2014年8月18日月曜日
アンモナイトラビリンス
( ‥)俺はアンモナイトのことを
‐□ 何も知らん
∧∧
( ‥)あれは種類が多いからね
というか貝殻から手に入れられる特徴はかなり限られている。少なくとも、脊椎動物のように数百個のパーツからなる骨とは比べ物にならない。
∧∧
(‥ )アンモナイトさんの骨格は
°‐ この貝殻ただひとつ
だからね
(‥ )内部構造があるから
ひとつの骨よりは
情報があるんだがな
いかんせんこれではな
識別はできるのだ。特徴に限りがあっても、その組み合わせが無限に近いほど多くなることがある。なれば、組み合わせさえ見れば識別出来るは道理なり。
∧∧
( ‥)順列組み合わせみたいな
ものですかね
( ‥)まあ、そうなると
‐□ 系統解析は無理になるな
あらゆる形質が別々の
系統を支持して
多分岐になってしまって
解析不可能になる
それ自体は良い。残念なことではあるが、状況は分かる。
∧∧
(‥ )むしろ
\‐ これは順列組み合わせである
そう断じて良いのか?
という問題ですか
(‥ )系統解析が
多分岐してしまうという
ことからすれば
それに近似だと言って
良いのかも知れんけどね
問題はそれをちゃんと言えるほどに自分はアンモナイトを見たか、知ったか、文献と論文を読んだか? ここなんだろう。そういって良いよ。それは良い。では具体的にこうである、そう言えるか? 言えない。言うほど知っていないから。
∧∧
( ‥)そしてしかも、この状況下でも
アンモナイトの
系統に関する議論は
すでになされている
これはどう考えるべきか?
その論証はどう
評価されるべきなのか
そこがまるで分からないと
( ‥)例えばアンモナイトが
‐□ バクトリテスから由来する
というのは
分かりやすい話であるね
確かに根拠があるから。少なくとも素人目にもそう見える。
∧∧
(‥ )でもなんかアンモナイトじゃ
\‐ ないんだけど
例えばの話
オウムガイって系統が
良くわかっていない
みたいな感じだね
(‥ )オウムガイは...
なんていうかな
顕著な派生形質が
無いって言うのかな?
過去へ向かって系統を
追跡すると
起源に近い辺りで
よく分からなくなる
っぽいのだけど...
これ、意外と困った話なんだと言える。オウムガイとアンモナイトをどう区別すれば良いのか? それは例えば体管の特徴であり、あるいは縫合線の複雑さである。しかし、アンモナイト絶滅後の新生代にいたオウムガイには、縫合線の特徴が初期のアンモナイトに少し似たものがいた。
∧∧
(‥ )でも殻を貫通する管は
\‐ オウムガイなんだよね?
(‥ )まあそうだね
でもその一方では通常のアンモナイトから逸脱した管の配置を示したアンモナイトも実在する。
∧∧
( ‥)それをアンモナイトと判断した
その論証と根拠は何か?
それをオウムガイと判断した
その論証と根拠は何か?
( ‥)俺は何も知らんのな
‐□ まあ、調べれば良い
だけの話なんだが
把握するには論証を把握しなければならぬ。
しかし、論証が同定であった場合、その同定が正しいかだけではない、その同定がどんな意味を持ちうるものなのかを考えなければならぬ。
∧∧
( ‥)そこで途方に暮れている
わけですか
( ‥)ちょっと頭がパンク状態
‐□ なんだな
少し休むか