2016年7月17日日曜日
創作の世界史
ローマ帝国軍人皇帝時代
∧∧
(‥ )50年間に主なものだけで
\‐ 20人以上の皇帝があらわれ
そのほか諸々が割拠したり
殺しあったりした時代
(‥ )平均在位はせいぜい
2年か3年
あるいはもっと短くて
それでも次の時代に
成果を残していった
わけだよね
任期や在位が長ければいいってもんじゃない.それがよくわかる事例であるし,結局,知性を誇る人々の理想論やこうなるぞ論やこうすべき論がてんで見当はずれであることを示す事例でもあろう.
ごくつまらない累積が世界を作る.そして人生においてかなえられる願い事はどんなに頑張ってもただひとつ,しかしこの累積ことが世界を形作ることがここからも読み取れる.多分.
∧∧
(‥ )でもこの時代のことって
\‐ よくわかっていないん
だよね
(‥ )資料が少ないそうだな
∧∧
( ‥)というわけで読んでみました
「ヒストリア・アウグスタ」
ローマ皇帝群像3
京都大学出版会
( ‥)ウァレリアヌス帝が
‐/ ササン朝ペルシャ皇帝
シャープール一世に
捕まって以降のことまで
読み進んだが...
*ちなみにこの歴史書にはウァレリアヌス帝の前に少し欠落がある.
それにしてもこの著書.前々から信憑性に欠ける,と言われていたものだけども,翻訳者である研究者による脚注を見るに,実在は確認できない,本伝記著者による創作の人物であろう,という人があちこちで出てきよる.特に執筆当時の時点で,すでに資料が乏しかった後半になってくるとそれがより顕著になるそうだ.
**例えば,
この皇帝はこんなに良いことをしたんだよ,こういう悪い人がいたけどそれを処罰したんだ
という部分が創作,とか
諸民族が望んでいるから捕囚としたウァレリアヌス帝を解放するべきだとペルシャに書簡を送った王がいた
とか,そういう部分が創作.
∧∧
(‥ )訳者による前書きでも
\‐ むしろ歴史小説として
読むほうが多くの読者にとって
良いかもしれないって
書いてあるね
(‥ )言い換えるとあれなのな
歴史研究者は
引用されている人物が
実在かどうかを
確かめられる
クロスチェックの方法を
ちゃんと持っているという
ことなんだよな
それは現存する他の文献であろうし,あるいは発掘された碑文などであるのか,
∧∧
(‥ )そこんところ
\‐ 知りたいものですなあ
(‥ )まあおいおい調べるさ