2016年8月18日木曜日
人間は本来の自分に崩壊する
その人は年々書く記事の内容がおかしくなっていった。ダーウィニズムは終わって、今や進化論は百家争鳴な状態にある、とか、恐竜絶滅の真の原因はこれだー! なっなんだってー?? という状態。
∧∧
( ‥)でも考えてみれば
元からそうだった
( ‥)その人が90年代の
−/ 初頭に書いた本を
見たらびっくりしたよ
足の速いシマウマはライオンから逃げられるので有利だ。だからシマウマは足が速くなる。
一方、足の速いシマウマを捕まえられるライオンは有利だからライオンも足が速くなる。
だとするとシマウマとライオンはどこまでも足が速くなるか、足の速さは同じになるはずである。
だがそうではない。
なぜか? それは自然淘汰が間違いだったからである。
事実、ライオンは年老いたり病気だったり、あるいは子供の獲物を狙う。このようにライオンは弱い個体を取り除いているだけなのだ。生存競争と自然淘汰は間違いである。ゆえにダーウィンの考えていたような進化論が間違いであることも明白でしょう。
∧∧
(‥ )でも実際にはこれって
\− シマウマとライオンでは
淘汰の圧力が違うから
進化の速度が違うよ
というだけの話なんだよね
(‥ )食べられたらそこで
終わりのシマウマには
速く走れるように
強烈な淘汰がかかるが
ライオンは
獲物を逃しても
晩飯がなくなるだけで
即死ではない
ライオンにかかる淘汰は
そこまで強くない
だから草食獣は肉食獣よりも進化速度が速いことになるし、実際、化石記録を見るとそうらしい。
こんな話、ちょっと進化学の教科書をのぞけば出てくるようなものだ。
∧∧
( ‥)だけど彼はそれを
知らなかった
(‥ )教科書を読まずに
一般書だけを聞きかじって
知った気になって
書いてただけなんだ
つまるところ、彼は歳を取ってからおかしくなったのではなかった。最初からおかしかったし、最初から手抜きだったし、最初から思いつきと勘違いを自信満々に書き立てていただけだったのだ。
もし年齢による効果があったとしたら、それは単純に慣れだろう。
∧∧
(‥ )慣れると本音をぼろぼろ
\− 漏らし始めますからね
(‥ )まああれだ
おっさんが
もう面倒だからと
パンツ一丁で
うろうろするような
ものだな
慣れ、というよりは、ずぼらになるとか、手を抜くとか、面倒くさいと諦めるとか、そう言った方が近いかもしれぬ。
加齢による効果ももちろんあるだろう。年齢を重ねると慣れもさることながら、投入できるエネルギーが減るのでどうしても手抜きになる。
∧∧
( ‥)でも実際には
最初からそうなのだと
手抜きであらわになった
だけで
最初からそこにそれは
あったのだと
( ‥)若い時はエネルギーが
−/ あるからメッキと
厚化粧でごまかす
余力があるから
目立たない
それだけなのだろうな
先に都知事選に鳴り物入りで出馬して、しかしいざ口を開いたらあれよあれよとすべり落ちていった鳥越候補。
ジャーナリストの金字塔だった彼がなぜ?
老いとは恐ろしい
俺たちもああならないようにしよう
それが今の彼を見た僕らが学ぶべきことだ
こういう言説が今、世にあるが
∧∧
(‥ )実際には最初から
\− そうだったんじゃねえの?
(‥ )まあ間違いなく
そうだろうな
つまり学ぶべきはこうである、人の成長とは成長ではない、それは我慢という意地のメッキだ。それが我慢でしかない以上、根本はなにも変わらない。それはそこにある。そして、年老いた人は自分本来の姿に崩壊する。否、単に我慢できなくなって素の欠陥をだだ漏らしするだけだ。ゆえに皆、その覚悟をせよと。
∧∧
(‥ )でもこういう結論って
\− なにかこう
気が滅入るよね
(‥ )そりゃあ
すでに決まっていて
回避不可能だからな
自分がすでによく知っているあの姿に崩壊する。えっ、あれになってしまうのか? これほどうんざりすることもなかなかない。