2016年6月18日土曜日
価値ある生とは言葉の矛盾である
さる人が曰く
老人ホームへいったら驚きました! プライバシーなんかないんです! 部屋の扉が全部開いていて,どこからでも丸見えなんです!!
∧∧
( ‥)...そりゃ何が起こっても
すぐに対応するためじゃね?
(‥ )だろうな
以前みたホームは
職員の詰め所がホールの
中央付近にあって
周囲の壁に並ぶ部屋が
全部一望できるように
なっていたな
さる人が曰く
老人ホームには自由がないんです! フロアの出口は全部施錠されているんですよ!! これが人間に対する扱いですか??
∧∧
( ‥)徘徊しちゃうからだろ?
ぼけちゃった人が
外へ出たらどうすんだ?
(‥ )介護職の知り合いに
聞いたら
現場を知らない素人の
判断は危険すぎる
だそうだ
こんなこと明瞭であろう.
だがこの明瞭な事実に思いいたることもなく,老人は非人道的な扱いを受けている! という結論に飛びつく人間がいるのが現実.
そしてこれは珍しいことではない.
なれば我々すべてがこれと同等程度の思いこみを振り回し,あるいは邁進し,そしていつの間にかそれを使っているであろう.
∧∧
( ‥)なれば結論は明白なり
(‥ )この世の見解のすべて
その一切に
論ずる価値無し!
すべてはたわごとだ.
∧∧
(‥ )すべてに価値がないのなら
\‐ ではどうしてお前は
生きているのか?
と問われるでしょう
(‥ )えー? 価値があることしか
やらない人生なの?
そりゃあくだらない
人生だな
価値ある人生だなんて,君はそんな生が面白いのか? 本気で言っているのなら驚きだ.
いや,すべての生に価値がないこと明白あるがゆえ,むしろこうである.
価値ある生とは言葉の矛盾であると.