )そして成功するものもいる
運良く正社員になれたとか
地道に実績を重ねて
売れたとか
たまたまブームに
乗っかったとか
人生色々なのよねえ
もちろん、その末路も様々であろう。
正社員になれて、あとは静かに何不自由なく、特にぱっとせずに長い時間を無為に過ごすのかもしれない。
あるいは重ねた実績がゆっくりと色あせていくのをただ見守るのかもしれない
あるいは、ブームが終わってあっという間に消え去っていくのかもしれない。
∧∧
( ‥)あなたの末路はどんなだ?
(‥ )なるべく楽しいのが
いいけどな
末路ってだいたい
楽しくないのよねー