2014年10月29日水曜日
ピンハネは相手を信用しないと成立しない
最近はどういうわけか仕事の依頼を断る事案が多い。
∧∧
(‥ )今日も一件断りました
\‐
(‥ )仕事を選んでいる
場合じゃない
それは分かるのだけど
これは無理っぽいな
というのは
引き受けない方が
良いだろうなあ...
∧∧
( ‥)イラストレーターさんが
間に入るわけだよね
( ‥)イラストレーターと
‐□ 仕事するのは
ものすごく
面倒くさいのだよ
まず、イラストレーターであれば絵を描ける。
これは当然。
だがしかし、イラストレーターとは、自分が描いているものが何なのか、それを分かっていないままに描いていることがしばしばある。
∧∧
(‥ )本来、イラストレーターとは
\‐ 描きたいものを
描きたいわけだからね
でも仕事でくるのは
描きたくないものかもしれない
(‥ )俺だって
描きたくないものを
描きたくはないからな
嫌気がさして
仕事を断ったこともあるし
それを考えると、分かっていないままに描く、それがなぜありがちなのか分かろうというものだ。
気乗りしないのである。
というか、そもそも調べていないのだ。
しかし仕事だ。必然、把握し切っていないのに絵を描くことがままある。間違いとかではない。把握がずさんなのだ。
∧∧
( ‥)見れば分かりますよ、と
( ‥)それゆえにだな
‐□ イラストレーターには
資料を送るだけじゃ
すまないのだよね
”この資料はこう理解して
下さい”
つまり理解の仕方まで
指示しないといかんのよ
当たり前なんだがな。
そんなことは当たり前なのだ。資料は資料単独で存在しているわけじゃない。資料は”適切な解釈の仕方”と一緒になって、初めて意味をなす。だから資料だけではなく、その資料の理解の仕方も伝えねばならぬ。
多くのイラストレーターは自分ではものを調べない。
自分で調べたイラストレーターも、資料を理解できない。
これゆえ、イラストレーターには資料だけでなく理解の仕方も伝えねばならぬ。
困ったことに、理解それ自体を理解する必要があるので、理解のための理解を伝えねばならぬ。
だがしかし、これが超絶面倒くさいのである。
∧∧
(‥ )その手間ひまを考えると
\‐ 仕事にならんだろうと
(‥ )仕事にならんどころか
むしろ他の仕事の足を
引っ張る事に
なるだろうからな
そうなると利益は
マイナスだ
断るのは残念だが
止むなしだなあ
とはいえ、こういう判断は、本来は正しいものではない。
∧∧
(‥ )本来なら若手の
\‐ イラストレーターや
ライターを使って
”効率的”に仕事を
するべきなんでしょうね
(‥ )自分を含めて3人で
仕事をする
取り分は自分と他の2人で
6:4にする
それで2倍以上の仕事を
すれば1人の時よりも
収入は上がる
もっともこれ、自分が雇った2人は取り分の4割をさらに等分することになるから、彼らは2割程度の収入しか得られないことになる。3人で3倍の仕事をこなしても、彼らの収入は1人で仕事をした時の6割にしかならない。
∧∧
( ‥)でも駆け出しの人は
そもそも仕事が
もらえないのだから
0よりは6割の方が良い
( ‥)写真家、イラストレーター
‐□ 漫画家、ライターは
こういう仕組みで
成り立っている
美容師さんとかも
そうなのかな
こういう業界は多いはずだ
∧∧
(‥ )これってぶっちゃけ
\‐ 若者をピンハネしていること
だよね
(‥ )そういう風に解釈すると
普通の会社も
こういうことなんだがな
言い換えれば、イラストレーターでも以上のようにすれば、会社員のように大きな収入を定常的に得ることが可能だ。そういうことである。これは漫画家でも誰でそうだ。
∧∧
( ‥)ただし
そこまで規模を大きく
出来ればね
( ‥)先日ネットで話題になった
‐□ 35歳だけど生活できない
だから俺は漫画家辞める!
そういう嘆きがあったけど
あれもこういう話
なんだよな
40歳が人間の仕事のピークなら、35歳までに事業は軌道に乗せねばならない。つまり、35歳までにアシスタントなりなんなり、彼らをピンハネすることで自分が悠々自適に生活できるようにするのみならず、アシスタントたちも生活できる程度にまで事業の拡大に成功せよ。自営業者が持つ課題とはこれなのだ。
言い換えると、35歳だけど、もう漫画家としてやっていけない、とはこの課題に失敗したということに他ならない。
∧∧
(‥ )あなたもそれに失敗した
\‐ そればかりか
この期に及んで
イラストレーターとの
調整が面倒くさいと
逃げているよね
(‥ )多分なあ
俺は他人を信用して
おらんのだな
考えてみれば、ピンハネをするとは、相手を信用するということでもあるのだ。
∧∧
( ‥)まあ、単純に搾取するだけの
場合もあるんだけどね
( ‥)悪い奴は搾取だけする
‐□ 中途半端な奴は
使えねー 使えねー
と愚痴だけこぼして
部下を怒鳴って
ばかりいる
会社でもどこでも
こういうゴミカス野郎は
いるものだ
それでもなお言わねばならぬ。組織的な意味で言えば、若手をピンハネして生活を共にしよう、というのは、相手を信用しなければ成り立たないのだと。
∧∧
( ‥)だけどあなたは他人を
信用出来ない
だからほぼ自分一人で
ことを行おうとする
どうします?
体力はどんどん低下して
事業の軌道がさらに下がるよ?
(‥ )だとすると
全く別の手を
打たねばならんだろうな
別の手を打たねばならん。実際、そろそろ限界に近いのだ。