2016年4月23日土曜日
暗いひとりぼっちの世界
そういえばもう20年は前になるか。公園を歩いていたら、森の中から、きえー、とかいう声が聞こえる。
なんだ? 喧嘩か? と思ったが声は一種類だけ。
次に、声が甲高いから、レイプか何かか? 真っ昼間なのに?? とも思ったが、普通の声より高いがどう聞いても男の声であった。
どこから聞こえているか。いろいろと探しまわって近づくと、猛烈な揮発性の匂いがした。
シンナーだ。のぞいてみると作業着であろうか? 地味な格好をした若い男が袋を顔に押し当て、地面に横たわって身悶えするように体をよじり、きゃーきゃーと声を上げていた。
∧∧
( ‥)でっ、実はこれが
魔法であると
(‥ )魔女の魔法はこれぐらい
もちろん、かつての魔女たちがやったのはヒキガエルだのイモリだの野草だのの毒を使ってハイになる方法であろう。
しかしもしも、シンナーを合成する手段を手に出来たのなら、それは実際の魔女魔法を越えて、錬金術となる。
∧∧
(‥ )中世にシンナーを合成できたら
\− 魔女さんたちはそれを
すーはーしてたのでしょうな
(‥ )さらに発達すると
人工麻薬を製造して
サバトと称する
ドラッグパーティーを
開催してたかもね
そして当然、こんなことをもしも行えば、当局に摘発されること疑いないのである。
∧∧
( ‥)魔法って所詮はこういうもの
なんだよと
(‥ )だから表に出ては
いけないのだ
もちろん、もしも錬金術でシンナーを合成できるのであれば、その時、錬金術は表の世界さえも大きく変えているだろう。
∧∧
(‥ )でもそうなるとそれは化学に
\− なってしまって
当然、人々は
科学技術を支えるための
学校の授業と義務教育から
逃れるわけには
いかないのである
(‥ )そしてそうなると皆が
逃れたい現代世界と
何も変わらないことになる
当然だよな成功した
錬金術の世界が
我々の世界なんだから
つまり
魔法は成功すると
現実世界に重なり
現実逃避の意味がなくなる
やはり魔法は暗いひとりぼっちの世界がふさわしい。