2015年12月25日金曜日
デマの独占販売は崩れた
∧∧
(‥ )多くの人はFacebookとか
\‐ Twitterを見て
情報を収集するそうですよ
(‥ )...ああ、考えてみれば
当たり前だけど
改めて言われると
新鮮だなあ
多くのことを知りたい。ひとつひとつのことを深く知りたいわけじゃない。
∧∧
(‥ )そんな時間ないからね
\‐
(‥ )情報はスナック菓子の
ようなものって
ことだな
もちろん、そんなことをするから嘘に容易に騙される。
例えば時々見る話。
進化はウイルスで引き起こされる。アフリカ人はマラリアに対抗できる。これもウイルスによって進化させられたものである。
∧∧
(‥ )...あからさまな嘘
\‐ あるいは勘違いだよね
(‥ )ウイルスが遺伝子に入って
出て行くその時
遺伝子にいわば傷を残す
それが変異の源になる
あるいは
なりうることがある
それはいいけど
マラリアに対抗できる
鎌形赤血球の変異は
たった一カ所の変異だよね
こんなたった一カ所の微妙で繊細な変異が、ウイルスが遺伝子に入り込んで、そして再びごそっと出て行く時にできた傷なのか? 違うよね?
というか、そもそも遺伝子の変異は色々な理由で起こる。活性酸素だったり、放射線だったり色々だ。むしろそれが普通。そんな色々あるなかで、なんである特定の変異がウイルスによるものだって断定できたわけ?
どう考えても話がおかしい。
∧∧
(‥ )単純にあれだよね
\‐ ウイルスが
進化を引き起こす
すなわちウイルス進化論
この与太話と
マラリアに抵抗力を持つ
鎌形赤血球の話を
ごちゃまぜにしちゃった
勘違いだよね
(‥ )でも”分かりやすい”から
この勘違いが
広まるわけだ
かように、短いトピックス的、あるいはトリビア的な面白さだけで情報をつまみ食いすることは危険だ。
視聴者から集めた無駄情報を放送したトリビアの泉。あの番組には調べたら間違っていたガゼビアの沼があったことを忘れてはいけない。
嘘が混じるから危険、というよりは、テストをしたら赤点を取ってしまうほどに間違いが多い。このことが問題になる。
∧∧
(‥ )でも消費者にとっては
\‐ どうでもいいんだよね
テストはないし
間違いでもなんでも
ネタになればそれでいい
(‥ )本を作る側としては
困った事態だな
これが正しい
その根拠はこれこれである
そう説明する意味が
まったくなくなってしまう
もちろん、これは昔からそうではあった。今に始まったわけではないし、FacebookやらTwitterやらが悪いわけでもない。
例えば、世の中の人はマスコミをマスゴミと揶揄する。間違いだらけ、嘘、大げさ、恣意的。
もちろんマスコミがそんなことをしてしまうのには理由がある。理由のひとつは単純。卒業すればテストが無い。テストが無いおっさんの理解には赤点が貯まる一方だ。要するに全自動的に馬鹿になっていくのである。
だがより深刻なのは
∧∧
( ‥)嘘、大げさ
恣意的でないと
みんなが
”理解”してくれないから
(‥ )新聞やテレビが
嘘、大げさを報道する
これは
みんなが鵜呑みにしやすい
嘘を作る
そうでないと売れない
その結果なんだよな
売れる話を作り続けると
煽りと嘘だらけになる
FacebookやTwitterはデマの巣窟だと言われる。
そりゃそうだ。デマは人間本来の姿なのだから。そうなるのが当然。
だからネットの普及が深刻なのは、デマを拡散することではない。それは昔からそうだし、それが人間だ。
∧∧
(‥ )深刻なのは
\‐ FacebookやTwitterは
”デマをただで供給する”
ここだよね
(‥ )デマを有料で
独占販売してきた
新聞やテレビや雑誌は
深刻な打撃を受けたのだ
雑誌だって、多くの記事は嘘や捏造だった。FacebookやTwitterと変わらない。違うのは有料か無料か、という点だけだ。
そもそも新聞、雑誌、テレビが”まともな情報を掲載することで売り上げを伸ばしていた”のであれば、ネットの発達になんの影響も受けなかっただろう。
確かに、新聞、雑誌、テレビはネットをデマだらけと批判する。
しかし、それを言っている新聞や雑誌、テレビの売り上げは、ネットの発展で影響を受けた。
これはなんのこっちゃない。新聞や雑誌やテレビがデマを独占販売していたこと、その独占がネットによって崩されてしまったという証拠である。